メールマガジン「実践!作文研究」
第225号(2004.5.30)


学力問題としての作文教育を考える
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 メールマガジン「実践!作文研究」
 第225号 2004年5月30日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、上條晴夫さんによる「入門期指導に学ぶ」をお送りしま
す。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.入門期指導に学ぶ−−
                 「実践!作文研究」編集主幹
                          上條晴夫

■入門期指導とは

 作文指導には「入門期指導」という独特の用語がある。
 たとえば、藤原宏・長谷川孝士・八田洋彌編著『小学校作文指導
実践事典』(教育出版・1982)は次のように説明する。

「現在の小学生は、かなりの文字を覚えて入学します。しかし、い
きなり作文指導を始めても、間違いが多いし、『想』のつながらな
い作文となってしまいます。入門期では、口頭による作文を重視し
て、例文にならい、何でも素直に表現することが大切です」

 入門期指導には、「絵を見せて、見たことを正確に主述を整えて
話ができるようにする」指導、「簡単な文を視写させたり、聴写さ
せたりする」指導、「『○○さん、あのね』と書き出しを与えて書
かせる」指導などがある。

■新しい入門期指導を工夫する

 こうした入門期指導の一つとして、わたしは「五七五作文」とい
う手法をよく紹介する。先日も、四月から教えはじめた、大学の
「国語科指導法」の最初の講義で、大学生に、この「五七五作文」
を体験してもらった。
 五七五作文とは、およそ以下のような指導である。

 もともとは川柳などの指導法として使うもので、教師が「昨日何
をして遊びましたか?」「テレビ番組では何が好きですか?」「い
ちばんの宝物は何ですか?」のような質問をする。これに対し、子
どもたちが「友だちと/ピアノレッスン/3時間」のように五・七・
五の答えを書いて発表する。

 これは普通の「五七五」と比べ、教える側が「テーマ(話題)」
を与えているので書くのが少し楽である。内容(答え)にだけエネ
ルギーを集中することができるからである。前述「『○○さん、あ
のね』と書き出しを与えて書かせる」指導でも、学校で教師がした
こと(EX:宝物を見せる・花びんに花を飾る…)をお母さんに知
らせる作文を書かせる」というふうに「テーマ(話題)」を設定し
て書かせることが多い。その工夫と同じである。

 講義では、発表の仕方をあれこれ工夫して楽しんだ。
 1)教師が聞いて学生が答える。
 2)ペアになって聞き合う。
 3)グループ発表する。
 
  発表の仕方で発表の楽しさも変わってくる。教師との一問一答で
は言葉をかけるのは教師だけだが、ペアで行う場合は、友だちから
の言葉かけが得られるからである。また、グループで行うと、複数
の友だちからの言葉かけを得ることができる。その反応が「書く楽
しさ」を育てることになる。

 こうした「入門期指導」には、作文教育を行う上で、様々な学ぶ
べき点が、ある。あれこれの技術的なトピックを教えることももち
ろん大事だが、こうした作文指導の前提となる「入門期指導」は、
それ以上に大事だと考える。(英語教育などでも、「入門期指導の
重要性」が言われているようだ)

 ところが、こうした「五七五作文」をベーシックな作文指導の一
つとして紹介しても、「入門期」(作文の入り口)の指導とは考え
ずに、「俳句・短歌」の指導と読み変えてしまう方が少なくない。
作文指導とは「文章の書き方のタイプを教える」ことであると、考
える人が多いためだろうか。

■中高校生のための入門期指導を

 入門期指導は、一般に文字を習い始める小学1年生の指導である。
 しかし、作文指導では、小学1年生だけでなく、中学生や高校生
が作文・小論文を書き始める際の「作文の入り口」の指導として重
要である。もっともっと中高校生のための「入門期指導」が工夫さ
れてよいだろう。

 以前、高校生の書いた小論文の束を見せてもらったことがある。
形式は確かに「小論文」だが、まるで伝える意識のない抜け殻のよ
うな文章ばかりで暗澹とした。作文・小論文において技術的指導が
着目をされ始めているのはよい傾向である。が、同時に入門期指導
の考えがもっと広がるとよい。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 上條晴夫(かみじょう はるお)

 授業づくりネットワーク代表、埼玉大学非常勤講師。
 現在、「実践!作文研究会」代表、「ビジネスのための文章表現
養成講座」を実施するほか、企業その他で、文章上達講座を実施す
る。また、「ベネッセコーポレーション」進研ゼミの「作文教材」
(小1〜中3)の監修・協力などをつとめる。
 著書・編著書
 『見たこと作文でふしぎ発見』
 『書けない子をなくす作文指導10のコツ』
 『子どもが熱中する作文指導20のネタ』
        (以上、学事出版 http://www.gakuji.co.jp/
 『楽しく書ける作文・小論文(入門編)』*教材
 『楽しく書ける作文・小論文(基本編)』*教材
          (桐原書店 http://www.kirihara.co.jp/
 『文章を上手につくる技術』
            (あさ出版 http://www.asa21.com/
 ほか多数。

       ◆       ◆       ◆

−−3.メルマガ相互広告−−

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無料メールマガジン【乳幼児家庭教育講座 乳幼児教育のすすめ】

乳幼児期の心の教育や知育について2000名を超える実践を通じ
て得たノウハウを公開します。優しくてたくましい子の育て方、幼
児のうちに本を読めるようにする方法> など家庭で出来る具体的方
法や工夫例をご紹介します。
お申し込みは
  ⇒ http://www1.odn.ne.jp/~cak74990/mail%20magazine.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

--[PR]------------------------------------------------------
保護者の方に。学校の先生に。作文教育に。インターネット教育に。
 ┌───────────┐
 │学級メルマガを作ろう!│→ http://www.mailmagazine.org/
 └───────────┘
メルマガ登録  http://www.mailmagazine.org/mm/index.html
------------------------------------------------------[PR]--

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

○次号は、峰本義明さんの登場です。お楽しみに。
○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。ぜひ本誌
 をお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
メールマガジン「実践!作文研究」No.225 2004/5/30 読者数2157
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2004 実践!作文研究会
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「第225号の感想」を書く 戻  る トップページへ

メールマガジンのご案内へ