メールマガジン「実践!作文研究」
第6号(2000.3.5)


論理的思考を鍛える「さくぶん情報誌」
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第6号 2000年3月5日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 3月です。卒業文集の製作、通知票の作成、指導要録の作成など
年度末の仕事が佳境に入り始めた方もいらっしゃるのではないでし
ょうか。
 さて、このメールマガジンの第6号を皆さんにお届けします。
 今回は【接続詞】についての「作文キーワード事典」です。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載・「作文キーワード事典」−−
                        東京・小学校
                          池内 清

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作文キーワード事典(第二回)

   【接続詞】・・・骨張った文章を書くということ
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■接続詞を使って文と文の論理関係を明示する 

 わかりやすい文章を書くには、文と文との接続関係が重要にな
る。
 
 なぜならば、接続詞を使い文と文との接続関係を明示化するこ
とにより、文と文との論理関係がわかるからである。

 たとえば、次の2つの文を考える。

┌────────────────────────────┐
│ わたしは旅行に行った。わたしはおいしい料理を食べた。 │
└────────────────────────────┘

 これは、わかりやすい文章とは言いにくい。なぜなら、文と文の
関係がはっきりわからないからである。
 
 もし、この二文を無理に関係付けて理解しようとするなら、以下
のように考えられる。

「わたしは旅行に行った。(その旅先のどこかで)わたしはおいし
い料理を食べた。」

 そこで、接続詞を使い、次のように書き換えてみる。

┌────────────────────────────┐
│ わたしは旅行に行った。そして、その旅先で、おいしい料理│
│を食べた。                       │
└────────────────────────────┘

 このように書くことによって文と文との関係が明示化され、わか
りやすい文章となる。

■骨張った文章を書こう 

 接続詞を使って文章を書くと、「自然な文章が書けなくなってし
まう」と言う人がいるかもしれない。確かに、日本語の文章は接続
詞の多用を嫌う。

 しかし、私は、あえて意識的に接続詞を使って表現する作文の練
習を勧める。

 なぜなら、わかりやすい文章は文と文との論理関係が明示された
ものであるからである。つまり、接続詞を使い、文をつなげること
で、書き手は意識して、文と文との論理的なつながりを考えながら
書くことになる。逆に、わかりにくい文章は、書き手が文と文との
論理関係を意識的、無意識的に書き落としてしまう。

 野矢茂樹著「論理トレーニング」(産業図書 一九九八年)では
論理的な文章を書くために次のように言う。

 「だが、われわれはしばらく「美しい日本語」を忘れることにし
よう。接続関係の明確な骨張った文章を正確に理解すること、そし
て自分でもそのような表現を作れるようにすること。そのため、あ
えて可能なかぎり接続表現を明示し、吟味することにしよう。それ
はまた、論理的な日本語の再発見でもある。」

 「骨張った文章」、つまり、接続詞を多用し文と文との論理的関
係を明示した文章を書くこととは、「論理的な日本語の再発見」を
することにつながる。

■ワンポイントレッスン
┌────────────────────────────┐
│ 次の文章を、接続詞を使い、接続関係を明示して書き直して│
│ください。                       │
│                            │
│                            │
│ 環境にやさしい生活をすることには、賛成である。必ずしも│
│そう簡単に実行できるとは限らない。生きていくこと自体、環│
│境を破壊しているかもしれないからだ。          │
└────────────────────────────┘

■解答例 
 環境にやさしい生活をすることには、賛成である。
 しかし、必ずしもそれは、そう簡単に実行できるとは限らない。
 なぜなら、私たちが生きていくこと自体、環境を破壊しているか
もしれないからだ。

■解説 
 文と文との関係を明示することにより、読み手は、今何を述べて
いるのかがわかり、読みやすい文となる。
 
1.文と文との関係を考え、適切な接続詞を補う。

 (1)二文目は一文目を否定している。逆接の接続詞を入れる。
 
 『<しかし>、必ずしもそう簡単に実行できるとは限らない。』
  
 (2)三文目は二文目の根拠を述べている。よって、理由を導く
 接続詞を入れる。
   
 『<なぜなら>、生きていくこと自体、環境を破壊しているかも
 しれないからだ。』
 
2.できるだけ主語を補う。
 『環境にやさしい生活をすることには、賛成である。
  しかし、必ずしも<それは>、そう簡単に実行できるとは限ら
 ない。
  なぜなら、<私たちが>生きていくこと自体、環境を破壊して
 いるかもしれないからだ。』

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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。
 池内 清 ikeuchi@air.linkclub.or.jp
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【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−

 次の2つの「ウェブリング」に参加し、トップページにバナーを
設置しました。
【Education Web Ring】
 http://www.kissnet.ne.jp/~hana/webring.htm
【『目指せ教師!』の輪】
 http://members3.cool.ne.jp/~healthy/mezase/webring/frame.htm
 「ウェブリング」というのは、同じジャンルのホームページを、
輪(リング)のようにリンクするシステムです。教育ページ、ある
いは教職に役立つページをたどることができます。ネットサーフィ
ンのお供にどうぞ。

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

 来週号(No.7)は、佐内信之さん(東京・小学校)による
「名人の作文授業を追試する」
 再来週号(No.8)は、三森ゆりかさん(塾主宰)による
「論理的思考の技術」
 をお送りします。お楽しみに!
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