メールマガジン「実践!作文研究」
第9号(2000.3.26)


論理的思考を鍛える「さくぶん情報誌」
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第9号 2000年3月26日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 皆様には、年度末業務や引っ越し手伝い等、大変とご推察します。
 今回は僭越ながら、私の実践を報告させていただきます。報告す
るのは「ご当地紹介作文」です。自分の住んでいるところを、その
町を全然知らない人に教えるとします。皆さんだったら、ご自分の
ご当地を、どんな風に知らせるでしょうか。

         ◆     ◆     ◆

−−2.番号作文「ご当地紹介作文」−−
                         小学校教諭
                          松田善啓

 = 1 「番号作文」の応用 =

 これから紹介する作文は、「ご当地紹介作文」という。
 これは、「番号作文」という作文の手法の応用である。
 「番号作文」について、本メールマガジン編集主幹の上條晴夫氏
は、次のように説明している(上條晴夫著『ファックス資料・だれ
でも書ける作文ワークシート』(学事出版))。

┌────────────────────────────┐
| 番号作文とは、「箇条書き的に単文を書き並べて接続詞を使|
|わない」作文の書き方です。               |
| 単なる箇条書きのようですが、「よく見る」の基礎的な指導|
|に最適です。                      |
└────────────────────────────┘

 さらに同書では、この手法を用いた指導法が「スケッチ作文」と
していくつか紹介されている。
 例えば「先生を見て」という指導法(「中学年」68ページ)。
15分間で先生の様子を「番号作文」の手法で書かせる。先生はお
めかしをし、子どもが作文を書いている間、動いてはならない。
 同書に出ている「先生を見て」の作文例はこれだ。

┌────────────────────────────┐
| ○○先生をじっと見ました。              |
| 気づいた点が4つあります。              |
| 1 茶色の背広と茶色のズボンで同じ色の服を着ています。|
| 2 ヘアスタイルがいつものぼさぼさでなくてオールバック|
|   です。                      |
| 3 胸のポケットに3色のボールペンが見えます。    |
| 4 椅子に寄りかかって窓の外を見ています。      |
| わたしは、きょうの○○先生はいつもよりおしゃれをしてい|
|ると思いました。                    |
└────────────────────────────┘

 同書には他にも、この手法を用いて、次のような作文指導法が紹
介されている。
「ローソクを見て」
「テレビCMを見て」
「日本地図を見て」
「きゅうしょくを見て」
「ニュース番組を見て」
 など。詳しくは同書を参照のこと。
 なお、この実践報告の最後に、同書についてのやや詳しい説明を
付したので、参考にしてほしい。

 = 2 「ご当地紹介作文」 =

 たまたま、友好都市との交流の中で、私たちが住んでいる町のこ
とを相手に紹介するという機会があった。
 私の学級(6年生)では、「番号作文」を応用して、自分の住ん
でいる町を紹介してもらうことにした。題して「ご当地紹介作文」
である。

┌────────────────────────────┐
|これから、私たちの住んでいる町を紹介するお手紙を書きます|
└────────────────────────────┘

 といって、次の書式を示した。

┌────────────────────────────┐
| これから、私たちの町、○○町を紹介します。      |
| 1.○○町は、……です。               |
| 2.○○町は、……です。               |
| 3.○○町は、……です。               |
|  :                         |
|  :                         |
| 私は、こんな○○市を、○○と思います。        |
| (その他、思っていることを付け加える)        |
└────────────────────────────┘

『この町について自分の知っていることを、この町を全然知らない
 人に、教えてあげるつもりで書いてください。相手の人たちが、
 この町にぜひ、来たくなるような紹介文をね』

 そして、書く前に次のことを説明した。

1.なるべくたくさんのことを、教えてあげること。
2.知っていることを、知っている順番で書いてもOK。
3.社会科副読本や百科事典を使って調べてもOK。
4.1つの文をなるべく短くすること。
5.書く時間は20分間(延長は認める)。

