メールマガジン「実践!作文研究」
第47号(2000.12.17)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第47号 2000年12月17日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 皆さんこんにちは。「実践!作文研究」第47号をお届けします。
 今回は、奥泉香さんの連載が最終回です。奥泉さんには、4月に
初登場以来、偶数月の第3週のリレー連載を担当していただきまし
た。たいへんお疲れさまでした。
 「大学生に作文を教える」は、全5回の連載となりました。その
バックナンバーを紹介します。

第1回 第12号(2000.4.16)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/12.html
第2回 第21号(2000.6.18)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/21.html
第3回 第30号(2000.8.20)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/30.html
第4回 第38号(2000.10.15)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/38.html

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載「大学生に作文を教える」−−
                   波多野ファミリスクール
                          奥泉 香

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         大学生に作文を教える −5−
      「つまり」と「例えば」を使って書かせる
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 大学生に週一度90分、意見文を書かせる指導を行なっている。
一文を短く書く練習をさせ、主述の構造が明確な文で書けるように
指導している。
 すると、学生は一文を短く書けるようになるにつれて、文と文の
間に接続詞を入れたがるようになってくる。良い傾向である。文相
互の関係を考えることは、論理を考えることにつながるからである。

 そこでそのタイミングを捉えて、今回の指導を行う。使う接続詞
を次のように指定するのである。
┌────────────────────────────┐
|・使うべき接続詞・・・・・つまり、例えば        |
|・使用厳禁の接続詞・・・・さて、ところで        |
└────────────────────────────┘
 前者は、「つまり」と言って抽象度を上げ、「例えば」と言って
抽象度を下げる働きをしている。このように抽象度を変えて論述を
くりかえすと、読み手にとってわかりやすくなるし、書き手本人も
頭が良くなる、と学生に説明している。
 これに対して、「さて」や「ところで」は、前文までに述べた内
容との論理的関係を示すような働きはしない。「今まで述べてきた
ことはさておいて」と、他の話題に転換するための接続詞である。
したがって、手紙などでの使用に留めるように、と学生には説明す
る。

 しかし、ただ使用する接続詞を指定しただけでは、片手落ちであ
る。多くの学生は、どのような箇所でどのようにそれらの接続詞を
使ったらよいのかがわからないからである。
 そこでさらに、意見文のどこでどのようにそれらを使うのか、使
用箇所やその使い方も指定して、実際に書かせてみている。次の2
箇所でだ。

 (1)「つまり」の使用箇所

  前回までで述べてきたが、私は意見文を大きく二つの段落に分
けて書かせ指導している。前半の「判断(自分の立場)」を述べる
段落と、後半の「論証(その理由)」を述べる段落である。
 「つまり」を使って書かせるのは、前半の「判断(自分の立場)」
を述べる段落である。この前半の段落では、その書き出しを引用で
書き始めさせているが、「つまり」は、この引用の次の文頭に書く
よう指導している。
 例えば、学校の備品を壊してしまった場合の弁償責任について意
見を述べる場合で考えてみよう。
┌────────────────────────────┐
| 学校側は、次のような場合に弁償してもらうとことわってい|
|る。それは、「故意やふざけて割った場合」である。つまり学|
|校側は、壊した子どもの意図に問題がある場合に限定している|
|のである。                       |
└────────────────────────────┘
このように、引用の後に「つまり」で始まる文を書かせるのだ。そ
して「故意やふざけて」を「意図に問題がある場合」と、抽象度を
上げてくくる練習をさせる。このことによって、次の「問の形で問
題点を提示する文」が発想しやすくなる。例えば「このように意図
に問題がある場合には、教師よりも日頃のしつけをしている親に責
任があるのではないだろうか」という問につなげることができる。

 また「つまり」で始める文を、次のように書くこともできる。
┌────────────────────────────┐
| つまり、うっかり壊してしまった場合は、弁償責任は問わな|
|いと言っているのである。                |
└────────────────────────────┘
 このように、「つまり」を使って引用の内容をどのようにくくる
かで、その後の展開が変わってくることを学生に具体的に考えさせ
る必要がある。

 (2)「例えば」の使用箇所

 もう一つの「例えば」は、後半の理由を書かせる際に使わせる。
後半の段落で、まず、理由がいくつあるかを述べさせた後、どれか
一つの理由について具体例をつけさせるのである。

 以上のように、論理的な文相互の関係を意識させやすい接続詞を
指定して書かせる。そして使用する文章の箇所も具体的に指示して
書かせる。もちろんこれ以外の箇所でも使えるようになれば、どん
どん書かせてみる。こうやって、抽象度を変えて論述を重ねていく
書き方を身につけさせたいと考えている。

 今回でリレー連載の奥泉担当分は、一応おわります。
 一年間読んでくださって、本当にありがとうございました。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 奥泉 香(おくいずみ かおり)
 一週間の半分を、財団法人波多野ファミリスクールで小学生に作
文指導を、残りの半分を、大学や専門学校で論理学や国語を担当し
ている。大学院では、教育哲学を専攻。ことばと思考の関係が研究
テーマ。

         ◆     ◆     ◆

−−3.「授業づくりネットワークin旭川2001」のご案内−−
                       北海道・中学校
                          石川 晋

 NW2001旭川大会は、2001年1月13日〜14日、北海
道旭川市で開催します。
 今回は、お馴染みの上條晴夫さん(「授業づくりネットワーク」
代表、学習ゲーム研究会代表)、藤川大祐さん(「授業づくりネッ
トワーク」事務局長、金城学院大学助教授)に加えて、このMMの
松田善啓さん(HP&MM「実践!作文研究」編集長、小学校教諭)
も来られます。
 また、音楽あり、歴史あり、バラエティにとんだラインナップで
す。
 既に申し込みは締め切りに達し、定員もほぼいっぱいですが、こ
のMMを読まれて関心を持たれた方、石川あてにご連絡をいただけ
れば、参加善処いたします。下記アドレスで大会の内容等の詳細は
ご確認ください。

石川 晋  ZVN06113@nifty.ne.jp
           http://homepage1.nifty.com/maru-shin/

         ◆     ◆     ◆

−−4.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○アクセス数が28000を突破しました。
○中国の作文「看図作文」について、情報提供の呼びかけをしたと
 ころ、反響が続々と来ています。皆さんからの、「実践をした」
 「実践を見た」などなど、看図作文についての情報がありました
 ら、よろしくお願いします。情報交流の場は、掲示板形式の「ど
 くしゃの声」です。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/mail/reader.html

         ◆     ◆     ◆

−−5.編集後記−−

 今週の土曜日、都内で作文教育の研究会「作文サミット2000」
が行われます。その翌日に発行される次号の本誌では、「作文サミ
ット2000」の速報をお送りできればと考えております。

○このメールマガジンを知人に送って、購読をお薦めください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、本誌へ
 の感想をお待ちしています。
 本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方は松田までご相談を。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ID:0000023841
 「Pubzine」 http://www.pubzine/com/ ID:8460
 「melma!」 http://www.melma.com/ ID:m00014780
 「ココデ・メール」 http://mail.cocode.ne.jp/ ID:0700300256
 「macky!」 http://macky.nifty.com/ ID:23841
 「メルマガ天国」 http://melten.com/ ID:1930
 「E-Magazine」 http://www.emaga.com/ ID:sakubun
 「カプライト」 http://kapu.cplaza.ne.jp/ ID:851
 「メルマガランド」 http://www.freemaga.com/ ID:500186

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究 2000
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