メールマガジン「実践!作文研究」
第78号(2001.7.29)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 メールマガジン「実践!作文研究」
 第78号 2001年7月29日発行(毎週日曜日発行)

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第78号をお届けします。
 前回から始まったリレー連載「総合的学習には見たこと作文がよ
く似合う」。今回は第2回、池内清さんによる「『都市型』見たこ
と作文」です。クルマのナンバープレートに着目した、都市型の見
たこと作文。どうぞ、お読みください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載
      「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」−−

                    私立聖学院小学校教諭
                          池内 清
============================================================
     総合的学習には見たこと作文がよく似合う!
       その2 「都市型」見たこと作文
============================================================

■総合には見たこと作文がよく似合う

 総合的学習は子ども達の体験や追究の中で発見されたことや、考
えられたことがテーマとなる。
 毎日の子ども達の発見や考えを教師が見つけて、それを取り上げ
てあげる必要がある。見たこと作文はこれを行うのに最適な方法で
ある。見たこと作文を読むことによって、子ども達の興味・関心を
教師が理解することができるからである。
 
■見たこと作文のテーマ

 見たこと作文の実践で有名なのが「たんぽぽ」である。
 上條晴夫著「見たこと作文で不思議発見」(学事出版刊1990年)
では、「たんぽぽの不思議」「見たこと作文「最初の一週間」」と
2章をあてて違った切り口でたんぽぽの見たこと作文を展開してい
る。
 上條氏は当時山梨県上野原町の小学校の教諭であった。学校の周
りには自然が多く、たんぽぽが多く咲いていたのであろう。見たこ
と作文の「たんぽぽ」実践を追試するにはこのような環境が子ども
たちの周りに備わっていなければならない。

 一方、現代の都会の子どもたちを取り巻く環境にはこのような自
然に囲まれた環境は見つけにくい。
 私の勤務している学校は東京の北区にある。周りは舗装道路、ビ
ルが建ち並び、たんぽぽは注意深く探してみるとあることはある
が、豊富にあるとは言い難い。
 そこで自然環境によらないネタを見つける必要がある。すると、
考えられるのが都会に多くあるネタである。必然的に社会科なネタ
が多くなる。
 
■「都市型」見たこと作文「ナンバープレート」

 子どもたちに、見たこと作文を書かせた。5年生、9月の実践で
ある。社会科の授業が工業を扱っていることから、「自動車」の見
たこと作文を書かせた。
┌────────────────────────────┐
|1.見たことを書きます。                |
|2.毎日書きます。                   |
|3.短くていいです。                  |
|4.テーマは「自動車」です。              |
└────────────────────────────┘
 翌日、これいいなと思う見たこと作文を読み聞かせる。
┌────────────────────────────┐
| 今日、帰り道に、車を見ました。ぼくが気がついたことは、|
|ナンバープレートの色が3色ありました。1色目は白、2色目|
|は黄、3色目は緑でした。                |
| 次に、トラックを見ていると、トラックのナンバープレート|
|の色は、緑でした。                   |
| 次に、ナンバープレートの数字の上に、練馬、大宮などと書|
|いてありました。ぼくが見ていると、一番多かったのは、練馬|
|でした。                        |
└────────────────────────────┘
 自動車の中でも、ナンバープレートに限定して見ている。
 この作文を読み聞かせしたら、子ども達が興味を示してきた。
 これはおもしろいと思い、みんなに「ナンバープレート」を見て
書くように指示をした。
 すると、次のような見たこと日記が出てくる。
┌────────────────────────────┐
| 今日は車のナンバープレートを見ました。よく見てみると、|
|地名がたくさんありました。               |
|   所沢  17                   |
|   大宮   2                   |
|   足立   1                   |
|   熊谷   1                   |
|   熊本   1                   |
|   土浦   1                   |
|   ならしの 1                   |
|   ねりま  1                   |
|という数でした。                    |
└────────────────────────────┘
 ナンバープレート一つにしぼって、25台の自動車を見ている。
労作である。地名ごとに分類して台数が書いてあるのがとってもい
い。見ないと絶対書けない日記である。
 それから毎日のように、このような見たこと日記が続く。すると
次のような「ハテナ」が子ども達自身から生まれてきた。
┌────────────────────────────┐
|1.ナンバープレートの地名は何か。           |
|2.数字の意味は何か。                 |
|3.ひらがなの謎を探る。                |
|4.「わ」ナンバーの謎を探る。             |
|5.ナンバープレートの色の謎を探る。          |
└────────────────────────────┘
 教師から、課題を与えたり、無理矢理子ども達から「ハテナ」を
引き出そうとするのではなく、子ども達がナンバープレートを毎日
見続けることでこのような「ハテナ」が生み出されてくる。
 
■再び、総合には見たこと作文がよく似合う

 見たこと作文は見たことを書くことから始まる。
 そして、以下の手順で問題を解決する。
┌────────────────────────────┐
|・課題を発見する。                   |
|・課題を共有する。                   |
|・情報交流する。                    |
|・課題を解決する。                   |
|・新たな課題が発見される。               |
└────────────────────────────┘
 見たこと作文のこのサイクルが総合的学習に、うまく「はまって
いる」のである。

------------------------------------------------------------
 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。   
 池内 清 GFH04632@nifty.com           
------------------------------------------------------------

【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会(HP担当)
      メディアリテラシー教育研究会(事務局員)

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『ディベートで学級会づくり』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−

○絶好調!「おもしろ作文道場」は「Q&A作文」の第7回目です。
 前回の解答編はここにあります。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/a-24.html

 今回の問題は次の通り。締切は8月3日(金)です。

 1.この夏ブレイクすると思われる水着のスタイルを、なるべく
   詳しく挙げなさい。
 2.新しいプロスポーツチームを1つ作り、
   「チーム名」「スポーツ種目」「そのチームの最大の特徴」
   を挙げなさい。
 次のページでお待ちしています。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/q-25.html

−−4.編集後記−−

☆次号予告
 リレー連載「総合的学習には見たこと作文がよく似合う」3
                  木越憲輝(東京・小学校)

○このメールマガジンを知人に送って、購読をお薦めください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、本誌へ
 の感想をお待ちしています。
 本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方は松田までご相談を。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 まぐまぐ http://www.mag2.com/ 0000023841
 Pubzine http://www.pubzine/com/ 8460
 melma! http://www.melma.com/ m00014780
 ココデ・メール http://mail.cocode.ne.jp/ 0700300256
 macky! http://macky.nifty.com/ 23841
 メルマガ天国 http://melten.com/ 1930
 E-Magazine http://www.emaga.com/ sakubun
 カプライト http://kapu.cplaza.ne.jp/ 851
 めるぼっくす http://www.merubox.com/ 00000162
 めろんぱん http://www.melonpan.net/ 000879
 ティアラオンライン http://www.tiaraonline.com/ m102212

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
メールマガジン「実践!作文研究」No.78 2001/7/29  読者数1955
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究 2001
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「第78号の感想」を書く 戻  る トップページへ

メールマガジンのご案内へ