メールマガジン「実践!作文研究」
第60号(2001.3.25)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第60号 2001年3月25日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第60号をお届けします。
 今回は、野口芳宏先生の最終回です。「だ・である調」の常体文
による作文の書き方を低学年から教えよう、という提案です。どう
ぞお読みください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.常体文を低学年から教えよう−−
 
                  北海道教育大学函館校教授
                          野口芳宏
 
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    常体文を低学年から教えよう
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1.「です・ます調」に偏る作文
 
 子どもの作文ということになると、それはもう当然のことのよう
に「です・ます調」の文体である。これは、話し言葉をそのまま文
章に移行していけばよいという点で作文に負担感を生まない利点が
ある。子どもの作文の入門指導がいわゆる「口頭作文」から始まる
のは十分に理由のあることだ。「先生、あのね」という語りかけの
形から作文を書かせる方法は一つの定番となっている。かくて、低
学年の時に身につけた作文の書き方がずっと後々まで、ほとんど疑
われることなく続いていくことになる。
 しかし、この文体傾向について全く検討しなくてよいかというこ
とになると、少し疑問が残る。そもそも「作文」という名が示すと
おり、日本の作文指導は文章による「作品」づくりを意識の底に置
いてきた。読み手を感動させるような「作文」がよいものとされ、
もてはやされてきた。この傾向は今も根強く残っていて、作文コン
クールの入選作はいずれも子どもによる「作品」であり、その意味
で子どもたちは「ちびっ子作家」だと言える。こういう作文指導観
がこれまでの一般的傾向だったと言えよう。
 
2.「だ・である調」指導の必要性
 
 これまでの作文指導論や作文指導観について部分的に変えていく
必要があるのではないかと私は考えている。部分的にであり「全面
的に」ということではない。
 それは、これまでの作品主義的な考え方を少し「情報文章」にシ
フトしていく必要があるという提言である。訴えたり、感動させた
りする文体ではなく、事実を正確に、わかりやすく「伝え合う」文
体に変えていく必要があるということだ。報告、伝達、説明という
ようなことを狙いとする文章である。
 文学的傾向のある作文から、説明的傾向の強い文章が書けるよう
にしていくということである。このようなことは今まで度々言われ
もし、実践もされてきているが、それにかかわって「文体」を変え
てみようという提言はほとんどなされてこなかった。あるいは私の
勉強不足で私が知らないだけのことかもしれないが−。
 私は、小学校の2年生頃から、「です・ます調」の作文に加えて、
「だ・である調」の伝達作文、情報作文もきちんと指導し、書かせ
る必要があると主張したい。
 総合的な学習の時間は、すでにほとんどの学校で実践化されてい
るようだ。総合的な学習では、動機、目的は子ども主体に任せてよ
いのだが、最終的なまとめの段階ではかなり教師による指導を加え
なければいけないだろう。そうしなければ、総合的な学習にまとま
りがつかなくなってくるからだ。
 
3.低学年から常体文の指導を
 
 総合的な学習は、言うなれば子どもに研究者的訓練をさせていく
ことである。自己課題、自己解決、自己試行、自己検証、自己集約−
と、それぞれを努めて子ども自身の力で進めさせるということであ
る。
 この過程や集約段階で必要になるであろう「作文活動」は、まと
め、報告、発表という性格になる。これらの作文は、基本的には私
的な丁寧体の「です・ます調」よりも、客観的な常体表現である
「だ・である調」の方がふさわしい。その方が引き締まった、無駄
のない表現になる。
 我々の生活を見廻しても、丁寧体の文章は手紙の他にはほとんど
見られない。新聞でも、雑誌でも、一般の書籍でもそのほとんどが
常体文である。これらのことから考えても、早くから常体の文章に
子どもたちを慣れさせておくことが大切だと思う。
 教え方は簡単である。「行きました」は「行った」、「悲しくな
りました」は「悲しくなった」というように文末表現を変えるだけ
のことである。むしろ、子どもはそのような新しい表現技法を喜ん
で学ぶに違いない。ぜひ、新しい挑戦をして、子どもに新しい技能
を形成してやりたいものだ。
 
【今回の執筆者のプロフィールです】
 
 小学校長を停年退職し、引き続いて現職。本年3月末退官後は、
千葉に戻り、現任校及び私立大非常勤講師を務める傍ら、執筆、講
演などに力を入れたい。

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○「投稿!おもしろ作文道場」について、宮城県の中学校が国語の
 授業で取り上げてくださり、生徒が団体で「ラブレター作文」に
 挑戦するという出来事が起こりました。それを含め、合計で57通
 の挑戦がありました。解答編はこちら。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/a-7.html
 学校で実践し、そこで書かれた子どもの作品を送っていただくと
 いうのも、こちらとしては大歓迎です。挑戦をお待ちします。
 第8回は「家出をしました」です。この書き出しで「ウソのよう
 な本当のようなやっぱりウソのような作文」を書きます。
 応募フォームはこちらです。気軽に挑戦してください。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/q-8.html

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

 今週号は、野口芳宏先生の連載の最終回でした。野口先生には、
北海道教育大学函館校退官間際のお忙しい中、3回に渡って原稿を
書いてくださいました。野口先生、大変ありがとうございました。
 4月〜6月の3か月間は、茨城大学の大内善一先生にご登場いた
だく予定です。こちらの連載もお楽しみに。

★予告
 04/01 No.61 「作文授業事典 2」/木越憲輝

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編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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