メールマガジン「実践!作文研究」
第79号(2001.8.5)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第79号 2001年8月5日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第79号をお届けします。
 夏休み特別企画として、リレー連載「総合的学習には見たこと作
文がよく似合う」が進行中です。今回は第3回で、木越憲輝さんに
よる「見たこと作文の追究法」です。あり(蟻)を題材にした見た
こと作文が登場します。どうぞ、お読みください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載
      「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」−−

                    私立聖学院小学校教諭
                          木越憲輝

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     総合的学習には見たこと作文がよく似合う!
     その3 見たこと作文の追究法「番号作文」
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■番号作文からはじめる

 番号作文は、見たこと、聞いたこと、気づいたことを
「1.・・。2.・・。」
というように箇条書きで書く作文である。
 番号作文からはじめると、見たこと作文での追究が
促される。
 なぜかというと、その理由を、以下3点述べる。
(1)作文入門期においては、「見たこと」の順番を考えたり、ど
  の接続詞を使うかを考えるなど、「見たこと」をまとめる難し
  さを取り除くことができる。
(2)「見たこと」をすぐその場で短い文で書けるので、文が具体
  的になる。
(3)文材集めに集中し、「見たこと」を効率よく書きとめること
  ができる。つまり「取材力」をつけることができる。

 以下に実践例を紹介する。

■ありの見たこと作文

 「みんなと学ぶ小学校こくご2年上」(学校図書)に「ありの生
活」という説明文がある。
 この単元の学習の中で見たこと作文を行った。
┌────────────────────────────┐
| 校庭で、ありを見て気づいたことを書きます。      |
| 見たことや気づいたことを番号をつけて書いていきます。 |
└────────────────────────────┘
『時間は20分間です』
と言って校庭に出た。
その時にできた作文から一点紹介する。 
┌────────────────────────────┐
| ありを見て、気づいたことが十こあります。       |
| 1.足は、六本でした。                |
| 2.色は、ちゃいろでした。              |
| 3.土がついていました。               |
| 4.あたまに毛が生えてました。            |
| 5.やせ細いありがいました。             |
| 6.羽のあるありを見ました。             |
| 7.頭は小さかったです。               |
| 8.おしりにはしまもようが一本ありました。      |
| 9.体は小さかったです。               |
|10.おしりがしまもようでちゃいろでした。       │
|                       児童A  │
└────────────────────────────┘
 普段は作文を書くことを苦手にしている子であるが、番号作文に
した結果、20分間ありの形や様子にこだわって「見たことの取材」
ができた。
 次に「課題発見」の作業に入る。
 帰りの会で上の文をクラス全員に読み聞かせした。
 そして「4.あたまに毛が生えてました。」の文に注目して、
┌────────────────────────────┐
| あたまに毛が生えているの?本当?           |
└────────────────────────────┘
とクラス全員に聞いた。
間髪入れずに、
「毛が生えていると思う人、手を挙げて」
10名ほどが挙手する。
「毛が生えていないと思う人、手を挙げて」
この指示に対しても、10名ほどが挙手する。
 挙手しない子もいた。しかし、それでもよいこととした。
 なぜかというと、「どちらともいえない」という選択肢もあると
考えたからだ。例えば、ありの種類によって、毛が生えているもの
と生えていないものがあると考える子がいた。
 次の日、他の児童が「ありの毛」について以下の作品を書いてき
た。
┌────────────────────────────┐
│ きょうありを見ました。・・・中略・・・それに、毛が頭に|
|もついているし、なんでおしりとかおなかとか、かおについて|
|いるんだろう。つのみたいなのはなんだろう。       |
| あの長いのは毛かな。                 │
│                       児童B  │
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
│・・・前略・・・アリに毛があるなんて思わなかった。体にも|
|いっぱいついていて、頭にもついていた。体の後ろにも。まさ|
|かと思ったのが、体の下をよーく見ると、やっぱり毛がついて|
|いた。                         │
│                       児童C  │
└────────────────────────────┘
他4名が「毛が生えているのか」の追究を始めた。
この後も違う子どもがどんどん自分で「ありの毛」を見たことを書
いて来た。
 この追究に刺激されて、その後「夜も動いているか」をもとに夜
のありの動きを調べる子どもがでたり、「木を上り下りするありは
何をしているか」を追究している子どもたちが出てきた。

■考察

(1)児童Aの作品は作文を書くことを苦手にしている子が書いた
   ものである。頭、羽、尻、足など体の一部分をそれぞれよく
   見てすぐ書いた。
    番号作文では、作文を書くことを苦手にしている子でも見
   たことをそのまま書ける。そして、すぐ書ける。書く行為負
   担を取り除いた結果、見たことへの取材力が高まった。
(2)児童Bの作品も作文を苦手にしている子が書いた。
   しかし、児童Aの作品を読み聞かせることで課題が共有さ
   れ、これをきっかけに、追究が促されたのである。
(3)見たこと作文は、「見たことの取材」から始まり、「課題を
   発見」、「課題の共有」、そして「課題の追究」という一連
   の流れがある。番号作文はこの初期段階の「見たことの取
   材」に使える作文技術である。

■伝言板

 番号作文の実践は、上條晴夫著「作文指導20のネタ」
(学事出版刊1992年)を参考にした。
 この報告作成にあたっては、『上條晴夫「総合的学習に見たこと
作文を薦める3つの理由」(授業づくりネットワーク7月号192号
学事出版刊)『2.見たこと作文の「追究法」が役立つ!』を参考
にした。

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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。   
 木越 憲輝 kigoshif@wg7.so-net.ne.jp
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【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会

         ◆     ◆     ◆

−−3.編集後記−−

☆次号予告
 リレー連載「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」4
                 石川 晋(北海道・中学校)

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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