メールマガジン「実践!作文研究」
第84号(2001.9.9)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 メールマガジン「実践!作文研究」
 第84号 2001年9月9日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第84号をお届けします。
 連載「作文授業事典」の第4回をお送りします。今回は木越憲輝
さんの「テーマ日記」です。実践とともにご紹介します。作文指導
の参考にしていただければ幸いです。

         ◆     ◆     ◆

−−2.連載・作文授業事典−−
                        東京・小学校
                         木越 憲輝

============================================================
 作文授業事典 第4回

          【テーマ日記】
============================================================

■テーマ日記とは

 テーマ日記とは、テーマを決めて何日間か続け書きをする作文指
導である。テーマ日記を提案した文芸研の西郷竹彦氏は、「一つの
テーマのもとに毎日書き続けることで、対象についての認識をひろ
げ、ふかめることをめざす日記」だとしている。
 テーマは、子どもが自分自身にとって関心のあるテーマを選ぶ。
 子どもに説明する際以下の「テーマ日記のやくそく」を伝える。

┌────────────────────────────┐
│(1)きょうのできごとを書くこと            │
│(2)きめたテーマについて書くこと           │
│(3)どんなことでもテーマにむすびつけて書くこと    │
│(4)まえの日記の<よみかえし>をして書くこと     │
│(5)<だい>をきめてから書くこと           │
└────────────────────────────┘

(西郷竹彦監修・奄美文芸教育研究会著『文芸研実践シリーズ テ
ーマ日記の指導』明治図書p.19から引用)
 そして、書いてきた日記には、必ず教師が傍線、傍点を入れたり
指導言を書き入れて返す。
 最後に、子どもがテーマへの意識を失った時や教師が潮どきを見
計らって、<まとめ>を書かせる。

■指導例

 1年生の生活科で「お母さん研究」を行った。家で見たことをレ
ポートする形を取った。数日後、母のしていることの他に、父やそ
の他の家族との関わりがレポートに多く出てきた。
 そこで、テーマを「家の仕事」に変更することにし、テーマ日記
の宿題とした。

(1)テーマ日記を書くときの約束を説明する。

 いつもの日記と違うので、子ども自身が書き残せるように連絡帳
に書かせた。
┌────────────────────────────┐
│ これから4日かんえにっきのしゅくだいがでます。そのとき│
│のやくそく                       │
│1,テーマは まい日「いえのしごと」です        │
│2,だいめいをつけます。だいめいをつけてから かきます │
│3,その日のことでかんじたことや「 」をつかうといいです│
└────────────────────────────┘
 その後、絵日記帳に絵と日記(1ページ165文字)を書かせた。
今回が初めてのテーマ日記(毎日続けて書く宿題)だっだ。子ども
に見通しを示して、やる気を維持したいと考えた。そのため、はじ
めに4日間続けることを児童に伝えた。原実践から改良した点だ。

(2)指導言を書き入れる。

 次の日から子どもの日記に指導言を書き入れた。例えば、「おか
あさんのしごとはたいへんだね」「てつだいをしたんだね」など子
どもの書いた言葉に、共感する言葉を書き入れた。
「」内の言葉や子どもの思いが書かれている部分に傍線を引いた。
 1日目の作品がでた日の連絡帳に以下のように書いた。
『今日の日記はとても良かったです。今日は、昨日の日記を読んで
 から今日の日記を書き始めましょう。』   

(3)まとめを書く

 4日目のテーマ日記が提出された日に、1時間の授業の中で「ま
とめ」を書かせた。
 次のような指示を出した。
『自分が4日間書いた文を2回読み返します』
『読んだら、4つの文を読んで感じたことを書きます』
『題は「家の仕事のまとめ」とします』
 
