メールマガジン「実践!作文研究」
第39号(2000.10.22)


調べ学習に役立つ作文技術の情報誌
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第39号 2000年10月22日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第39号をお届けしま
す。
 今回取り上げる「見たこと作文」は、元小学校教師である本誌編
集主幹の上條晴夫氏が開発した作文指導システムです。
 このシステムで、子どもは「見たこと」を中心に作文を書きます。
 短くてもよいから(自学として)毎日書きます。
 教師は、子どもの作文に目を通し、いくつかを教室で読み聞かせ
します。そのうちクラスで一つテーマを決めて書きます。「たんぽ
ぽ」「くも」「かたつむり」等、学級全体で追究していきます。
 教室の中で、発見・交流・対決などが起こります。
 子どもたちは、よく見、よく聞き、よく調べるようになります。
 見たこと作文については、これまでも本誌で取り上げてきました。
今回は、卒業論文で見たこと作文の研究をしているという、岩手大
学の方に登場していただきました。

−−2.ゲストコーナー−−
                        岩手・大学生
                         若松由美子

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『見たこと作文』研究
     ―作文を取り入れた学級経営という観点から―
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 私は、卒論で「見たこと作文」の研究をしています。中学校一年
生の頃に受けた「ウォッチング」という作文授業(植物の文章スケ
ッチ)の面白さがずっと心に残っていて、作文指導の研究をしよう
と心に決めていました。そして、大学の講義で「見たこと作文」と
の運命的な出会いがあり、今まで研究を進めてきました。

 以下、その研究で発見した「見たこと作文」の魅力について、学
級経営という観点から2つ紹介したいと思います。

 発見1:仲間がいるからこそできる!
 私が思う「見たこと作文」の一番の魅力は、追究の過程で、クラ
スに「交流」が起こることです。作文が、自分や教師との語らいで
とどまることなく、クラスのみんなに向けて発信されます。それも、
個人的な体験を無理に告白するというのではなく、子どもたちひと
りひとりが積極的に「みんなに知らせたい!」という思いを持つこ
とができるのです。

 「たんぽぽのねっこは40センチもあるよ!」「ポストを開ける鍵
は一つだよ!」など、得意になって作文を書き、発見を教室に持ち
込みます。子どもたちの「知りたい!」という思いと、さらに「知
らせたい!」という思いが加わり、書く原動力となっているのです。
 「見たこと作文」の文献には、次のように「学級の変化」に関す
る記述が多く見られます。

・一人一人のよさを認め合える学級になっていく。認め合いは、学
 習の場だけでなく生活の場へも発展していく。
・何よりもクラス全体が盛り上がった。
 (見たこと作文研究会『「見たこと作文」でクラスが動く―「発
 見」から「追究」へ―』 より)

 これらの記述からも分かるように、「見たこと作文」は「仲間が
いるからこそできる」、学級の意味が見出せる実践なのです。

 発見2:子どもたちひとりひとりが主役になれる!
 実際に「見たこと作文」の追試を行った方にインタビューをする
機会があり、その中でとても印象に残っていることがあります。
「作文の苦手な子の変化はありましたか」という質問に対しての答
えです。それは、次のようなものでした。

 「この『見たこと作文』で一番変わるのが、作文が苦手な子や、
日常でもリーダー的存在でない子です。教師が誉めることで周りの
見方が変わるので、本人も変わるようです。自信がつき、授業での
発言が増えたり、行事のリーダーを進んで引き受けるようになった
子がいました。」

 やはり、最初から書くのが上手な子、というのはあるようです。
しかし、そういう子どもだけが誉められ、いつも主役とは限らない
のが「見たこと作文」の魅力です。どの子にも、「発見」のチャン
スがあり、どの子も誉めてあげられるのです。
作文という「知的な活動」によってひとりひとりが主役になれる。
これはすごいことだと思います。

〜作文授業「私は誰でしょう」の追試エピソード〜
 現在学生の私は、残念ながら「見たこと作文」の追試を行ったこ
とがありません。その代わり、去年、教育実習の期間を利用して上
條氏の作文「私は誰でしょう」(上條 晴夫『子どもが熱中する作
文指導20のネタ』学事出版)の追試を行いました。

「見たこと作文」の追試をするには、やはり自分の学級と、ある
程度の時間が必要です。しかし、この「私は誰でしょう」は、一時
間でも追試が可能です。 しかも、ものを「よく見て書く」という
「見たこと作文」のひとつの特徴を満たしているので、私にはピッ
タリの実践でした。

 私は3年生(小学校)のクラスでしたが、予想以上の盛り上がり
でした。やはり、始めは「作文」と聞いて、「エー!」と嫌そうな
顔もしました。が、「ものを見て問題を作る」という作業に抵抗感
も消え、クイズの出し合いでは大騒ぎになったほどです。その時の
作品を一つ紹介します。

 1.わたしは、長方形と丸いものがあります。
 2.いつもくっついています。
 3.黒板と大のなかよしです。
 4.先生はわたしをもって使います。 (答え…磁石)

 こうしてものの特徴を探す、そして1〜4の順番を考える。簡単
なようでいて、なかなか頭を使います。実際「わたしはきれいです」
「わたしはすてきです」など、見る力が足りずに特徴がぼやけてい
るもの、あるいは「わたしは花みたいです」と曖昧な表現のものが
出てくるなど、いくつか問題点が残ったところもあります。なぜそ
れでは不十分か、説明しきれなかったりもして、もっと時間があれ
ばなぁと、悔やまれました。

 それでも、子どもたちの「これが作文の勉強なのー?」「これだっ
たら好きー!」という声を聞けたことが一番の収穫だったように思
います。今後、機会があれば是非「見たこと作文」の追試をしてみ
たいです。

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
 http://www.jugyo.jp/sakubun/

○「見たこと作文への道」転載完了
 「鍛える国語教室」研究会札幌支部が、『礎石』という通信を発
行しています。この通信に昨年度、北海道十勝の小学校教師である
国友靖夫さんが、「見たこと作文への道」という連載を発表してい
ました。その連載を執筆者の承諾を得て、ホームページに転載しま
した。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/mitasaku/ronbun/kunitomo/
 『礎石』について興味を持たれた方は、メールでご連絡下さい。
こちらから発行者にメールを転送します。
 
         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、本誌へ
 の感想をお待ちしています。
 本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方は松田までご相談を。
○本誌への読者登録・解除・アドレス変更はこちらです。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ ID:0000023841
 「Pubzine」 http://www.pubzine/com/ ID:8460
 「melma!」 http://www.melma.com/ ID:m00014780
 「ココデ・メール」 http://mail.cocode.ne.jp/ ID:0700300256
 「macky!」 http://macky.nifty.com/ ID:23841
 「メルマガ天国」 http://melten.com/ ID:1930
 「E-Magazine」 http://www.emaga.com/ ID:sakubun
 「カプライト」 http://kapu.cplaza.ne.jp/ ID:851

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
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