メールマガジン「実践!作文研究」
第55号(2001.2.18)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第55号 2001年2月18日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第55号をお届けしま
す。
 昨年、連載「家庭向け“ほめ上手”のすすめ」を担当していただ
いた秋田県の編集同人・石井淳さんが、今年「今月の子供の作文か
ら」という連載をしていただくことになりました。
 子どもの作品を楽しむことができるとともに、その作文を書くに
至った指導法についても勉強になると感じました。みなさんの感想
はいかがでしょうか。ご感想をお待ちしています。

         ◆     ◆     ◆

−−2.新連載・今月の子供の作文から−−
                        秋田・小学校
                          石井 淳

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今月の子供の作文から 第1回
 
   新聞記事を書こう(小学校6年) 
==============================

■S君の作品

┌────────────────────────────┐
|    やぶれ沼のナゾ                 |
|                            |
| 秋田市の四ツ小屋小学校科学探検クラブ20名が、6月上旬|
|から10月上旬にかけて、やぶれ沼の水深を測りに行った。す|
|ると、新たな真実が明らかになった。           |
| それは、やぶれ沼に底があったことだ。しかもたったの4m|
|しかなかったのだ。                   |
| 昔から底なし沼と恐れられてきたこの沼に底があったなん |
|て、なんてショッキングなニュースだ。          |
| このことについて、クラブ員の○○さんから一言もらった。|
|「アンビリーバボー」                  |
└────────────────────────────┘
 
■寸評
 
 最後にギャグを入れた楽しい作品である。ニュースの基本である
5W1Hについては、一部欠けている部分もあるが、一番大事な情
報についてはしっかり書けている作品である。
 やや作文を苦手としていたS君であるが、ユーモアの部分と
ニュースとしての一番大事な情報を落とさなかった点を大いにほめ
る。
 
■この作品が生まれるまで
 
 この作品は、以下のような授業の中から生まれたものである。
 
┌────────────────────────────┐
|1.クラスの中にもいる科学探検クラブ員たちが、地元にある|
|  沼について「意外な真実」を発見していた。      |
|2.このニュースを新聞記事にしようとよびかけ、クラブ員へ|
|  のインタビューをさせた。(1時間)         |
|3.インタビューにより取材したことを新聞記事にまとめて書|
|  かせた。(1時間)                 |
└────────────────────────────┘

■作品づくりを支えた条件
 
 子供が意欲的に取り組めるようなインタビュー場面を設定すると
なると、簡単にはいかない。
 しかし、1で述べたように、身近なクラスメート数人が、ニュー
スのネタをもっていたわけである。

 しかも、今回のネタは地元の人も知らない「意外な真実」という
話題性もあったので、取材意欲や書く意欲も高まったはずである。
 また、インタビューの相手が教室の仲間であるため、どの子供も
気軽にどんどん質問をしていくことができた。  

 2の活動に入る前に、ニュース取材でおさえたい「5W1H」に
ついては朝の会の「ニュース紹介」場面を利用して練習していた。
 3では、参考資料として、実際の新聞記事の見本を示している。
 
■発展学習
 
 実は、この授業はこれで終わってはいない。
 一人一人が新聞記事を書いたあと、これをもとにした学習活動を
展開している。
 次の3つのコースに分かれた活動であった。

┌────────────────────────────┐
|壁新聞づくり・・・・・・・・模造紙大の壁新聞に書き直す。|
|                            |
|ニュース番組づくり・・・・・テレビやラジオのインタビュー|
|              番組用の原稿に書き直す。  |
|                            |
|ビデオレポートづくり・・・・クラブの調査活動時に撮影して|
|              いたビデオを編集しアフレコ原|
|              稿に書き直す。       |
└────────────────────────────┘
以上から自分のやりたいコースを選んで取り組んでいった。
 
■発展学習の発表の場
 
 授業参観を絶好の発表の場にすることができた。
 「壁新聞」班は、実物を示しながら読み上げた。
 「ニュース番組づくり」班も、作った台本をもとに、その場でイ
ンタビュー番組風に役を決めて演じた。 
 「ビデオレポートづくり」班は、編集済みのビデオ映像に、その
場でアフレコをしていく場面を見てもらった。

 ビデオレポートや壁新聞は校内でも紹介できた。
 さらに、ビデオレポートについては、地元NHKにも届けて、全
県に放送してもらうこともできた。
 
■考察
 
 身近なところに、インタビューをしたくなるネタがころがってい
たことになる。教師側で大がかりな場の設定をしないとできないよ
うなことは、一回やると疲れてしまう。
 今回のように、級友や家族、教師など、身近に取材できる人材が
もっているネタを発掘していく価値は大きいのではないだろうか。
 例えば以下のようなネタもある。
┌────────────────────────────┐
|・自分が小さかったころの「とっておきの話」を家の人に聞い|
| てこよう                       |
|・「先生の大失敗」を聞き出そう             |
|・父母や祖父母の「九死に一生」を聞いてみよう      |
|・友達の「今だから言えるはずかしい話」を聞き出そう   |
└────────────────────────────┘

■今回の作品の活用例
 
 ニュース取材のポイントである「5W1H」を落とさずに取材す
る学習場面では、今月の作品を利用する方法もある。
 『この作品で欠けている情報は何ですか?』
と問えば、子供たちは必死で見つけようとするだろう。
 
■他の作品例
 
Wさんの作品
┌────────────────────────────┐
| 底なしと言われていた「やぶれ沼」、実はちがった…!? |
|                            |
| 秋田県秋田市、四ツ小屋地区にあるやぶれ沼。皆に底なし沼|
|と恐れられてきたが、実はちがった!ちゃんと底があったので|
|ある。                         |
| その新事実を明らかにしてくれたのが四ツ小屋小学校の科学|
|探検クラブのメンバーたちである。メンバーたちは、やぶれ沼|
|には本当に底があるのかと疑問に思い、調べていったのが始ま|
|りだった。                       |
| どのように沼の深さを測ったかというと、カヌーに乗り  |
|メジャーの先におもりを付けて測ったという。一番深い所でも|
|4m、一番浅い所で1mと、3回に分けて約140カ所も測っ|
|た結果、このような事実が分かったのである。       |
| メンバーたちも、こんな結果になるとは思いもせず、口々に|
|「おどろいた」と話していた。今後の科学探検クラブの活動に|
|ますます期待がもてる。                 |
└────────────────────────────┘

 参考に示した新聞記事の書き方を取り入れて、かなり上手に書い
ている作品である。 

【今回の執筆者のプロフィールです】

 石井 淳(いしい じゅん)
 秋田・秋田市立四ツ小屋小学校教諭
 所属団体:秋田授業づくりの会(研究誌編集局)
      学習ゲーム研究会
 主な著書:『見たこと作文実践ネタ集』(共著)
      『音読朗読群読の授業づくり』(共著)
      『コピー作文がおもしろい』(共著)
       以上学事出版刊

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
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 先週紹介した新企画ですが、「投稿!おもしろ作文道場」いう名
前で正式スタートしました。
 徐々に投稿が増えてきていますが、今応募すればかなり高い確率
で採用されますよ。
 現在募集しているのは、第3回(2月23日しめきり)です。
┌────────────────────────────┐
| 寝て起きたら、○○になっていた…!          |
└────────────────────────────┘
 この書き出しで、作文を書いて下さい。○○の中に入る物は自由
です。
 ぜひご参加を!→http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/

−−4.編集後記−−

 次回は、野口芳宏先生の登場です。お楽しみに!

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編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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