メールマガジン「実践!作文研究」
第243号(2004.10.3)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第243号 2004年10月3日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、峰本義明さんによる「高校での作文指導」をお送りしま
す。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「高校での作文指導」−−
                        新潟県・高校
                          峰本義明

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     第4回 マップを使って論理的に作文を書こう
     − 作文の構成を考える時にマップを使う −
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■ はじめに

 楢原中学校の池田修先生は、作文を書くことについて有名な(?)
定義を述べています。
 「作文は料理に似ている」

 私たちが料理する際には、おおむね以下の過程をたどります。
  (1) 素材を用意する
  (2) その素材を手順通りに調理する
  (3) おいしく見えるように盛りつける

 作文もまさにその通りの過程をたどることが必要です。つまり、
  (1) 書こうとするテーマについての素材を用意する
  (2) 自分の考えを効果的に書き表すように構成を考える
  (3) 清書し推敲する
というものです。

 前回では、この(1)「書こうとするテーマについての素材を用意す
る」ことにマップは効果的であると述べました。今回は、(2)の「自
分の考えを効果的に書き表すように構成を考える」ことについても、
マップは効果的であることを紹介します。

■ 構成を考える時にマップを使おう

 前回紹介したマップには、作文のための素材が書き出されていま
す。しかし、素材だけでは作文は書けません。次に必要なのは、こ
の素材のどれを使うかという判断と、どのように配置するかという
判断です。

 まず、素材の取捨選択です。先のマップを眺めてみましょう。書
き出された1つ1つの単語を見ながら、これは使えるかどうか、と
検討していきます。そして、使える単語を丸で囲ったりして、自分
が書こうとしている作文にふさわしい素材を選択していきます。こ
の際に足りないと分かった素材や新たに思い浮かんだ素材があれば
書き加えていきます。この自由さがマップのよいところです。

 次に、素材の配置、つまり作文の構成です。作文の構成には多く
の型がありますが、自分の意見を主張する文章の場合、序論・本論
・結論の3部構成でまとめるとよいでしょう。市毛勝雄先生の用語
を使えば、はじめ・なか・まとめ(・おわり)とも言えます。

 構成を考える際には、別のマップを書くとよいです。先に書いた
マップはあくまでこれから書こうとする文章の素材集のようなもの
です。文章構成を考える際はこのマップに書き加えるのではなく、
別の用紙に新たにマップを書いた方がよいでしょう。マップは1つ
書けば完成、というものではありません。自分自身の、その文章に
対するイメージを固めるためにも、マップは何度か書き直した方が
よいです。

 ここでは1つのやり方を例示します。白紙を用意し、先に素材を
書き出したマップから選んだこの作文のテーマを紙の中央に書きま
す。そこから3本の線を伸ばして、その先に「序論」「本論」「結
論」という語を書きます。その語の周囲に、先のマップで選んでお
いた語句をそれぞれの使おうとする位置に書き写します。ただし
「本論」の部分はそこからさらに「本論1」「本論2」…と分岐さ
せ、そこに素材の単語を置いていきます。

 このマップ(構成マップといいます)を元に作文を書いていきま
す。「序論」「本論1」「本論2」…「結論」のそれぞれから分岐
している枝の内容を1つの段落(パラグラフ)に落としていきます。
1つの段落には1つのテーマに関することだけを書く、というのが
原則です。これを守ることで、言いたいことがはっきりした作文が
書けるでしょう。

■ マップの他の利用例

 マップとは自分の頭の中の、ある事柄に関連した概念群を1枚の
紙の上に書き出すことで、それを可視化させるものです。頭の中だ
けで考えていると次々に浮かんでは消えていく概念を目に見える形
にすることで、自分自身が確認することができます。さらに、その
書き出された概念同士をいろいろとつなげてみることによって、新
たな関連性を見いだして新たな発想を引き出すためのものです。し
たがって、そうした活動が要求されるものでしたら何にでも応用可
能です。

 例えば、スピーチの原稿作成、インタビューのメモなどはすぐに
思いつきます。他に、小説教材や評論教材を読解させた後で、その
内容について整理させる際にもマップは使えます。この際、教材の
内容ばかりでなく、自分の考えも入れるとさらに豊かな読み取りが
できます。

 私は新潟県立教育センターでの国語科教員研修において、このマ
ップを使った授業計画案を受講者に作っていただきました。マップ
は指導案を作成する際にも効果的です。

 実は、私が研修でマップを採用するのは、マップを書くことによ
って教員自身の情報活用能力を伸ばすことができると考えているか
らです。これまでの実践、及び受講者へのアンケートの分析によっ
て、マップは情報活用能力の育成に有効なことがわかってきました。
今後もマップを活用した国語科指導について実践・考察を深めてい
きたいと考えています。

■ 参照

 マップによる指導案の作例、またマップが情報活用能力の育成に
有効であることについては、以下をご参照ください。
○指導案の作例:新潟県立教育センターのHP
 http://www.nipec.niigata.niigata.jp/sozai-kyouzai/
  上記URL中の「画像・素材アーカイブス」内の「単元構想マップ
  集」参照
○情報活用能力育成への有効性:私のHP
 http://homepage.mac.com/beulah/kokugo/
  上記HP内に、私が日本教育工学会で発表した論文を収録して
  おきます。
※下記の、向後千春先生(早稲田大)のWeb教材は、作文に関して
「目からウロコ」の連続です。お勧めです。
 http://kogolab.jp/elearn/hyogen2000/index.html

【今回の執筆者のプロフィールです】

 峰本 義明(みねもと よしあき)

 新潟県立新潟高等学校教諭
 (前 新潟県立教育センター指導主事)

 教育センターから久しぶりに現場に戻り、高校生に作文を取り入
れた授業を行おうと奮闘中。同時に、放送大学大学院に所属し、
「情報教育の観点を踏まえた国語教育のあり方」をテーマに修士論
文の執筆に悪戦苦闘中。

○共著書『「朝の読書」がもっと楽しくなるアイディア集』
 (メーリングリストでつながる「朝の読書」の項執筆)
 2001.10 林公推薦 穴見嘉秀編著 学事出版
○『MESE研修会レポート』
 2000.12 「学習ゲーム研究会」情報誌『m-age』MM版No.24
http://homepage.mac.com/nsanai/024.html

ホームページ:http://homepage.mac.com/beulah/kokugo/
    (blogによる授業日誌を公開中)

(「聖書の福音」もどうぞ。http://www1.linkclub.or.jp/~beulah/

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○次号は、伊達木新子さんの登場です。お楽しみに。
○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。ぜひ本誌
 をお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
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○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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メールマガジン「実践!作文研究」No.243 2004/10/3 読者数2111
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2004 実践!作文研究会
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