メールマガジン「実践!作文研究」
第51号(2001.1.21)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第51号 2001年1月21日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第51号をお届けしま
す。1月13日〜14日、北海道旭川市で「授業づくりネットワー
クin旭川2001」という研究会が行われました。その会場で、当
マガジンを紹介させていただきましたところ、多くの方が、読者に
なってくださいました。新しい読者の皆さん、宜しくお願いします。
 当マガジンのバックナンバーは、インターネットで読むことがで
きます。
┌────────────────────────────┐
|   http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/  |
└────────────────────────────┘
 ぜひ、お読みになってのご意見やご感想をお待ちしております。
 さて今回は、埼玉県の高校教師、寺田弘さんに登場していただき
ます。テーマは、小論文指導についてです。

         ◆     ◆     ◆

−−2.型から入る小論文指導−−
                    埼玉県・高校(国語)
                          寺田 弘

1 小論文とディベートとの類似性

 小論文は文章表現によるディベートである、と私は考える。一つ
の論題に対して明確な意見を表示し、その根拠を挙げる。そこに
データや資料を引用する。さらに反論を想定し、根拠を挙げて反駁
する。独りよがりの意見文とならないように、データ資料を引用し、
根拠を挙げて自分の論を展開するのである。構造は全くディベート
と同じである。だから小論文は文章表現での一人ディベートなので
ある。

2 小論文の型

 小論文は論文である以上、論理的な文章構成でなければならない。
小論文の初心者には、あらかじめ型を教え込んだ方が具体的で、非
常に分かりやすい。生徒に提示する「小論文の型」を以下に記す。
┌────────────────────────────┐
|序論 (第1段、問題提示)               |
|   現在、私たちの社会には〜すべきか、すべきでないかと|
|   いう問題がある。                 |
|本論1(第2段、データ・資料を使い根拠を示して自分の意見|
|   を主張する)                   |
|   私はこの問題に対して〜だと考える。それは〜という事|
|   実があるからだ。さらに詳しく説明すると〜。    |
|本論2(第3段、反対意見を想定し、根拠を示して反駁する)|
|   この問題に対して〜と反論する者もいるかもしてない。|
|   しかし、それは間違いである。なぜかというと〜。  |
|結論 (第4段、もう一度自分の意見を強調する)     |
|   したがって私は〜と考えるのである。        |
└────────────────────────────┘

3 どんな抽象的論題もディベートの「YES・NO論題」に転化
  できる

 小論文はディベートと同じといわれても、「日本の家族」という
抽象的論題にどのように対処するか分からない、という生徒が必ず
いる。
 その場合、次のことを必ず教えてから先に進まなければならない。
それは、抽象的な論題は「YES・NO論題」に言い換えよ、であ
る。例えば「日本の家族」であれば、「核家族化は、日本の子ども
達を幸せにしたか、否か」「日本の共働き社会は、家族を豊かにし
たか」などと論題を言い換えるのである。これは単なるテクニック
であるが、小論文を理解する上で非常に重要である。
 