「家の仕事」というテーマ日記で、以下のような作品が出来上
がった。

┌────────────────────────────┐
│ 「おさらはこび」                   │
│ きょうは、よるごはんをたべおわったあと、おかあさんが、│
│「おさらをはこんでちょうだいね。」           │
│ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~             │
│といいました。ぼくはお手伝いをしました。おかあさんは、そ│
│のおさらをあらっていました。              │
│ ぼくは、おかあさんのしごとはちょっと大へんそうだとおも│
│     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   │
│いました。                       │
│ ● おかあさんは大へんですね             │
│                            │
│ 「うえ木の水やり」                  │
│ きょうは、にわの草や花や木に水やりをしました。    │
│ばばちゃんが、                     │
│「花の上から水をかけないでねっこに水をかけてね。」   │
│とおしえてくれました。ぼくも手伝いました。花がうれしそう│
│だとおもいました。            ~~~~~~~~~~~~~~│
│~~                           │
│ ● ばばちゃんはおしえてくれたんだね。        │
│                            │
│ 「あっちっちアイロン」                │
│ きょうは、ばばちゃんがアイロンがけをしていました。  │
│ハンカチやパッチワークのしわをのばしていました。そのハン│
│カチやパッチワークは、あつあつでした。         │
│ぼくはアイロンは、ちょっとむずかしいなあとおもいました。│
│   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        │
│ ● あついから、むずかしいね。            │
│                            │
│ 「花生けグサッ」                   │
│ きょうは、「オアシス」にバラやかすみ草を生けるのをみま│
│した。ばばちゃんがやっていました。ぼくもグサッグサッとさ│
│しました。グサッグサッとさすのはおもしろかったです。  │
│ ● グサッグサッがおもしろそうだね。         │
│                            │
│ 「いえのしごとのまとめ」               │
│ おかあさんたちのしごとは、けっこう大へんそうだとおもい│
│ました。          ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~    │
│ ● たいへんなのですね。               │
└────────────────────────────┘

(1)母だけでなく祖母の仕事が登場した。
(2)子ども自身が仕事をやってみるようになった。
(3)家の仕事をいくつも書き、たいへんな物が多いことを再認識
  している。

■指導のポイント

(1)テーマを決める

 今回は教師がテーマを決めた形だった。原実践は多くが子どもと
の対話や今までの日記と指導言の交流によってテーマがしぼられる
ものが多い。
 だから、今回は1日目の説明がポイントになった。お母さんだけ
が仕事をしているのではない。例えば、「手伝ってと言われてぼく
は、ゴミ捨てに行った」とか「お母さんが寝ている間にお父さんが
皿を洗った」などを例に挙げた。
 今まで見つけてきた仕事を振り返り、テーマは「家の仕事」にな
ることを確認した。
 子どもが多少納得することが初めの段階では大切だ。それがテー
マで続け書きを意欲的に行えるかどうかの鍵となる。

(2)子どもの立場にたつ指導言を書き入れる。

  指導言を書き入れる際、書き方指導よりも子どもの気持ちに共
感し、共感した文を書く。そのことにより、他人に客観的に見てら
れるのでなく、自分自身で客観的に自分を見つめることができる。

■参考文献

西郷竹彦監修・奄美文芸教育研究会著
      『文芸研実践シリーズ テーマ日記の指導』明治図書

【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会

         ◆     ◆     ◆

−−3.HP進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○秋も近いので、トップページの壁紙を変えてみました。
○「おもしろ作文道場」は、第31回「教室日記」です。
 教室で起こったおもしろ出来事を教えてください。

−−4.編集後記−−

○このメールマガジンを知人に送って、購読をお薦めください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、本誌へ
 の感想をお待ちしています。
 本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方は松田までご相談を。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 まぐまぐ http://www.mag2.com/ 0000023841
 Pubzine http://www.pubzine/com/ 8460
 melma! http://www.melma.com/ m00014780
 ココデ・メール http://mail.cocode.ne.jp/ 0700300256
 macky! http://macky.nifty.com/ 23841
 メルマガ天国 http://melten.com/ 1930
 E-Magazine http://www.emaga.com/ sakubun
 カプライト http://kapu.cplaza.ne.jp/ 851
 めるぼっくす http://www.merubox.com/ 00000162
 めろんぱん http://www.melonpan.net/ 000879
 ティアラオンライン http://www.tiaraonline.com/ m102212

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
メールマガジン「実践!作文研究」No.84 2001/9/9  読者数2047
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究 2001
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「作文授業事典             」

「第84号の感想」を書く 戻  る トップページへ

メールマガジンのご案内へ