メールマガジン「実践!作文研究」
第217号(2004.4.4)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第217号 2004年4月4日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、新潟県の峰本義明さんによる新連載「高校での作文指導」
をお送りします。峰本さんの連載は、偶数月第1週に掲載します。
ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「高校での作文指導」−−
                        新潟県・高校
                          峰本義明

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   第1回 電子メールを使って「リレー物語」を書こう
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■ はじめに

 このたび、「高校での作文指導」という題で5回の連載をするこ
とになりました。私はこの3月まで教育センターで高校国語の教員
研修を担当しておりました。そこで、連載ではこの研修で扱った実
践例を中心に紹介し、それらを踏まえて、高校でどのような作文指
導が可能か、探っていきたいと思います。

 5回の内容は以下を予定しています。

 1 電子メールを使って「リレー物語」を書こう
 2 電子掲示板を使って「句会」を開こう
 3 概念マップを使って論理的に作文を書こう
 4 文章を「手」と「鉛筆」で読み解こう
 5 高校での作文指導を考えよう

         ◆    ◇    ◆

 第1回 電子メールを使って「リレー物語」を書こう

■ 「リレー物語」とは

 「リレー物語」とは、物語の冒頭部分をある人が書き、それを次
の人に渡して、続きを次々に書き足していくというものです。物語
がリレー競技で使われるバトンのように次々に人にわたっていき、
物語が書き足されていきます。

 このリレー物語は、愛知県立小牧高等学校の服部左右一先生が実
践されたものです。筑摩書房の『国語通信』1999年No.4冬号に
掲載されました。以下にこの具体的な方法を説明します。
┌────────────────────────────┐
│1.クラスを何人かのグループに分ける。服部先生は6人ずつ│
│ の6グループで行っている。以下、6人の場合で説明する。│
│                            │
│2.題名を書く枠と物語を書く7つの枠が印刷されたプリント│
│ を用意しておく。                   │
│                            │
│3.生徒各自が物語の最初の書き出しをそれぞれ考え、最初の│
│ 枠に書き、次の人に送る。6番目の人は1番目の人に送る。│
│                            │
│4.受けた人は書き出しを読んで続きを考え、プリントの次の│
│ 枠に書いて、さらに3番目の人に送る。以下、前の人の文章│
│ を読んで続きを書いては次の人に送っていく。つまり、物語│
│ は下図のように流れる。                │
│         1 → 2 → 3          │
│         ↑       ↓          │
│         6 ← 5 ← 4          │
│                            │
│5.これを6回繰り返し、自分の書き出した物語が戻ってくる│
│ と、全体の流れを見て結びの文を最後の枠に書き、物語にふ│
│ さわしいタイトルを題名の枠に書く。          │
└────────────────────────────┘

■ リレー物語の効果

 このリレー物語を行うと、教室は熱気の渦に巻き込まれていきま
す。生徒は自分の書き始めた物語がその後どのように展開されてい
くか、また回ってきた他の人の物語が友人たちによってどのように
展開されているか、と先を争って読もうとするからです。私は教育
実習の事前指導で大学生相手にこの授業を行ってみました。90分
間の講義の中で、学生たちは非常に集中してこの活動に取り組んで
いました。

■ リレー物語を電子メールによって行う

 私は高校国語の教員研修の中で、このリレー物語を電子メールに
よって行ってみました。電子メールを使うことには以下の利点があ
ります。

 1 完成した物語の全員分を、その時間内にその場ですぐに全員
   で鑑賞できる。
   完成した物語を指導者用パソコンに送信して一括印刷する方
   法と、各自が参加者全員宛に自分の作品を一斉送信する方法
   と、2つ考えられる。
 2 教員(または生徒)のITスキルを向上させ、情報活用の実
   践力を養う。

 やり方は紙で行うのとほとんど同じです。プリントをディスプレ
イに置き換え、電子メールソフトで物語の冒頭を書き、隣のPC宛
に送信します。そして、自分のPCに送信されてきた前の人の物語
の続きを書きます。この時、電子メールの返信機能を使わないこと
がポイントです。返信すると次の人にではなく、送ってきた人に戻
ってしまいます。こうして完成した物語を受講者全員で読み合いま
した。

 以下の私のホームページには、この実践で大学生と国語教員に書
いてもらった作品例が一つずつ掲載されています。ご覧いただけれ
ば幸いです。

 http://homepage.mac.com/beulah/kokugo/relay_story.html

【今回の執筆者のプロフィールです】

 峰本 義明(みねもと よしあき)

 新潟県立新潟高等学校教諭
 (前 新潟県立教育センター指導主事)

 教育センターから久しぶりに現場に戻り、高校生に作文を取り入
れた授業を行おうと奮闘中。同時に、放送大学大学院に所属し、
「情報教育の観点を踏まえた国語教育のあり方」をテーマに修士論
文の執筆に悪戦苦闘中。

○共著書『「朝の読書」がもっと楽しくなるアイディア集』
 (メーリングリストでつながる「朝の読書」の項執筆)
 2001.10 林公推薦 穴見嘉秀編著 学事出版
○『MESE研修会レポート』
 2000.12 「学習ゲーム研究会」情報誌『m-age』MM版No.24
http://homepage.mac.com/nsanai/024.html

ホームページ:http://homepage.mac.com/beulah/kokugo/

(「聖書の福音」もどうぞ。http://www1.linkclub.or.jp/~beulah/

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○次号は、伊達木新子さんの登場です。お楽しみに。
○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。ぜひ本誌
 をお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2004 実践!作文研究会
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