メールマガジン「実践!作文研究」
第81号(2001.8.19)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第81号 2001年8月19日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第81号をお届けします。
 夏休み特別企画として、リレー連載「総合的学習には見たこと作
文がよく似合う」が進行中です。今回は、石井淳さんによる「見た
こと作文の発表法」です。教師による読み聞かせ、一枚文集など、
見たこと作文には様々な発表の方法があります。
 なお、『授業づくりネットワーク総合的学習21』8月7日号に
も、石井さんの学級のキュウリ実践が掲載されています。前回の、
石川さんの場合と同様、本誌に執筆された物とは切り口の異なる物
であり、併せて読むと2度おいしいです。
┌────────────────────────────┐
|※「授業づくりネットワーク総合的学習館」は、こちら。  |
| http://homepage2.nifty.com/dfujikawa/sougou.html |
└────────────────────────────┘
 それでは見たこと作文の発表法、どうぞお読みください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載
     「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」−−
 
                      秋田・小学校
                        石井 淳
 
============================================================
   総合的学習には見たこと作文がよく似合う!
   その5 見たこと作文の発表法
============================================================

┌────────────────────────────┐
│ キュウリを見た。よく見ると、キュウリにはトゲトゲが  │
│ついていた。                      │
│ なんでトゲトゲがついているんだろう。(6月21日)  │
│                        H.Y │
└────────────────────────────┘
 作品例を手がかりに、見たこと作文を「何のために」「どんな方
法で」「いつどこで」「だれが」発表するのかを考えてみたい。
 
  上の作品例は、「見たこと作文」の第1時間目に書かれたもので
ある。指示したことは次の通りであった。
┌────────────────────────────┐
│・4年松組で育てているキュウリを「よく見て」きなさい。 │
│・気が付いたことが「ひとつ」見つかったら、教室にもどって│
│ 書きます。                      │
└────────────────────────────┘
 20分ほどで、全員が教室にもどり、B6の用紙に書き終えた。
出来た順に教師が目を通しながら、皆に紹介する作品を選択し、順
番を考えた。
 9割に近い子供が「キュウリにはトゲや毛がたくさんある」とい
う発見をしてきていた。


■発表法その1・・・教師が読み聞かせる。

 『「なんでトゲがついているんだろう」とハテナで終わっている
ところがすばらしいね。どうしてだろう?と、わけを考えようとし
ていることは、自分の考えがレベルアップしていくことにつながる
んだよ。』
 この部分を取り上げて、皆の前で大いにほめる。
 
「予告の文」「事実の文」「考察の文」と、「見たこと作文」の三
点セットがしっかりと書かれている作文である。この作品では、
「考察」の部分を全体の場で評価したわけである。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃教師の読み聞かせによる発表法は、評価と一体である。   ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 二人目に、以下の作文を教師が読み聞かせた。
┌────────────────────────────┐
│ キュウリを見た。よく見ると、葉っぱはブドウににていて、│
│ かんしょくは、チクチクとフワフワがまざっていて、気持ち│
│ よかった。くきのかんしょくは、トゲトゲで少しチクッとし│
│ ました。                   K.K │
└────────────────────────────┘
 『チクチクとかフワフワという感触は、何を使って確かめたのか
な?』と、誰もが分かる質問をする。それを実行したことに価値が
あることを大いにほめる。
 「よく見る」(調べる)ための手法のひとつを、この作品から学
ぶことができた。
 さらに、実だけ、葉っぱだけにトゲや毛があったと書いていた子
供たちは、「茎」にもあったのかと気が付くことができた。
 
 「事実」の部分を取り上げて、その確かめ方を評価することによ
って、他の子供たちにもマネしてほしいという教師側の願いがある。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃「読み聞かせ」の発表法は、評価であり指導でもある。   ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 
■発表法その2・・・筆者が読む
 
 本時における最も大事な押さえどころを確認した。
┌────────────────────────────┐
│ キュウリのトゲ(毛)は、どうしてあるのか?      │
└────────────────────────────┘
 この「問題」が、今後クラス全員で追求していく価値が十分にあ
ると、教師が判断したからである。
 
 一回目の「見たこと作文」の段階で、トゲの役目を予想して書い
ている子供が、33名中6名いたので、各自の考えを紹介してもら
うことにした。
 書いてはいないが、なんとなく予想している子供も多くいた。
予想を書いた子供は得意気な顔で読む順番を待っていた。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃自分なりの発見や予想は、本人がいち早く発表したいものだ。┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 

■発表法その3・・・一枚文集
 
 教師の読み聞かせは、手軽ではあるが形として残らないという欠
点がある。一枚文集は、その点、手間はかかるが、じっくりと読み
返すこともでき、教師自身や子供同士の再評価や、家庭での話題づ
くりにもつながる。
 どの子供の作品を選択し、どんな観点で評価文を付け加えて編集
するかが、一枚文集づくりのポイントとなろう。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 一枚文集(学級通信)による発表法は、再評価を促し、実践┃
┃記録として残すことができる。              ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 

■発表法その4・・・教室掲示
 
 短作文コーナーなどで日常の作文を掲示している教室がよく見ら
れる。
 糊付けして重ね張りしていくものや、クリヤファイルのようなも
のに差し入れて、随時更新していくスマートな掲示もある。
 多くの場合、全員の掲示となっているので、出来不出来の比較に
ならないようにするためには、教師の赤ペンの入れ方がポイントと
なるであろう。
 やはり、全体の場にさらすことになる掲示だけに、「ほめる」こ
とに徹した評価がよいと思う。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 教室掲示による発表法は、評価(赤ペン)がポイント。  ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


■発表法その5・・・壁新聞やビデオづくり
 
 ある程度の追求の広がりが、見たこと作文によって進んでいった
ならば、共同製作による壁新聞やビデオの制作をやってみてはどう
か。
 数人のグループ編成で、壁新聞やビデオづくりに分かれて、それ
まで調べていったことを再構成するわけである。
 壁新聞であれば、文章や図表、写真などで構成される。ビデオづ
くりは、ナレーション原稿作りにポイントを絞り、映像編集につい
ては教師がほとんどやってあげてもいい。
 壁新聞を全校の皆に紹介したり、ビデオを校内放送や地元放送局
に投稿したりするような発展的な発表方法は、個々の追求の楽しさ
とはひと味ちがった喜びを味わうことができる。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 壁新聞やビデオ制作による発表法は、個々の追求を再構成し┃
┃ながら、新たな表現方法の楽しさを味わえる。       ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 
 以上、見たこと作文の「発表法」について実践をもとに考察して
みた。
 発展的な発表法はいろいろあろうが、基本的には「教師の読み聞
かせ」である。本誌の今回の特集で紹介された各実践からも読み取
ることができる。
 なぜならば、子供一人一人のよさをみつけ、それを励ましてやれ
るのは教師をおいて他にいないからである。本誌前号の石川氏の実
践には、それがにじみ出ている。


【今回の執筆者のプロフィールです】
 
 石井 淳(いしい じゅん)
 秋田・秋田市立金足西小学校教諭
 所属団体:秋田授業づくりの会(研究誌編集局)
      学習ゲーム研究会
 主な著書:『見たこと作文実践ネタ集』(共著)
      『音読朗読群読の授業づくり』(共著)
      『コピー作文がおもしろい』(共著)
       以上学事出版刊

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−−3.ホームページ進化情報−−
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         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

☆次号予告(8月26日発行 第82号)
 リレー連載「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」6
                  佐内信之(東京・小学校)

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