メールマガジン「実践!作文研究」
第61号(2001.4.1)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第61号 2001年4月1日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第61号をお届けします。
 今回は、作文授業事典の第2回【なりきり作文】です。折しも、
現在、ホームページの「おもしろ作文道場」でも、好みの有名人に
なりきって作文を書くコーナーが進行中です。今日は4月1日。皆
さんもぜひ、「なりきり作文」に挑戦してください。 

         ◆     ◆     ◆

−−2.連載・作文授業事典−−
                        東京・小学校
                         木越 憲輝

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 作文授業事典 第2回

          【なりきり作文】
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■なりきり作文
 なりきり作文とは、自分以外になりきって思いや考えを書く作文
である。
 なりきり作文を書かせると、以下のような作品が出来上がる。
┌────────────────────────────┐
│ わたしは、ねこです。わたしはおこっています。なぜかとい│
│うと、かいぬしがひげをひっぱるからです。わたしは、おこる│
│こえでニャーとなきました。               │
└────────────────────────────┘
 自分以外のものならなんでもなれる。
 感情をむき出しにできるところがよい。おこることを全面に出し
ている。
 全くの空想も可能であるが、多少は自分の経験を生かせる。この
子の場合、「ひげをひっぱった」経験があるようだ。
 楽しく、思いのまま書けるのがこの作文の魅力である。
 
■指導方法

(1)好きなものを書き出す
 『自分の好きなものの名前を五つノートに書きましょう。時間は
3分です』
 「自分の好きなもの」と題して、箇条書きで書かせる。20秒で
仕上がる子もいる。
 次に『その中で一番好きなものを一つ丸で囲みなさい。時間は1
分です。』
 選ぶのに迷う子がいた。「書いた中でいらないものを×を付けて
いく」ように指示したら、1分は延びたができた。
                    (ここまでで約5分)

(2)書き方の説明をする
 『あなたは自分が丸で囲んだものに今、変身しました。これから
は、そのものになりきって書きます。書く時のポイントを二つ話し
ます』
 『一番目です。たとえば、うれしいこと、怒りたいこと、悲しい
こと、楽しいこと、いやなこと、心配なことについて一つ選んで書
きます。』
 以下のように板書する。
┌─────────┐
│1.うれしいこと │
│2.おこりたいこと│
│3.かなしいこと │
│4.たのしいこと │
│5.いやなこと  │
│6.しんぱいなこと│
└─────────┘ 
 『二番目です。読む人にわかるように、したことやわけが伝わる
ように書きます。』

(3)質問を受ける
 「二つ選んでもいいのですか」と質問がでたが、一つにするよう
に指示した。
 その後に、『どんどん好きなように書いてよいのです。』と言っ
た。
 「どんどん好きなように書」くという言葉で安心したのか、質問
はなくなった。
                   (説明と質問で約5分)

(4)書き出しを決めて書く
  原稿用紙(400字)を配布する。
 『題名を書きます。書き出しも同じ文です。○○は自分が決めた
ものです』
 以下のように板書する。
┌────────────────┐
│ ぼく(わたし)は○○です   │
└────────────────┘
 子どもたちが題名を全員書き終えたことを確認してから、『この
続きは自分で考えて書いていきます』と指示する。
 一斉に書き始める。
 2分ぐらいすると、考えこんでいる子が3名いた。
『お話作りのときのように、本当の話でなくてウソの話でもいいの
ですよ』と助言をした。
                  (書く活動は5〜15分)

(5)評価
 仕上がった子から静かに見せに来る。「おもしろい」など一言ず
つ感想を述べて、席に戻す。表情も見ているので楽しんで読む表情
を見せる。「もう一つ書きたい」と言う子もでてきた。
 しかし、40人中、5人の作品は、話者が変身したものか本人な
のかはっきりしないものがあった。つまり、なりきっていない作文
(「わたしはハムスターです。あるひのことです。ハムスターがね
ていました・・・」のような文)である。これらの作品はいずれも
約400字書いており、比較的長い作文である。その他の作品は、
200字程度で仕上げていた。

■指導のポイント
 ○楽しみながら、書く雰囲気を大切にする。
  自由に書ける。鉛筆を持ってすらすら書ける状況にするためで
 ある。評価の時も、教師が楽しそうに読むことも大切にしたい。
  多少字や誤字には目をつむって、「おもしろい」「へえなるほ
 ど」などと肯定的に言う。表情やリアクションを大きくして読む
 と、次への意欲につながる。 

 ○文量は200字程度を目安にする。
  文量を指定しなかったが、できた作品の九割が二百字程度、一
 割が四百字だった。四百字原稿用紙を配ったが、半分の用紙で充
 分だった。最高文量は、二百字程度とした方がよかった。
  初めて行う場合、長い文になると自分と変身したものとがごっ
 ちゃになって文の主語が変わってしまうことがあるからだ。

 ○「話者は変身したものだ」ということを強く意識させる指示を
  必要とする。
  『お話作りのときのように、本当の話でなくてウソの話でもい
 いのですよ』という言葉を聞いた子が文章の話者を本人にして書
 いてしまった。話者が本人である作り話をよく書かせていたの
 で、混同したのかもしれない。

■参考文献
 野口 芳宏著 『作文で鍛える(上)』1988(明治図書)
  p.130 なりきり作文
  
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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。   
 木越 憲輝 kigoshif@wg7.so-net.ne.jp           
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【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○「投稿!おもしろ作文道場」第9回は、
 「〜わたしの名前は○○です〜」
 です。
 「私は…です」「私は…です」と、短い文を積み重ねて、「有名
人」情報を書くというものです。お気軽に挑戦してみてください。

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

★予告
 04/08 No.62 「おもしろ作文ネタ合戦 2」石川 晋

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