メールマガジン「実践!作文研究」
第45号(2000.12.3)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第45号 2000年12月3日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第45号をお送りしま
す。今回は「体験をレポートに書く」の第3回【新聞に投稿しよう】
です。皆さんからの追試報告をお待ちしています。
 また、池内さんが事務を務める「実践レポート研究会」主催の、
「作文サミット2000」の参加申し込みもお待ちしています。
 私も参加します。この機会に、一緒に学びましょう。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載・「体験をレポートに書く」−−
                        東京・小学校
                          池内 清

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 体験をレポートに書く 第3回

   【新聞に投稿しよう】
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■メディアに出てみよう(第一時)
 
 メディアを一言で言うのは難しい。ここでは子どもたちに『テレ
ビとか、新聞とか、本など、何らかの情報を伝えるものをメディア
と言います』と説明をした。『メディアを考えるのなら、やっぱり
そのメディアに出てみることが一番です。今回は、このメディアに
みんなが出るためにはどうやるかから考えます。』
 子どもたちは、もうテレビに出られるのかと勘違いしているかの
ように、大喜びである。
 はやる発言を押さえて、ノートに自分たちのアイディアを書か
せ、発表してもらう。
┌────────────────────────────┐
│1.作文とかの賞状をもらって新聞にのる。        │
│2.伊東家の食卓に裏技を出す。             │
│3.NHKののど自慢に出る。              │
│4.笑っていいともに出る。               │
│5.学校へ行こう!の「未成年の主張」に出る。      │
│6.新聞の読者欄に投稿する。              │
│7.相撲の一番前の席に座る。              │
│8.石原都知事に会いに行く。              │
│9.有名なお祭りに行ってTVインタビューを探す。    │
└────────────────────────────┘
 以上のことが、黒板に書かれる。
 その中で、一人の男の子が「殺人事件を起こして、新聞に載る」
と言った。もちろん笑いをとるためだろう。しかし、この発言に、
みんなあきれる。『悪いことをして載ってもしょうがないね。現実
的に考えられることでなくてはならないね』
 みんなの意見を整理すると、
┌────────────────────────────┐
│1.TV番組に出演する。 2.行事に出かける。     │
│3.偶然性にかける。   4.新聞に投稿する。     │
└────────────────────────────┘
となった。
 「TV番組に出演する」は、授業の中で行うには難しいとこか
ら、子どもたちは、新聞に投稿するのが一番手軽にできそうだと
いうことで一致した。
 そこで、新聞の投書欄の研究をすることにした。
 準備として、今日の家庭学習の課題で自分たちの家庭で購読して
いる新聞にはどのような投書欄があるかを調べさせることにした。
 調べることは次の二点である。
┌────────────────────────────┐
│1.読者の投稿欄のコーナー名              │
│2.どんな内容が取り上げられているか。         │
└────────────────────────────┘
 
■新聞投書欄の研究(第二時)

 翌日の子どもたちの家庭学習のノートには新聞記事の切り抜きが
張られてきた。
 その日の国語の時間に調べてきたことの発表をする。
・朝日新聞「声」・読売新聞「気流」・毎日新聞「みんなの広場」
・産経新聞「一〇代の声」
 他に業界紙の名前も出たが、それは、専門紙であることを説明
し、今回は以上の四紙で考えることにした。
 子どもたちから内容に関して話し合いまとめると、以下の四点に
なった。
┌────────────────────────────┐
│1.話題になっていることに対する意見          │
│2.身近な問題に対する意見               │
│3.素朴な疑問                     │
│4.心温まる体験                    │
└────────────────────────────┘
 そして、このような内容が書ける題材を選んで投稿すれば取り上
げられるのではないか、ということになった。
 次の時間にこの観点で書くことにした。そのために、自分がどの
観点で書くかを決め、そこから、原稿の題材を考えておくことを課
題とした。
 
■原稿を書く(第三時)

