メールマガジン「実践!作文研究」
第41号(2000.11.5)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第41号 2000年11月5日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第41号をお届けしま
す。先月から始まったリレー連載「体験をレポートに書く」、今回
は東京都の木越憲輝さんの登場です。動物園での見学が元になって
います。いくつかの作文技術が紹介されていますが、どれもすぐ教
室で使えそうですね。
 では【動物で見たことクイズ作文】をお読みください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載・「体験をレポートに書く」−−
                        東京・小学校
                         木越 憲輝

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 体験をレポートに書く 第2回

   【動物で見たことクイズ作文】
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 小学校1年生の授業である。
 上野動物園の見学から帰ってきてから最初の生活科の授業である。

■動物園で見たこと日記の読み聞かせ

 動物園に行った日に「動物園で見たこと」というテーマの絵日記の
宿題を出した。
 その日記を生活科の時間の始めに4つ読み聞かせした。
 多くの子は、「自分が思ったこと」や「自分がしたこと」やいろい
ろな動物についても書いていた。その中で読み聞かせに選んだ日記は
一つの動物について見たことを書いてあるものである。
 それぞれいいところを、子どもたちに教えた。以下、その中の2つ
を紹介する。
┌─────────────────────────────┐
│ ほっきょくぐまはたきをみていた。            │
└─────────────────────────────┘
 一文でありながらも、その時に見た人にしかわからないことが書か
れているのがよい。
┌─────────────────────────────┐
│ きょうぼくはこうもりをみました。とんでるときすぐとんでま│
│した。こうもりはとまっているときゆらゆらゆれているのは、は│
│じめてしりました。                    │
└─────────────────────────────┘
 「ゆらゆらゆれている」のところがよい。この文も見ないと書けな
い文である。

■見たこと10個勝負

 以下のB4(縦書き)に印刷されているプリントを配る。
┌─────────────────────────────┐
│  どうぶつえんで 見たこと 10こしょうぶ       │
│じぶんが上のどうぶつえんで見たことをおもいだしてどんどんか│
│いてみよう。)                      │
│ 1.                          │
│ 2.                          │
│ 3.                          │
│ ・ (以下省略)                    │
└─────────────────────────────┘
『今から見たこと10個勝負をします』
┌─────────────────────────────┐
│ さっき読んだのように上野動物園で見たことを思い出して、短│
│くどんどん書いてみましょう。時間は5分です。10個書けたら│
│優秀です。                        │
└─────────────────────────────┘
 「よーい始め」
 鉛筆の音だけが聞こえた。このことから、子どもたちは集中して書
 いているのが分かる。
 机間巡視をする。その際、「パンダ」「ゴリラ」とだけ書く子や
「かわいい」「やわらかくてきもちいい」と書いた子に、動物がして
いたことやあなたが見えたことを書くように指示する。
 5分後に普段書くことが苦手な子も3個は埋めることができた。
 列指名で全員に一人一つずつ発表させる。
 「ほっきょくぐまがうんこをした」「ぞうがみみをふっていた」
「やぎがけんかしていた」「プレーリードックが穴掘りをしていた」
 子どもたちが今までに見たことや本やテレビなどから得て知ってい
たことでなく、その時に見ていた人にしかわからないことを書いてい
る。

■私は誰でしょうゲーム

 『たくさんおもしろいことを見てきたのですね。では、動物園で見
たことを使って、私は誰でしょうゲームをしましょう』
 「なにそれ?」「しってる」ゲームと聞いて騒ぎ始める。
 『まず、先生が問題をだします』『第1問、わたしは黒いです』
 「ゴリラ」
 『ブー、はずれ』思いっきり子どものように振る舞う。
 『第2問、足は6本あります』以下子どもに思いついた答えを言わ
せながら、
 『第3問、わたしは、動物園にはいませんでした』『第4問、甘い
物がすきです』
 『第5問、土の中に穴を開けてすんでいます』と問題を出した。
 「アリ」
 『正解!』
 最後に答えが出た。

