メールマガジン「実践!作文研究」
第231号(2004.7.11)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第231号 2004年7月11日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、石川 晋さんの連載「簡単!中学校作文授業入門」第3
回「定期テストに視写を」をお送りします。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「簡単!中学校作文授業入門」−−

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簡単!中学校作文授業入門 その3
  「定期テストに視写を」
            広尾町立広尾中学校教諭   石川 晋
                      zvn06113@nifty.com
            http://homepage1.nifty.com/maru-shin/
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1.授業の流れ

┌────────────────────────────┐
|1 中間・期末テスト(定期テスト)の中で、問題文として取|
|  り上げている説明文や物語文の中から、いくつかの文ある|
|  いは段落を指定して視写をさせる。          |
|2 5点程度の配点をし、原則として中間点を認めない。  |
└────────────────────────────┘

2.視写に取り組ませる

 視写は青木幹勇氏の『第三の書く』(国土社)の中でその方法と
教育的意義を明らかにしておられる。例えば、所収されている有名
な「『第三の書く』とその体系化」の表では、「視写」を「基礎」
として位置づけている。これは「書き慣れる」「速く書ける」とい
った「書くこと」の「基礎」というだけでなく、「確かな読み」を
支える「基礎」であるとしている。
 ところで、青木氏は、小学校高学年でクラス平均分速で、25字
〜30字くらいが目標になると述べておられる。私はこの数年間毎
年中学校1年生の国語を指導しているが、最初の段階でこの基準を
満たす学級は全くないと断言できる。今年度担当している1年生2
学級の生徒も同様で、1分間に10文字以下しか書けない生徒が学
級の半数を超えている。書いては消し、書いては消しし一向に進ま
ない生徒も少なからずいる。当然のことながら、「読み」もひどい。
したがって、私の場合は、中1の最初の1ヶ月の国語指導では毎時
間視写に取り組ませることにしている。
 私がはじめて視写に真剣に取り組むようになったのは、教師にな
って2校目の大規模校である。それまでの小規模校での国語の授業
では、生徒の書く速さの違いをそれほど意識していなかった。しか
し、大規模校で40人の生徒を前にして国語の授業を進めて行く中
で、初めて、書く速さの違いが一斉授業にもたらす深刻な状況に直
面したわけである。
 教科書に載っている標準的な詩、例えば谷川俊太郎氏の「春に」
を全文視写させたとする。そうすると、速い生徒は10分以内で書
き上げる。しかし遅い生徒は50分授業の大半を使ってやっと書き
上げる有様なのである。これは、平素の授業の中でノートを取った
りする活動の場面でも深刻な差を生み出すものである。
 実は初めて取り組んだ頃、視写のような単調で地味な活動を生徒
は嫌がるだろうと思っていた。しかし、これは全く違った。時間と
時数を設定すると(中学校1年生で最初は200字を12分。その
後、200字を5分程度まで目標設定を上げていく)、生徒は嬉々
として取り組む。学習に明確な目標意識を設定することで、学習意
欲が飛躍的な高まる好例だと私は考えている。

3.視写を定期テストに取り入れることの勧め

 さて、このようにして取り組んできた視写は、ぜひ定期テストに
出したい。最初に書いたような、ごくシンプルな方法で視写をさせ
るだけである。解答用紙には原稿用紙と同じマス目を必要数用意し
ておけばよい。平素の授業と違って、視写単体の時間設定はしない
が、正しく書き写せばいいだけなのであるから、どの生徒も取り組
んでくる。実は毎回テストに出すことで、視写の精度はぐんぐん高
まる。
 今年度の中学校2年生の最初の定期テストにも視写の問題を出し
た(説明文、3つの文、約200字)この生徒たちは、1年生の最
初のテストで同様の分量で正解者が半数程度であった。今回は84
名中正しく視写できなかった生徒は8名だけである。
 中学校では、絶対評価になってもなお、子供たちの心の中を占め
る定期テストの位置づけは大きい。定期テストには、テーマを設定
して論述させる「作文」などの出題は、採点基準の設定が難しい
(にも関わらずよく出題されているのを見る)。「視写」を設問の
一つとして取り入れてはいかがだろうか。

【今回の執筆者のプロフィールです】

石川 晋(いしかわ しん)
    北海道・広尾町立広尾中学校教諭
    日本児童文学者協会会員
    学校図書館に人を・・・情報誌「ぱっちわーく」発行同人
    教育サークル「ぱいおにあ」代表
    『授業づくりネットワーク』編集委員

       ◆       ◆       ◆

−−3.研究会情報−−
┌────────────────────────────┐
|      授業づくりネットワーク 千葉2004      |
|     〜『確かな学力』を育てる授業づくり〜     |
|日時:8月7日(土)〜8日(日)            |
|場所:市川グランドホテル                |
|主催:授業づくりネットワーク              |
|詳細:http://www.jugyo.jp/yotei/2004natu.html      |
└────────────────────────────┘

−−4.編集後記−−

○次号は、中村健一さんの登場です。お楽しみに。
○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。ぜひ本誌
 をお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
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○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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(C) 2000,2004 実践!作文研究会
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