 自分で決めたテーマで原稿の下書きを書くことにした。
 書く時の注意点として、次の四点を確認した。
┌────────────────────────────┐
│1.友達の名前は出さない。               │
│2.自分で書ける内容である(背伸びをしない)。     │
│3.新聞社の人に載せてもらえる内容。          │
│4.作文用紙一枚(四〇〇字以内で書く)。        │
└────────────────────────────┘
 後は、自由に書いていいことにした。
 書き上がった原稿は、一度教師に見せにきて添削を受ける。
 教師の添削は主に次の二点を行った。
┌────────────────────────────┐
│1.自分の意見を書いたとき、その理由の文があるか。   │
│2.文のねじれがないか。                │
└────────────────────────────┘
 子どもたちは、苦戦をしていたようだが、授業後半になると、教
師に見せに来る子が出てきた。始めは、ていねいに指導していった
か、授業終わりには列が出来てしまい、休み時間まで添削時間がの
びた。部分的な訂正は今日の家庭学習の課題とし、次の時間までに
清書してくるように指示をした。
  
■編集会議をしよう(第四時)

 書き上がった原稿を新聞社に投稿する前に、自分たちだったらど
の原稿を選ぶか、新聞記者の立場になって、原稿を選ぶ「編集会
議」を行うことにした。つまり、みんなの原稿をグループで読み回
し、グループで代表の作文を選び出すことにした。
 選考にあたって、どのような基準で選べばいいかをみんなで考え
たところ、以下の観点があがった。
┌────────────────────────────┐
│1.自分の意見が書けている。              │
│2.分かりやすくまとまっている。            │
│3.読者が興味を持つ。                 │
└────────────────────────────┘
 「読者が興味を持つ」には、「不思議」「めずらしい」「今、話
題になっている」「読むと心が温まる」「考えさせられる」など前
にみんなが考えた内容である。
 こうして、選ぶ観点を確認し、グループ内で編集会議を行った。
┌────────────────────────────┐
│1.学習グループ(五名から六名)にグループのメンバーでは│
│  ない作文を配る。                  │
│2.編集会議の時間は10分で行う。           │
│3.全員で読み回す。                  │
│4.上記の観点で作文を選ぶ。              │
│5.グループ内で話し合い、一番いい作品を選ぶ。     │
└────────────────────────────┘
 教師の合図で一斉に始める。始めは静かに友だちの作文を読んで
いる。時々、「これいいなぁ〜」「へぇ、いいこと書いてるじゃ
ん」と声をあげる子どももいる。
 読み終わると、話し合いが始まる。子どもたちの声が先程とは一
転して高まる。
 このようにして、選ばれた作文参考のために一点あげておく。
┌────────────────────────────┐
│   新しい道路                    │
│ 私が住んでいる○○市では、新しく出きる道路があります。│
│予定では二〇〇二年だそうです。             │
│ 近所の人々は、この新しくできる道路に反対をしています。│
│それは、立ち退きで「せっかく家を建てたのに」という理由 │
│だそうです。                      │
│ しかし、反対に、新しい道路を造ろうとしている人たちは、│
│「国道に出るこの道が混まないようにしよう」という声でし │
│た。私の家は立ち退きになりません。しかし、私は犬を飼って│
│いますが、散歩だけでなく、空き地で遊ばせています。この空│
│き地は新しくできる道路で無くなってしまいます。また、犬の│
│散歩をしていると、この空き地で遊んでいる子どもたちもよく│
│見かけます。                      │
│ 新しい道路が出きると便利になるかもしれません。でも、子│
│どもたちが遊ぶ場所がだんだんと無くなってきている今、大人│
│の人たちだけの考えだけでなく子どもたちのことも考えてもら│
│いたいと思います。          (五年 女子)  │
└────────────────────────────┘
 他に、「保護動物を守ろう!」「さかあがりができたのは友達の
おかげ」「ドラえもんはおもしろい」「愛犬のやさしさ」「地球環
境」「集団のいじめはなぜおきるか」が代表作品として選ばれた。
 
■今後の予定

 次回は選ばれた作品を実際に新聞社に送る前に、この七点の代表
作品を読み聞かせをし、どの作品が選ばれるかを予想した授業を考
えている。
 
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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。   
 池内 清 ikeuchi@air.linkclub.or.jp           
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【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会(HP担当)
      メディアリテラシー教育研究会(事務局員)

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『ディベートで学級会づくり』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○アクセス数が27000を突破しました。
○「運営者より」#31を出しました。

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究 2000
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