メールマガジン「実践!作文研究」
第70号(2001.6.3)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第70号 2001年6月3日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第70号をお届けします。
 今回は、池内清さんの連載「作文授業事典」の第3回「うそ作文」
です。うその作文を書かせることについては、いろいろな意見があ
ると思いますが、私は、ここに出てくる作文指導には「うそ作文」
であることの他に、資料を活用して、それについて考えさせながら
書くという要素も含まれていると考えます。したがって、思考力を
育てる手法としても有効だと考えます。ぜひ、皆さんのご意見をお
寄せいただきたいです。それでは、どうぞ。

         ◆     ◆     ◆

−−2.連載・作文授業事典−−
                        東京・小学校
                          池内 清

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 作文授業事典 第3回

          【うそ作文】
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■うそ作文
 実際に体験したことがないことや、子ども達が創作したことを書
く作文である。
 「たのしい授業」編集委員会編『たのしい授業プラン国語』(仮
説社刊・1988年)に山田明彦氏の「子どもたちにバカうけ う
その日記」という論文が載っている。この実践は、矢玉四郎著『は
れときどきぶた』(岩崎書店刊)を参考に、子ども達が「あしたの
日記」を書くというものである。
 以下のような作文が書けたという。
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あしたの日記
 おねしょ
 今日、学校に行くと中、知らない家のまどにオーストラリアのお
ねしょがほしてあった。友達に「あれを見て」と言ったら、友達が
あそこの家、中学校の人しか子どもはいないよう、と言っていた。
中学校の子どもがおねしょを……。(以下省略)
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 「うその作文は従来のリアリズムの作文や生活詩などの域をのり
こえる『文章表現入門』の授業になる」と山田明彦氏は同論文で述
べている。

■指導例
 以下、うそ作文の方法を使った私の授業「バーチャル世界旅行」
を紹介する。六年生の授業である。
 コンピュータの授業で以下の手順で合成写真を作った。
  1.子どもの写真をデジタルカメラで撮る。
  2.背景をコンピュータで消し、自分の姿だけの写真に加工す
    る。
  3.世界各国の背景写真を用意し、一枚選んで、加工した自分
    の写真をその背景写真に重ねる。
  4.ハガキ大の大きさに印刷をし、絵はがきを作る。
  
 以上の、下準備をして、ハガキの表の真ん中に線を引き、上に自
宅の住所、下に、うそ作文を書かせた。ハガキを出す相手は、自分
の両親とした。
┌────────────────────────────┐
│ 自分が本当にそこに行ったとして、うその手紙を書きます。│
│ その場所での出来事を本当らしく書きます。       │
└────────────────────────────┘
『前置きはいりません。その場のことをすぐに書きます』
 とまどっている子、よ〜しと意気込んでいる子、クラスで半々だ
った。速い子はすぐに書き出し、5分とかからなかった。
 すぐに書き上がった子の作品をクラス全員に読み聞かせした。
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 こんにちは。
 私はカナダの湖に来ています。
 空が澄んでいて、山々もくっきりときれいに見えてとってもすて
きな所です。水に手を入れてみると、とっても冷たく気持ちがよ
かったです。ぜひ、お母さんも来てみてはいかがでしょうか。(M)
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 背景写真がカナダの湖である。具体的に情景が書かれているのが
いい。「水に手を入れてみると、」の表現がとってもリアリティー
を感じさせる。
 『こんなふうに書くといいよ』とこのハガキを読み聞かせしてあ
げた。モデルを与えると、書けない子でも、「なるほど」とうなず
き、書き始める。
 以下、秀作を一点紹介する。
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 私はついさっき、スペインに着きました。写真の右に写っている
子は、飛行場で友達になったダニエル君で、左に写っている背の高
い子はミサキ君です。
 けっこう楽しかったけれど、寒かったです。(Y)
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 スペインの子どもが二人写っている写真の隣に自分の写真を合成
したハガキである。勝手に人の名前を想像して付けているのがおも
しろい。読み聞かせをすると、みんな大爆笑だった。
 授業後、切手をハガキにはり、ポストへ投函する。
 保護者からも、喜ばれた授業であった。 
 
■指導のポイント
 1)一つのエピソードを書く。
  あれこれのことをただ書くのではなく、一つのエピソードを書
くといい。多くを書きすぎると、散漫な作文となってしまう。
 2)参考となる作品の読み聞かせをする。
  この手の作文は、慣れていないと具体的なイメージが浮かびに
くい。その時は、読み聞かせをしてあげるといい。
 
■参考文献
 たのしい授業」編集委員会編『たのしい授業プラン国語』(仮説
社刊・1988年) 
  
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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。   
 池内 清 GFH04632@nifty.com           
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【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会(HP担当)
      メディアリテラシー教育研究会(事務局員)

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『ディベートで学級会づくり』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○「おもしろ作文道場」は第18回「Q&A作文 3」を出題中
 です。雷はなぜ落ちるか?アノ会社がアソコの会社を訴えたの
 はどうしてか?解答をお待ちしています。

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

★次号予告
 06/10 No.71 石川 晋「おもしろ作文ネタ合戦 第3回」

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