メールマガジン「実践!作文研究」
第23号(2000.7.2)


論理的思考を鍛える「さくぶん情報誌」
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第23号 2000年7月2日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 こんにちは。「実践!作文研究」第23号をお送りします。今回
は、池内 清さんの「作文キーワード事典」が久々の登場です。私
も、作文指導ではよくナンバリングの手法を利用します。ぜひ皆さ
んも、ナンバリングの手法を使って、「作文キーワード事典」にも
「実践!作文研究」にも、ご意見をお寄せください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載・「作文キーワード事典」−−
                        東京・小学校
                          池内 清

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作文キーワード事典 第五回

   【ナンバリング】・・・番号をつけて書く
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■ナンバリングとは何か

 ナンバリングとは、「主張に通し番号をつけることである。」上
條晴夫著「中高校生のためのやさしいディベート入門」(学事出
版)とある。ディベートの立論を書くときによく使われる言葉であ
る。
 ディベートに限らず、あるまとまった考えや手順に番号をつけ、
整理する書き方をナンバリングすると言ってよい。
 ディベートの立論を例にとると、以下のようである。
┌────────────────────────────┐
│ メリットは次の2つです。               │
│ 第1のメリットは、・・・。              │
│ 第2のメリットは、・・・。              │
└────────────────────────────┘
 ナンバリングは文章のはじめが数字で始まる。時として、無骨な
印象を与えかねない。また、「まず」「次に」「そして」という書
き方もある。
 しかし、ナンバリングをすると、この場合、以下の2つの効果を
得ることができる。
 
 1)論点の数が明示される。
 2)数字を使うことによって論点を視覚的にとらえることができ
る。

■ナンバリングの作文指導

 ナンバリングの作文指導は、新しいようで古い。ナンバリングと
いう言葉は教室ディベートが普及するとともに、その立論指導の過
程で普及した。
 しかし、私が知っている限りでは、国分一太郎著「新しい綴方教
室」(新評論版・昭和27年)に、ナンバリングの言葉こそないが、
以下のように、ナンバリングと同様な記述がある。
┌────────────────────────────┐
│ 「すっきりした文をかかせるために」          │
│(8)箇条書きか、数節にわけて文をかくことにもなれさせよ│
│    う。                      │
│ (前略)1234の番号をつけてかいたり、長い文章を一、│
│ 二、三とわけてかいたり、(後略)           │
└────────────────────────────┘
これは、まさしくナンバリングの指導である。
 また、同著者「みんなの綴方教室」(新評論版・1973年)の中に
は、次の「三つある方式」の授業実践例がある。
 以下、簡単に紹介する。
┌────────────────────────────┐
│「わたしのくせ」と題を書く               │
│ 「わたしにはわるいくせが三つある。」と「書き出し」の文 │
│を書く。                        │
│「なにをすること」「なにをすること」「なにをすること」 │
│と、そのくせを三つ書く。                │
│ 第一のくせは、・・・。(くわしい説明をする)     │
│ 第二のくせは、・・・。(くわしい説明をする)     │
│ 第三のくせは、・・・。(くわしい説明をする)     │
└────────────────────────────┘
 国分一太郎氏はこれを「構成・構想の指導」の中で行う。くせご
とに段落をつけさせることによって、段落指導をし、文章が視覚的
に読めるようになる。
 
 最近では、上條晴夫氏の一連の作文指導の著書にナンバリングを
使った指導が見られる。
 例えば、上條晴夫著「作文指導20のネタ」(学事出版・1992
年)における「発見作文」の授業である。
 簡単に紹介する。
┌────────────────────────────┐
│ ビデオを見て、気づいたこと・考えたことを書く     │
│ ○つある。                      │
│ 一つ目は、-------------------である。        │
│ (考えたこと)                    │
│ 二つ目は、-------------------である。        │
│ (考えたこと)                    │
│  ・                         │
│  ・                         │
│  ・                         │
│(終わりに、感想をズバリと書く。)           │
└────────────────────────────┘
 ただ、上條氏は、この実践をナンバリングの指導として行ってい
るのではない。
 このようにナンバリングをすることを通して、子ども達は気づい
たことを列挙するようになる。
 そうすると、子ども達は自然に分析的にものをみるようになる。
 そうすると、列挙した考えをもとに、子ども達は自ら、深い考察
をするようになる。
 ナンバリングを使った、発展した作文授業である。
 
■ワンポイントレッスン
 
 今回の作文キーワード事典を読み、以下の書式を使い、作文をし
てください。
┌────────────────────────────┐
│ 今回の作文キーワード事典は(  )である。      │
│ どうしてかというと、理由は(  )つある。      │
│ 1つ目は、・・・。                  │
│  (かんたんな説明)                 │
│ 2つ目は、・・・。                  │
│  (かんたんな説明)                 │
│  ・                         │
│  ・                         │
│  ・                         │
└────────────────────────────┘
 はじめの1文目の( )には評価の数字が入ります。通信簿の5
段階評価と考えてください。3が「普通」で、「とってもよい」が
5、「まだまだがんばれ」が1です。
 2文目の( )には次に続く、理由の数が入ります。

■解答例

 省略

■解説
  
 原実践は上條晴夫氏の「授業感想文」である。上條晴夫著「作文
指導10のコツ」(学事出版)に詳しい。「3つある方式」の応用
でもある。
 授業の終わりの短い時間に子ども達に書いてもらう。
 上條氏は前掲著でこの授業感想文のメリットを次の3点あげてい
る。 

 1)だれでも書ける。
 2)結果を数量的につかめる。
 3)授業に対する不満が分かる。

 ただ、「おもしろくないなってことを書く時も、あまりバーンっ
て書かないで、少し控えめに書くっていうのかな。そういう配慮を
して下さい。」と子ども達に言い、「直接的な授業批判は書かない
でほしい」とお願いをしている。
 子ども達にナンバリングを使って書く力を養うと同時に、自分の
授業改善を促す、優れた実践である。

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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。   
 池内 清 ikeuchi@air.linkclub.or.jp           
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【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数

         ◆     ◆     ◆

−−3.編集後記−−

 今回、私(松田)のパソコンのOSが起動しなくなり、定時に発
行できるかどうか焦りましたが、再インストールをして何とか復旧
したので発行できました。次回もお楽しみに。

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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