メールマガジン「実践!作文研究」
第226号(2004.6.6)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第226号 2004年6月6日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、峰本義明さんによる「高校での作文指導」をお送りしま
す。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「高校での作文指導」−−
                        新潟県・高校
                          峰本義明

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     第2回 電子掲示板を使って「句会」を開こう
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■ はじめに

 生徒に短歌や俳句を作らせるという授業は、多くの方が行ってい
ると思います。そして、生徒の作品を教師がワープロ等で打ち直し、
印刷して生徒に配布し、良いと思う作品を投票させる、という展開
をすることもあるでしょう。

 こんな時、「句会」をやってみませんか。授業で句会を開くこと
には、次のメリットがあります。
┌────────────────────────────┐
|1.生徒同士の作品鑑賞にゲーム形式を導入でき、教室が活発|
| になる。                       |
|2.生徒による鑑賞文を教材にして、生徒同士の意見交換を促|
| すことができる。                   |
└────────────────────────────┘

■ 教室「句会」の実践例

 新潟県立教育センターでの実践研究として、ある高校の先生がこ
の句会を実践しました。以下のような展開でした。
┌────────────────────────────┐
|1【投句】  季語集を生徒に配布し、それを参照させて俳句|
| を一人二句作らせ、提出させる。教師は投句された俳句を順|
| 不同で一覧にして、連番を振る。            |
|                            |
|2【選句】  配布された俳句の一覧を鑑賞し、生徒に一番良|
| いと思った句(特選句)一句と次に良いと思った句(並選句|
| 二句を選ばせ、特選句に対しての感想ないし批評を書く。 |
|                            |
|3【披講】  特選句は+2、並選句は+1として、各句ごと|
| に点数を集計する。高得点の句に対する感想ないし批評を読|
| み合い、生徒全員でさらに批評する(この時、作者もそ知ら|
| ぬ顔で批評に加わるとおもしろい)。          |
|                            |
|4 最後に作者に名乗り出てもらい、みんなで讃え合う。  |
└────────────────────────────┘

 私はこの授業での披講の場面を見学しました。先生は実際の句会
さながら、机を教室の中心に向けさせ、お互いの顔が見えるように
していました。そして、高得点を獲得した句の批評文を印刷したプ
リントを配り、批評者に発表させてから、その批評が妥当がどうか
を教室全体で討論させました。最後に、その句の作者を名乗らせま
した。大変周到に準備された授業でした。この努力が実を結び、こ
の句会は大変充実したものとなりました。

 高得点を上げた生徒の作品を2つ紹介します。

  悲しみは 隣の庭の 石榴ほど
  青空と 黄色い帽子と 桜の花

 この授業の報告書は新潟県立教育センターのホームページで見る
ことができます(pdfファイル)。
 新潟県立教育センター 「授業改善を目指す実践研究」
  http://www.nipec.niigata.niigata.jp/kyouiku-db/jissen/
 上記ページ内の「俳句を軸とした、心を豊にし、表現力をつける
授業」です。

■ 電子掲示板上で「句会」を開く

 私は、この句会の形式を知ったとき、「これはネット上の電子掲
示板で展開できる」と思いました。電子掲示板の特長は、書き込ま
れたメッセージに対して他の参加者がコメントを書き足すことがで
きる、という点です。電子掲示板を介して参加者同士が意見交換を
行うことができます。

 授業というものはついつい教師からの一方通行になりがちなもの
です。生徒全員が意見交換に参加して、自分の意見を自由に発言で
きる場を設けることは容易ではありません。しかし、電子掲示板を
活用すると、生徒全員の意見交換を図ることが可能になります。

 私は教員研修で、高校国語科の先生方を対象に電子掲示板を使っ
た句会を行いました。参加者は事前に決めたお題(「夏休み」や
「体育祭」など)に沿って俳句を作り、電子掲示板に投句します。
そして、投句された俳句に対して参加者同士で自由にコメントをつ
け合い、意見交換をします。実施したところ、意見が活発に書き込
まれた時間となりました。

 この電子掲示板を授業で使う際には、以下の注意が必要です。
┌────────────────────────────┐
|1.電子掲示板にアクセスできる者は自校の生徒のみとする。|
|2.生徒にネチケットをよく教えておき、他人の意見に対して|
| 中傷などを書かないようにさせる。           |
|3.回線が、参加する生徒全員がアクセスしてもパンクしない|
| かどうか、事前に確認する。              |
└────────────────────────────┘

■ 電子掲示板利用のヴァリエーション

 この電子掲示板は生徒同士に意見交流をさせたいという場合には、
どんな教材であっても活用できます。たとえば、ある文章を読んだ
後の感想を交流させる、行事作文を読み合わさせる、などです。幅
広く応用の利く方法だと思います。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 峰本 義明(みねもと よしあき)

 新潟県立新潟高等学校教諭
 (前 新潟県立教育センター指導主事)

 教育センターから久しぶりに現場に戻り、高校生に作文を取り入
れた授業を行おうと奮闘中。同時に、放送大学大学院に所属し、
「情報教育の観点を踏まえた国語教育のあり方」をテーマに修士論
文の執筆に悪戦苦闘中。

○共著書『「朝の読書」がもっと楽しくなるアイディア集』
 (メーリングリストでつながる「朝の読書」の項執筆)
 2001.10 林公推薦 穴見嘉秀編著 学事出版
○『MESE研修会レポート』
 2000.12 「学習ゲーム研究会」情報誌『m-age』MM版No.24
http://homepage.mac.com/nsanai/024.html

ホームページ:http://homepage.mac.com/beulah/kokugo/

(「聖書の福音」もどうぞ。http://www1.linkclub.or.jp/~beulah/

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○次号は、伊達木新子さんの登場です。お楽しみに。
○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。ぜひ本誌
 をお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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メールマガジン「実践!作文研究」No.226 2004/6/6 読者数2170
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2004 実践!作文研究会
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