メールマガジン「実践!作文研究」
第30号(2000.8.20)


論理的思考を鍛える「さくぶん情報誌」
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第30号 2000年8月20日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第30号をお届けしま
す。今回は、リレー連載「大学生に作文を教える」をお送りします。
なお、「大学生に作文を教える」のバックナンバーは、以下のペー
ジをご覧ください。

その1(第12号 2000.4.16発行)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/12.html
その2(第21号 2000.6.18発行)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/21.html

−−2.リレー連載・「大学生に作文を教える」−−
                   波多野ファミリスクール
                          奥泉 香

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        大学生に作文を教える  −その3−
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 大学生に論理的な文章を書く指導を行なっている。前回、前々回
と、その私の授業で学生に指導している書き方を紹介してきた。そ
の書き方で書くと、より論理的に頭が働きやすくなるような書き方
である。
 今回は、前回紹介した「問作り」をさらに論理的に進めることが
できる、次のような書き方を紹介する。

┌─────────────────────────────┐
│それは、引用して、引用の重要な点を確認する文を書く、である│
└─────────────────────────────┘

 前回同様、新聞の次の投書を例に使って、説明しよう。
その投書の内容とは、小学4年生の男の子がプラモデルの部品を買
いに行ったが、4円足りないために買えずに帰ってきたというもの
である。
 前回は、このような投書について自分の意見を述べさせる際には、
次のような書き方を指導していると紹介した。それは、冒頭の部分
で、論点を問の形で書かせるというものであった。具体的には、
「〜は〜なのだろうか。」という一文を書き入れさせるという指導
である。
 今回紹介するのは、その問の直前の文の指導である。問の前に、
1「引用」と2「その引用の重要な点を読者に向けて確認する文」
を書かせる指導である。
 先の投書を使って、具体的に説明してみよう。先のような投書を
読んで自分の意見の論点を問の形で書かせると、多くの学生は、次
のような問を書く。

┌─────────────────────────────┐
|・店主は、不足金を貸してあげるべきだったのだろうか。   |
|・子どもの母親は、店主に文句を言う必要があったのだろうか。|
└─────────────────────────────┘

 このような問でも、書いてないよりはましである。この問が書け
たことにより、その学生は、思いついたことを思いついた順にとり
とめなく書かなくなるからである。

 しかし、この問では、まだ粗い。この問とそれに対する答えの理
由を書こうとすると、焦点がまだ絞りきれないことがわかる。
 店主が貸してあげるべきだったかどうかの理由も、母親が文句を
言う必要があったかどうかの理由も、まだどう切り込んだらいいの
か、書き手にこの時点で見えてこないからである。
そこで、この問の前に次のような文章を書かせるのだ。

┌──────────────────────────────┐
│ この母親は、次のように述べている。            |
|「4円ぐらい、貸してくれたっていいんじゃないですか。」   |
|「ぐらい」と、この母親は不足金を軽く考えていることがわかる。|
| このように、母親が不足金を軽く考えてよいのだろうか。   |
| いや、よいはずがない。                  │
└──────────────────────────────┘

上記の第2文が、「引用」である。そして、第3文が、「引用の
重要な点を確認する文」である。「ぐらい」という語を受けて、
「重要な点」を読者に向けて確認している。
 この引用、そしてその確認の文を書かせることにより、その後に
続く理由(論証)の文章が、かなり焦点の絞れたものになる。例え
ば上記の問、答えについての理由を書こうとすると、母親がこのよ
うな考えでいるとなぜまずいかを述べればいいことがわかる。この
ように、書きながら、次に何を書くべきなのかがみえる状態に導く
書き方の指導が必要なのである。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 奥泉 香(おくいずみ かおり)
 一週間の半分を、財団法人波多野ファミリスクールで小学生に作
文指導を、残りの半分を、大学や専門学校で論理学や国語を担当し
ている。大学院では、教育哲学を専攻。ことばと思考の関係が研究
テーマ。

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−

 当マガジン第27号の「作文教育活性化のための5つの提言」を
トップページからワンクリックで読めるようにしました。
http://www.jugyo.jp/sakubun/treatise/proposal.html

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

○作文に関する情報や、本誌への感想をお待ちしています。
 本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方は松田までご相談を。
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 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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