メールマガジン「実践!作文研究」
第82号(2001.8.26)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第82号 2001年8月26日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第82号をお届けします。
 もう夏休みも、全国的におしまいですね。夏休み企画のリレー連
載「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」も、残すところ、
今回と次回のあと2回になりました。
 今回は、佐内信之の【「切手」をネタにした見たこと作文】です。
私も子どもの頃、切手を集めていました。当時売っていた普通切手
を全種類もっていました。1円切手から…、ええと、何円切手まで
あったかなあ…?
 では、切手の見たこと作文、お読みください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載
     「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」−−

                        東京・小学校
                          佐内信之

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   総合的学習には見たこと作文がよく似合う!
   その6 「切手」をネタにした見たこと作文
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■見たこと作文と総合的学習

 見たこと作文は「従来の『思い出して書く』作文に対して、『行
動(見る、聞く、調べる)して書く』点が特徴」(上條晴夫『見た
こと作文でふしぎ発見』学事出版 3ページ)である。「見る」だけ
でなく、「聞く」「調べる」などの行動全般が含まれていることに
注目したい。
 上條氏自身も以下のように述べている。
┌────────────────────────────┐
|「見る」という言葉には、物理的な「見る」以外のさまざまな|
|意味がある。辞書を引くと、「調査をする。しらべる」など、|
|「聞く」「読む」の内容が含まれるのがわかる。見たこと作文|
|で「見る」という場合、上のような「読む」「聞く」が含まれ|
|てもいい。(上條晴夫編『「見たこと作文」実践ネタ集』学事|
|出版 133ページ)                    |
└────────────────────────────┘
 「見る」ことを中心にしながら「読む」「聞く」「調べる」活動
を展開する。このようにとらえたとき、はじめて「総合的学習には
見たこと作文がよく似合う!」と言えるだろう。

■見たこと作文のネタ「切手」

 5年生の4月、見たこと作文に初めて挑戦する子どもたちが「読
む」「聞く」「調べる」活動に取り組むことを期待し、ネタに「切
手」を取り上げた。選んだ理由は、以下の三つである。
 (1) 時期
   4月20〜26日は切手趣味週間である。新聞やテレビで切手に
  関する話題を目にすることも多いだろう。子どもたちの興味が
  高まれば、切手の本などを「読む」ことも期待できる。
 (2) 歴史
   私が子どものころ、葉書には20円、封筒には50円切手を貼っ
  ていた。それぞれの世代で切手に関する思い出はあるだろう。
  子どもたちが身近な人たちに「聞く」活動を促したい。
 (3) 種類
   切手には実にさまざまな種類がある。特に、花・鳥・風景・
  文化財など、あるテーマを持った記念切手は「調べる」対象と
  して都合がよい。

■見たこと作文のハテナ「1円切手はあるか?」

 ネタを「切手」にすることは決まった。次は、どのようにして子
どもたちに投げかけるかである。
 まず、クラスで使っている『学級日記』を活用することにした。
切手趣味週間を解説した以下の文を読み聞かせする。
┌────────────────────────────┐
|日本では1871年(明治4年)4月26日、はじめて48文、100文、|
|200文、500文の4種類が発行されました。         |
|(『学級日記・高学年用1学期』光文書院 24ページ)   |
└────────────────────────────┘
 文(もん)というのは、1円の百分の一であったことを解説して
から、子どもたちに問う。
『今の時代、1円切手というのはありますか?』
「あるある!」「おじいさんの顔したヤツだよ」
 消費税により、葉書が41円、封書が62円だったこともあったせい
か、子どもたちは意外によく知っている。
『それじゃあ、2円は?』
「あるよ」「エッ、ないよ」
 教師の合図でグー・パーに分けて一斉に挙手させる。およそ半分
ずつに分かれた。
 以下、3円から9円まで、同様に挙手させる。多少のバラつきは
あるものの、子どもたちの反応は分かれた。
 そこで、教師は子どもたちに投げかける。
┌────────────────────────────┐
|自分の家に何円切手があるか、見たことを書いてきましょう。|
└────────────────────────────┘
 1〜9円切手に対して、見てきたものを書いてくる子、実物を持
ってくる子など、さまざまな反応が見られた。ただし、このハテナ
については、次の発見で意外にあっさり解決した。
┌────────────────────────────┐
|切手の下じき発見!                   |
|平成10年1月1日現在の物なんだけど、1円・2円・3円・4円|
|・5円・9円と続いています。              |
└────────────────────────────┘
 しかし、子どもたちの関心は9円までに留まらなかった。次のハ
テナを出す子が出現する。
┌────────────────────────────┐
|一番高い切手はいくら?                 |
└────────────────────────────┘
「100円ぐらいじゃない?」
「速達とかで200円ぐらいのを見たことあるよ」
 するとさっそく、次の発見があった。
┌────────────────────────────┐
|1000円切手を発見! 家にありました。          |
└────────────────────────────┘
 これにはみんなビックリ! 仏様のようなイラストも描いてある
のが、さらにフシギさの度合いを増している。半信半疑だった子た
ちも翌日、発見者の子が証拠として持ってきた未使用の1000円切手
を恐る恐る手に取りながら納得していた。

■見たこと作文で広がる課題

 切手の金額を「調べる」活動を通して情報を交流していた子ども
たちであるが、少しずつ自分の興味ある課題を見つけて取り組む姿
が見られ始めた。
 たとえば「アメリカやアフリカにも切手はあるか?」というハテ
ナを持った子は、外国の切手が載っている本を「読む」活動に取り
組んだ。
 また「昔の葉書、切手はいくらか?」に興味を持った子は、おじ
いちゃん・おばあちゃんに電話でインタビューした結果を書いてき
た。「聞く」活動に取り組んだ事例である。
 今回の「切手」をネタにした実践は「総合的な学習の時間」が試
行される前であったため、授業時間内の取り組みではない。今後、
総合として学習する機会があれば、以下のような展開が考えられる
だろう。
 (1) 切手の人物を調べる
   1円切手の前島密をはじめ、切手の肖像に取り上げられた人
  物は多い。たくさん集めた切手の中から「これは!」と思う人
  物が見つけられたら、とことん調べてみても面白い。
 (2) 切手で歴史をたどる
   たどれるのは切手そのものの歴史だけではない。「○○周年
  △△記念切手」を手がかりに、自分が興味を持った出来事が切
  手になるまでの経緯を調べられる。
 (3) 切手で外国を知る
   切手には外国をテーマにしたもの、あるいは外国で発行され
  たものも多い。切手の図柄に象徴される特徴をきっかけにして
  その国を知る活動も展開できる。
              *
 今回取り上げた「切手」以外にも、総合的学習に似合う見たこと
作文のネタはたくさんあるだろう。それぞれの地域や学級の実態に
あったネタを発掘したいものである。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 佐内信之(さない のぶゆき)
 東京・新宿区立鶴巻小学校教諭
 所属団体:授業づくりネットワーク
      学習ゲーム研究会
      全国教室ディベート連盟など
 主な著書:『ワークショップ型総合学習の授業事例集』(共著)
      『論理的な表現力を育てる学習ゲーム』(共著)
      『小学校ディベート授業がてがるにできるモデル立論
       集』(共著)など
      以上学事出版刊

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
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○コンクールリンク集の内容が増えました。
○アクセス数が50000を突破しました。

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

☆次号予告(9月2日発行 第83号)
 リレー連載「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」(終)
                 上條晴夫(当MM編集主幹)

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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