メールマガジン「実践!作文研究」
第25号(2000.7.16)


論理的思考を鍛える「さくぶん情報誌」
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第25号 2000年7月16日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。「実践!作文研究」第25号をお届けしま
す。今回は、「作文道場」という塾を主宰していらっしゃる、坂口
允史氏より「書ける子書けない子」をご寄稿いただきました。ぜひ
HP【作文道場−「光る文章」講座−】もご覧ください。

 http://www.dohjoh.com/

         ◆     ◆     ◆

−−2.書ける子書けない子−−
                      「作文道場」主宰
                          坂口允史

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「書ける子書けない子」
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1.塾の哀歓

 作文をさせる上で最も苦労するのは、書けない、あるいは、書か
ない子に、どうやって書かせるかである。
 これを学校ではどうやっているのだろうかと、ふと思うことがあ
る。学校では「書かないのなら仕方がない」というところかもしれ
ない。あるいは、「書くまで待とうホトトギス」というところであ
ろうか。しかし、塾ではあきらめるわけにも、のん気に待っている
わけにもいかない。1か月も待っているようでは報酬を受け取るわ
けにはいかず、それが過半の生徒に及ぶようなら看板を降ろさなけ
ればならない。そこで、「書かせてみようホトトギス」とばかりに
いろいろ工夫をし、試行錯誤を重ねることにもなる。忍耐がいる。
「殺してしまえ」と、無理心中を図りたくなる時もある。その一方
で、書かなかった子が「読めるもの」を書いたときには、霧が晴れ
るような爽快感を味わう。
 今日はそのあたりのことを少しお話させていただこうと思う。

2.普通の子

 通例、新入生には学年を問わず、まず、自分が好きでやっている
ことを書いてもらう。例えば、野球やサッカー、テレビゲーム、飼
っている動物などについてである。好きなことなら書けるだろうと
の目論見である。とにかく、最初は何であれ、まず書いてもらう。
その上で、主語・述語、5W1H、句読点、原稿用紙の使い方等、
内容から形式へと進む。
 続いて、運動会や遠足等の学校行事、家族旅行や地域活動等があ
れば、その都度それらを題材にする。ただし、何か月かの間には材
料が不足してくる。そこで、次のような項目を用意しておいて、材
料集めにかかる。

┌────────────────────────────┐
│ あの日あの時                     │
│                            │
│  1.「きれいだな」                 │
│  2.「うれしいな」                 │
│  3.「くやしいな」                 │
│  4.「こまったな」                 │
│  5.「ゆかいだな」                 │
│  6.「おどろいた」                 │
│  7.……                      │
└────────────────────────────┘

 生徒たちはこのそれぞれについて、いつ、どこで、何があったか
を2つか3つずつメモふうに書いておく。思い出すという作業は頭
の体操にいいようである。それはともかく、こうしておけば材料探
しで時間を空費することがなくなり、ストックも3か月から半年は
もつ。

3.書ける子

 「読める作文」が書けるようになり、直すところが少なくなって
くると、書くことに単調さも生じる。そんな気配が察せられると、
書いた作品をもとに「七・五の四行詩」や「理科作文」、「社会科
作文」に進ませる。
 これらについては、若干の作品を別途ご覧いただくことにして、
機会があれば稿を改めたい。

4.書けない子

 さて、問題はこれらの仕掛けをしても書けない子がいる場合であ
る。
 当初は、いわゆる名作をなぞらせたり、同年齢の他の子の作文を
書き写させたりしていた。しかし、これでは自己を表出できない。
 ある時、日記ふうになら書けるのではないかと考え、「きのうあ
ったこと」という題を課してみた。「朝は何時に起きて、何時に寝
たか。朝食には何を食べたか。学校へはどこを通って行ったか。1
時間目は何を勉強したか。……。給食には何が出たか。昼休みには
何をして遊んだか。午後は……。家に帰って何をしたか。夕食は…
…。……」等々、メモでよいから書いてみるよう指示する。たいて
いは、これなら書ける。それでも書けない子には、起床時間から順
に1つずつ聞き出していく。2度目からはメモ程度なら書けるよう
になる。そして、その中に変わった出来事や遊びでもあれば、そこ
に焦点を合わせ、改めて話を聞き出す。
 こうして、何を書けばよいかが分かれば、どんな子の筆も動き出
す。それが「読める」作品の方向へ進むかどうかは、双方の根気次
第である。

5.結びに代えて

 作品例を交えて書こうとしたが、かなりのページ数を要する。こ
のため、実践例や若干の作品については、わがホームページでご覧
願いたい。

 ◎ 作文道場 − http://www.dohjoh.com/

 ○ 書けなかった子が書けるようになった実践例
   (「勇樹くんの作文みるみる上達記」)
       http://www.dohjoh.com/newpage24.htm
 ○「七・五の四行詩」「理科作文」「社会科作文」
       http://www.dohjoh.com/newpage6.htm

 ごゆっくり、どうぞ。

【今回の執筆者のプロフィールです】

坂口 允史(さかぐち まさふみ)
 昭和16年(1941年)和歌山県に生まれる。
 学習誌の編集に携わった後、塾を経営、平成6年3月に
「作文道場」を設立、現在に至る。
 著書:『論作文の奥義』、『作文の極意』

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−

 8月9〜11日、東京・こまばナミエースにおいて、
「授業づくりネットワーク東京2000」
 という研究会が開催されます。
 当MMの編集同人で「家庭向け“ほめ上手”のすすめ」を連載中
の、石井 淳さん(秋田・小学校)も、
「調べ学習が楽しくなる作文講座」
という体験講座の講師として登場します。
 この研究会の案内を「実践!作文研究」のトップページからリン
クしましたので、ぜひご覧ください。

 http://www.jugyo.jp/sakubun/

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

○作文に関する情報・感想等をお待ちしています。感想等は本紙や
 WEBサイトで紹介させていただきくことがあります。
○無断転載をお断りします。転載希望の方はメールでご相談を。
○本誌への読者登録・解除・アドレス変更はこちら。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/
○本誌は『まぐまぐ』を利用して発行しています。
 『ウィークリーまぐまぐ』の登録・解除等はこちら。
 http://www.kaijo.com

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
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