メールマガジン「実践!作文研究」
第72号(2001.6.17)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第72号 2001年6月17日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第72号をお届けします。
 今回は、秋田の石井さんによる「コピー作文」の実践です。なお
次回は、茨城大学の大内善一さんが登場しますが、大内さんは『コ
ピー作文がおもしろい』(学事出版)の編著者です。来週の論考の
中でも「コピー作文」について一項設けて紹介されています。
 なお、石井さんも『コピー作文が…』の著者の一人です。
 ぜひ、今週号と来週号、合わせてお楽しみください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.連載・今月の子供の作文から−−
                        秋田・小学校
                          石井 淳

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今月の子供の作文から 第3回

  ピカイチの宣伝文をつくろう(小学校4年)〜コピー作文〜
==============================

■Tさんの作品(4年松組)

 『御所野事業所(秋田市のゴミ処理場)』の宣伝文
┌────────────────────────────┐
| 巨人のような鉄の手が大量のゴミをひとつかみ      |
|                            |
| 鉄の手の正体とは,大きなクレーンのこと。なんと,そのク|
|レーンは,3トンものゴミを持ち上げ,しょうきゃくろへ落と|
|す!                          |
| 落とされたゴミを待ち受けているのは,900℃もの炎だ。|
|あっという間にまるこげだ。そして,えんとつから,見えにく|
|いけむりがでるぞ!                   |
|                            |
| こんなビックリ,ドッキリがもりだくさんのゴミしょり場に|
|こんどは,キミも行ってみよう!             |
└────────────────────────────┘

■寸評

 「巨人の鉄の手」が,うまい。「いったい何だろう?」という好
奇心をくすぐるようなこの表現が,キャッチコピーの要素を十分に
備えている。
 読者は,「鉄の手」が気がかりで,下の本文(ボディーコピー)
へと目を移す。そこで,すぐに種明かしがされるように配慮されて
いるのもよい。。
 さらに,「3トン」「900℃」「見えにくいけむり」という,
筆者が感じた具体的な「ビックリ,ドッキリ」が端的に説明されて
いるところも,大変上手である。
 ラスト2行の「まとめ」は,スローガン的な表現としてしめくく
られている。キャッチコピーやボディーコピーで示されたことを
「こんなビックリ,ドッキリ」としてくくり,「キミも行ってみよ
う!」と,呼びかける形でコンパクトにうまくまとめられている優
れた作品である。

■この作品が生まれるまで

 この作品は、以下のような授業の中から生まれたものである。

┌────────────────────────────┐
|1.校外学習として,施設見学をする。(ゴミ処理場・リサイ|
|  クルプラザ・下水処理場)(1日)          |
|2.自分が一番面白かった場所を選び,「キャッチコピー」を|
|  つくる。(1時間)                 |
|3.出揃った「キャッチコピー」を合評してから「ボディーコ|
|  ピー」「スローガン」部分を完成する。(2時間)   |
└────────────────────────────┘

■作品づくりを支えた条件

1.「校外学習」で受けたインパクト(驚き)が,「書く原動力」
  となっている。

2.書き始める前に,「準備段階の活動」を設定した。
 
 ア: 驚いたことを出し合う。
   ※その際,具体的なものの名前や数値などを板書によって確
    認していく。見学の際のメモが不十分な子供や,対象を絞
    りきれないでいる子供への助けとなる。

 イ:キャッチコピーの機能を解説しながら,
   例題を示して,コピーづくりの練習をする。  
 例題〜『巨大な鉄の○○でゴミをひとつかみ』
 (○○に入る言葉を考える)

■他の作品例

 Hさんの作品(4年松組)
┌────────────────────────────┐
| 大きな大きなユーホーキャッチャーでつかみどり     |
|                            |
| 大きいクロウ(つめ)のようなもので,ゴミ,生ゴミをつか|
|んで,しょうきゃくろへゲームのように運んでいる。    |
|そこは,ふかさ25m以上のゴミピット。         |
|ピーッ,ピーッ,ピーッ。こんどはゴミ収集車が来た。   |
|でっかいゴミピットが見える2かいには,きかいそうさして |
|いる人がいた。                     |
|しょうきゃくろへ行くと,そこは火の中。         |
|                            |
| ゴミをクレーンでひとつかみする御所野事業所へ,みんなも|
|行ってみよう!                     |
└────────────────────────────┘

■発展学習

 「ポスター作り」と「コピー作文」とは,すぐにドッキングでき
る。
 キャッチコピーやスローガンの部分は,そのままポスターの中に
レイアウトすればよい。ボディーコピー部分は,イラストで説明で
きるように変身させれば,もう立派なポスターとなる。
 
■考察

 「コピーづくり」は、今回の学級では初めての経験となる。しか
し、ここに紹介した作品例に限らず、全体的にも上手な作品が目立
った。
 考えてみれば、私たちの生活は、朝から晩までコピーが溢れてい
ると言ってもよい。今の子供たちも、実は、知らず知らずのうちに、
コピーと一緒に生活しているのである。
 3・4年生からでも積極的・意識的に「コピー作文」を取り入れ
た授業を試みてはどうだろう。その時きっと、教師もまた、子供と
同時にコピーセンスが磨かれていくことだろう。

 なお,「コピー作文」については,大内善一編著『コピー作文が
おもしろい』学事出版(1997年)にも,今回紹介したような実
践が数多く掲載されている。参考にしてほしい。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 石井 淳(いしい じゅん)
 秋田・秋田市立金足西小学校教諭
 所属団体:秋田授業づくりの会(研究誌編集局)
      学習ゲーム研究会
 主な著書:『見たこと作文実践ネタ集』(共著)
      『音読朗読群読の授業づくり』(共著)
      『コピー作文がおもしろい』(共著)
       以上学事出版刊

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○見たこと作文に関するいくつかの実践記録を掲載しました。
 見たこと作文は総合的学習にピッタリの作文指導システムです。
 ぜひご覧ください。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/mitasaku/

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

★次号予告
 06/24 No.73
 大内善一「メディア・リテラシーを育てる作文授業づくり」

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