 質問がないのを確認して、作業をスタートさせた。
 黙々と原稿用紙に向かう子。
 資料を探すため、図書室に出かけていく子。
 教室に、カリカリと鉛筆の音が響き渡る。
 20分後、ほとんどの子が書き終わった。
 その中から、1つだけ紹介する。
 ただし、私自身が匿住所なので、固有名詞をすべて仮名にして紹
介しなければならないことをお許し願いたい。

┌────────────────────────────┐
|   権蔵町の紹介                   |
|                        拓ぼん |
| ぶんちゃか市のみなさん、こんにちは。         |
| これから、ぼくの住んでいる権蔵町の紹介をします。   |
|                            |
|1.権蔵町は、日本海に面しています。          |
|2.権蔵町の海には、翁島という島があります。      |
|3.翁島は、島の形が翁に似ています。          |
|4.権蔵町は、権蔵小唄という民謡が誕生した地です。   |
|5.権蔵町には昔、権蔵五郎太という、有名なとんちの天才が|
|  いたといわれています。               |
|6.昔は珍しい魚がいっぱい獲れました。         |
|7.御手洗屋饅頭というおいしい食べ物が名物です。    |
|8.8月には、権蔵まつりという大きなお祭りがあります。 |
|9.権蔵まつりではたくさんの山車が町の中を練り歩きます。|
|10.人口は一万人ちょっとです。             |
|                            |
| ぼくは、この町がとても好きです。           |
| みなさんの町はどんな町ですか?今度教えてください。  |
└────────────────────────────┘

 町の特色をなかなかしっかりつかんでいる。他の作文もよかった。

 = 3 「ご当地紹介作文」のメリット =

 この「ご当地紹介作文」には、次のようなメリットがある。

 1.作文を書くことで、自分の町を見つめなおすことができる。
 2.お互いにこの手法を使い、町同士の交流をすることができる。

 全国各地で書かれた子どもたちの作文を集めて、「実践!作文研
究」のホームページ上で紹介し、「お国自慢大会」ができたら楽し
そうだ。
 追試報告、ぜひお待ちしています。

 = 4 伝言版 =

 今回参考にした本について、紹介する。
┌────────────────────────────┐
|上條晴夫著                       |
| 『ファックス資料・だれでも書ける作文ワークシート』  |
|                      (学事出版)|
└────────────────────────────┘ 
 この本は、作文指導のためのワークシート集である。「遊び感覚
の作文」「想像力を使った作文」「論理的思考を高める作文」を3
つの柱にして、各45のワークシートを紹介している。「小学校低
学年」「小学校中学年」「小学校高学年」の3冊からなっている。
定価は各1500円+税。申込は全国の書店、または次のURLで。

http://www.jugyo.jp/sakubun/link/bookshop.html

【今回の執筆者のプロフィール】

 松田善啓(まつだ よしひろ) yo_mazda@nifty.com

 小学校教諭。月刊雑誌『授業づくりネットワーク』編集委員。
 新任時より「見たこと作文」実践を行い、作文に関する実践記録
 や論文を著してきた。
 現在「実践!作文研究」ホームページを製作し、本メールマガジ
 ンでも編集長を担当している。

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−

 なんと、私こと松田善啓が個人サイトを出しました。
 月刊雑誌『授業づくりネットワーク』2月号に掲載された「メー
ル作文」を収録しています。他にも、実践を掲載していくつもりで
す。また、「ゲストブック」「金八先生リンク集」もあります。
 「実践!作文研究」とも相互リンクしています。ぜひお立ち寄り
ください。

「松田善啓 教育実践のページ」
 http://www.geocities.co.jp/NeverLand/3804/ 

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

 来週号(No.10)は、池内 清さん(東京・小学校)のリレー連
載「作文キーワード事典 第3回」をお送りします。
 どうぞお楽しみに!

○作文に関する情報・感想等をお待ちしています。感想等は本誌や
 WEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方はメールでご相談を。
○本誌への読者登録・解除・アドレス変更はこちら。
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
まぐまぐID:0000023841
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究 2000
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