4 生徒の小論文例

(1)「沖縄から米軍を完全撤退すべきである」

 現在私達の社会には、沖縄米軍基地を撤退すべきかどうかという
問題がある。
 私はこの問題に対して、撤退すべきだと考えるのである。なぜか
というと、米軍基地による沖縄への被害が多いという事実があるか
らだ。
 さらに詳しく説明すると、第一に米軍基地は沖縄県の面積の約
20%も占めているのである。さらに、米軍基地による事故および
米軍犯罪の数は、72年の本土復帰以降だけでも、航空機事故が
142件、犯罪検挙で4953件、そのうち凶悪犯罪は523件に
もおよんでいるのだ。これらの被害は沖縄県住民にとって体調面だ
けでなく精神面でもダメージを与えている。第二に自然破壊の問題
だ。沖縄の辺野古の海は現在、新たな基地、海上ヘリポート建設計
画の対象地として狙われているのである。これが実行されると海の
中に生存しているサンゴや、日本の天然記念物であるジュゴンなど
の動植物が根絶する可能性が高くなるのである。それだけではない。
建設による油漏れや化学物質流出で起こる水質汚染などあらゆる面
で危険なのである。
 この問題に対して、沖縄の地域振興のために基地は必要だと反論
してくる者もいるかもしれない。しかし、それは間違いである。な
ぜかというと、米軍基地建設や公共工事、開発振興による自然環境
の破壊、および地域住民への被害は決してまぬがれないからだ。さ
らに基地周辺地域に住んでいる子ども達への危険性は大きすぎるほ
どにあるからである。
 したがって私は、沖縄県住民のためにも沖縄の動植物のためにも、
基地は撤退すべきだと考えるのである。

(2)「沖縄から米軍を完全撤退すべきではない」

 現在、私たちの社会では米軍は日本から完全撤退すべきかどうか
という問題がある。
 私はこの問題に対して、米軍は日本から完全撤退すべきでないと
思うのである。なぜかというと、日本から米軍が完全撤退してしま
うと日本は莫大な被害をこうむるという事実があるからである。さ
らに詳しく説明すると次のような問題点がある。一点目は戦争が起
こりやすくなるということである。沖縄に駐留する在日米軍は約二
万七千人、これは在日米軍総兵力約四万四千人の約六十二%に相当
する。沖縄米軍は湾岸戦争などで世界平和のために力を発揮した。
また、沖縄米軍は東アジアの軍事バランスを保つ上で非常に重要な
のである。沖縄から米軍が撤退すると、日本の平和を保つのが困難
になるのである。今まで日本に攻撃してこなかった国が、米軍撤退
を機に攻撃してくる可能性は十分ある。二点目は沖縄で失業が増え
るということである。沖縄の米軍基地で働いている日本人は七千人
ほどいる。米軍基地が完全撤退されれば全てが失業者となってしま
う。七千人の失業者には、家族がいる。何万もの沖縄県民に影響が
でるのである。もちろん沖縄県の経済活動も衰退するのである。
 この問題に対して、戦争が起こった時米軍の力を借りなくても、
日本には自衛隊があるではないかと反論する者もいるかもしれない。
しかしそれは間違いである。なぜかというと、自衛隊は実践の経験
が皆無で実際のところ日本を守るほどの実力がないからである。ま
た、失業問題は米軍基地の跡地に新たな企業を誘致すればいいとい
う人がいるかもしれない。しかし、沖縄は地の利が悪く企業が進出
したがらないからその見込みもないのである。
 したがって私は、日本の平和を守るためにも、沖縄に失業を出さ
ないためにも、日本に米軍基地を残しておくべきだと思う。 

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下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。
 寺田 弘   terada-hiroshi-1@fan.hi-ho.ne.jp
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執筆者のプロフィール

寺田 弘(てらだ ひろし)
埼玉・県立北本高等学校教諭
所属団体:全国教室ディベート連盟(教育普及委員)

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○「てぃ〜んずWAO!」という中高生対象インターネットライフ
 総合支援サイトからお申し出を受け、相互リンクしました。
 http://www.jerfi.ne.jp/teens/
○新メルマガ発行システム「めるぼっくす」に当マガジンを登録し
 ました。しかしまだ発行システムが整っていないようです。
 http://www.merubox.com/

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

★予告
 1/28 第52号 野口芳宏氏の予定です(北海道教育大学教授)

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 の感想をお待ちしています。
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「朝日の社説」を読みやすくまとめて、「ひとこと」でコメントしています
 「知識」ではなくて「自分なりの考え」を書いているメルマガです
    モーニング娘。も読んでいる!?・・・かもしれません
        http://melten.com/osusume/?m=3248&u=1930
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◆いろんな意味で、小論文指導に役立ちます。オススメです。(松田善啓)

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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