メールマガジン「実践!作文研究」
第40号(2000.10.29)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第40号 2000年10月29日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第40号をお届けしま
す。今回は、編集主幹の上條晴夫さんの登場です。「総合的な学習
の時間」に関する教育技術についての話です。この中で、上條氏は
著書について次のように触れています。
「授業アイデア集のような本ばかりが多い総合的学習の出版ラッシ
 ュの中で、授業アイデアを支える教育技術を書いた」
 私は、「総合的な学習の時間」においても、教育技術を考えてい
く視点は大切だと考えます。どんなにすばらしい授業プランであっ
ても、教育技術次第で結果の善し悪しが左右される場合があるから
です。
 そして上條氏の著書では、その「教育技術」の1つとして、「作
文的方法」を取り上げています。今回の本誌でのお話は、その「作
文的方法」についてです。どうぞお読みください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.総合的学習に「作文的方法」が役に立つ!−−

        『メールマガジン「実践!作文研究」』編集主幹
                          上條晴夫

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総合的学習に「作文的方法」が役に立つ!
    上條晴夫
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■総合的学習の教育技術

 いま総合的学習では調べ学習の授業が主流である。
 その調べ学習をする時にいわゆる「作文的方法」が役に立つ。
 作文的方法とは教科・領域を超えた追究型の作文指導法の総称で
ある。国語科作文の文章技術指導とは一線を画した、ものの見方・
考え方を鍛えるための作文指導の方法である。
 
■作文的方法とは−子どもの作文−

 東井義雄著『村を育てる学力』(明治図書・1957)の一節に
「作文的方法への注目」として次の作文が載っている。
┌────────────────────────────┐
│   ふろたきの算数         五年 福田和子  │
│ きょう、ふろたきをたのまれました。ふろがわいていく、時│
│間や温度をしらべながらふろたきをしようと思いました。  │
│ ちょうど、四時十分からたきはじめました。とけいを見てい│
│ると、十分たったので、温度をはかってみると、三十二度でし│
│た。わたしが、                     │
│ 「はやいこと、わくなあ」               │
│というと、兄ちゃんが、                 │
│ 「あたり前だ、大先生がたいとるもん」         │
│と、じまんしました。                  │
│ その中、五時十分になったので、温度をはかってみると、四│
│十九度でした。わたしは、おとついふろをたいた時、おばあち│
│ゃんが、                        │
│ 「四十六度ほどになると、もうわいている」 │
│と、いわれたのを思い出しました。四十六度より、三度温度が│
│高くなっています。けれども、ふろが早くわくように、水が、│
│ふろ釜に四分の一しかはってありません。それで、これに水を│
│入れたら、また温度が下がってしまいます。        │
│ そのうちに、また十分立ちかけていましたので、時計が五時│
│二十分になるのを待って、温度をはかりました。今度は六十度│
│でした。それで、お兄ちゃんと水を入れました。ふろがまに二│
│分の一ほどのお湯になりました。温度をはかると、ちょうど、│
│四十七度でした。                    │
└────────────────────────────┘
 いわゆる生活文とは違っている。この「ふろたきの算数」は暮ら
しの中に時間の考え方を取り入れ追究をした作文である。ちなみに
この作文はこの子が突然書いた作文ではなくて、級友の風呂たきに
関する調べ学習の作文に触発されて書かれた作文である。
 以上のような作文を東井氏は「学習帳」という呼ばれる作文ノー
トに綴らせる。東井氏は言う。「私たちは、子どもを、十分知って
いるつもりでも、案外知らないものである。学力をつけるには、子
どもの学力の現段階はもちろん、子どもの学習傾向の中の、よい点、
悪い点を、十分に知ってかかることが必要である。/ところが、学
習帳を見ていると、それが、具体的に、生のままではっきりわかる
のである。子どもの学習の『生体解剖』をしているようなものであ
る。これを見ておれば『診察』が狂うことがない。治療のためにも、
的確な計画がたて得る」。
 
■宣伝−調べ学習に役立つ本−

 拙著『総合的な学習のための教育技術−調べ学習のコツと作文的
方法−』(健学社)が出版された。(入手法は健学社に直接FAX
で申し込むのが確実である。FAX:03−3262−2615)
 授業アイデア集のような本ばかりが多い総合的学習の出版ラッシ
ュの中で、授業アイデアを支える教育技術を書いた。上で紹介した
「作文的方法」を紹介している。たとえば「番号作文」「鉛筆対談」
「資料活用型作文」「研究作文」「共同作文」「コピー作文」「手
紙作文」「再話作文」「テーマリレー日記」などの方法である。
 総合的学習の教育技術として役立つと思う。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 上條晴夫(かみじょう はるお)
 小学校教師を経て、文筆・評論活動に入る。
 現在、『授業づくりネットワーク』編集代表、全国教室ディベー
ト連盟常任理事、学習ゲーム研究会代表、メールマガジン『授業づ
くりネットワーク21』『実践!作文研究』『議論批評研究会通信』
『メディアリテラシー教育研究会通信』編集主幹。
 著書・編著著に『見たこと作文でふしぎ発見』『作文指導10のコ
ツ』『作文指導20のネタ』『子どもを本好きにする読書指導50のコ
ツ』『「勉強嫌い」をなすく学習ゲーム入門』『教師のためのイン
ターネット仕事術』(以上、学事出版)、『授業でつかえる漢字遊
びベスト50』『実践・子どもウォッチング』(民衆社)、『総合的
な学習のための教育技術−調べ学習のコツと作文的方法−』(健学
社)他。

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−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

 アクセス数が2万5千を突破しました。今後ともよろしくお願い
します。
 
         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、本誌へ
 の感想をお待ちしています。
 本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
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