 教師が例題を出して、子どもにやり方を理解させるつもりだった。
 しかし、不適切だった。その理由を以下に2点述べる。
 第1に、例題の問いが動物園で見たことになっていなかった点。
 第2に、「動物園にいない」アリを問う問題だった点。
 子どもたちの混乱をさけるために、この後「上野動物園にいた動
物」「動物園で見たこと」を書くのだということを繰り返し強調し
た。

 プリントを裏返しさせる。先ほど配った裏面には以下のことがプリ
ントされている。
┌─────────────────────────────┐
│ わたしはだれでしょう                  │
│     ┌──────┐                │
│ わたしは│      │です。             │
│     └──────┘                │
│ 1.                          │
│ 2.                          │
│ 3.                          │
│ ・ (以下省略)                    │
└─────────────────────────────┘
 次のように指示をした。
┌─────────────────────────────┐
│ さあそれでは、今度は君たちがクイズを作る番です。    │
│ 上野動物園で見てきた中で一つ動物を決めて下さい。    │
│ 決めたら、四角の中に書きます。             │
│ 書いた人は周りの人に内緒にしましょう。後でクイズを楽しむ│
│ためです。                        │
└─────────────────────────────┘
 半分くらいの子が書けたことを確認してから、以下の指示をする。
┌─────────────────────────────┐
│ 「動物園で見たこと」だけで、問題を5つくらい作ってみま │
│しょう。                         │
│ 時間は5分です。                    │
└─────────────────────────────┘
 3つ書いて考え込む子、一度問題作りをしたが動物名を書き直して
いる子、5つすらすら書く子、それぞれ1/3ずついた。
 5分後に次のような指示を出す。
 『できた人のなかで3人の問題をこれからやってみましょう。』
 全員の発表をさせたかった。しかし、時間が足りなくなったので、
挙手をさせて3人の作った問題を教師が読み上げる形にした。
 よく書けている作品を一つ紹介する。
┌─────────────────────────────┐
│ 1.えさをくわえたどうぶつはなんでしょう。       │
│ 2.にいちゃんみたいにすわっていました。        │
│ 3.いすをつくえにしていました。            │
│ 4.くろいどうぶつです。                │
│ 5.ゆっくりあるいていました。     正解 ゴリラ  │
└─────────────────────────────┘
 この作品は、「にいちゃんみたい」「ゆっくり」がいい。文末が
「〜していました。」の形で終わっている。どれも見た人にしかわか
らないことが書かれている。

 最後に、次回は全員の問題でクイズ大会をすることを予告し、授業
を終えた。

■参考文献
 上條晴夫編『論理的な表現力を育てる学習ゲーム』(学事出版)
  佐内信之氏「10の条件ゲーム」(118ページ
 『作文指導20のネタ』上條晴夫著(学事出版)
  「私は誰でしょう」96ページ

【今回の執筆者のプロフィールです】

 東京・私立聖学院小学校教諭
 所属団体   学習ゲーム研究会
 所属サークル 実践レポート研究会ジュニア

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

 レイアウト面で小さな更新をしました。

○壁紙を変更しました。
○ほとんどのページにロゴマークを貼りました。
○「運営者より」#30をアップしました。
○「運営者より」バックナンバーをリニューアルしました。

○「作文サミット2000」のご案内を、次のページに掲載しまし
 た。参加申し込みもできます。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/plan/samit2.html

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、本誌へ
 の感想をお待ちしています。
 本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方は松田までご相談を。
○本誌への読者登録・解除・アドレス変更はこちらです。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
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 「Pubzine」 http://www.pubzine/com/ ID:8460
 「melma!」 http://www.melma.com/ ID:m00014780
 「ココデ・メール」 http://mail.cocode.ne.jp/ ID:0700300256
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 「メルマガ天国」 http://melten.com/ ID:1930
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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