メールマガジン「実践!作文研究」
第211号(2004.2.22)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第211号 2004年2月22日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、堀 裕嗣さんの新連載
「やる気をひきだす看図作文の授業」
第1回をお送りします。看図作文とは、本文で堀さんも触れていま
すが「図を看て文を作る」作文学習システムです。以前、HPの
「どくしゃの声」でも話題になったことがありました。そこでの議
論は2年前より止まっていますが、これを機に再開するといいです。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/reader/reader2.html
 さて堀さんの連載は、次回より絵も折り込みながら展開していく
ことになります。このメルマガでは絵へのリンクでご紹介します。
そして、メルマガをHPに掲載する際、その絵を織り交ぜて発表し
ていきます。HPも訪れて下さい。
 偶数月第4週に掲載します。ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−2.連載−

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やる気をひきだす看図作文の授業

               堀 裕嗣(札幌市立向陵中学校)
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 読者のみなさんは「看図作文」(かんずさくぶん)という作文指
導法を知っていますか? 

 「看図作文」という字が示すように、「図を看て文を作る」とい
う作文学習システムのことです。

 中国では、公教育のカリキュラムに位置づけられているほど一般
的な指導法だと言います。なんと小学校1年生から教科書に載って
いて,大学入試にも出題されると言うのです。つまり,中国では,
公教育のすべての学年で指導される作文の書き方ということになり
ます。

 日本には鹿内信善先生(北海道教育大学岩見沢校教授/教育心理
学)が初めて体系的に紹介しました。もう10年近くもこの研究を
行っているそうです。

 では,「看図作文」とは,どのような作文指導法なのでしょうか。

 実は,発想自体はいたってシンプルです。

 まず,学級で共通の絵を見ます。その絵を使って「物語」を創作
します。それを作文化します。それだけのことです。

 もしかしたら,なーんだ,そんなことなら,自分もやったことが
ある……なんていう読者の方もいらっしゃるかもしれません。確か
に,共通の絵を見て物語を創作するというだけの作文指導であれば,
そして珍しくはありません。

 しかし,「看図作文」はその名の示す通り,「看図」つまり「図
を看る」ということに,普通の絵を見ての作文とは違って,大きな
特徴があるのです。

 「看」という字は,どういう意味でしょうか。みなさんはわかり
ますか? これは「手をかざしてよく見る」あるいは「見張る」と
いう意味があります。つまり,「看護士」というのは患者を見張り
つつも護るという役割の仕事なわけですね。この「手をかざして,
よーく見る,見張る」と言うにふさわしいほど,「看図作文」では
絵をよく見,よく分析します。つまり,「看図作文」は絵の分析方
法をしっかりと授業するわけです。絵を見ることを通じて,「認識
力」や「分析力」,そして「発見力」を培うのです。まずここが,
普通の「絵を見て書く作文」と「看図作文」との違いと言えるでし
ょう。

 さて,「図」という字にはどういう意味があるでしょうか。「図
る」と書いて「はかる」と読みます。「図」の意味の第一は「はか
る」という意味です。その他に,手元の漢和辞典(小学館)により
ますと,「考える」「工夫する」「計算する」「はかりごと」「え
がく」「書物」といった,これだけたくさんの意味をも持っていま
す。更に漢和辞典を読み進めていきますと,次のようにも書いてあ
ります。

┌────────────────────────────┐
| 「図」は,計画のむずかしい状態を表す。むずかしければ,|
|いろいろこまかいプランを練らなければならない。そこから,|
|「はかる」の意味のほかに「図画」の意味を生じた。    |
└────────────────────────────┘

 つまり,「図」とは,ただの絵ではなく,作者の想定したプラン
を通して,様々な情報が散りばめられている絵図を指すのです。例
えば,「地図」などという言葉はその典型ですね。地図にはものす
ごく多くの情報が散りばめられています。「図」には,このように
情報の詰まった絵図という意味があるのです。

 先ほど,「看図作文」は絵を見て物語をつくる作文システムだと
言いました。しかし,実はそれは,様々な情報が詰め込まれた絵図
を分析的に読み解くことによって,それらの情報を統合して物語を
つくるという,大きな大きな秘密が隠されているのです。

 最後に,「看図作文」の効果について,少しだけ触れて,連載第
一回を閉じたいと思います。

 効果の第一は、子ども達が解決したくなるような問題点を内包し
た絵図を教材化することによって、子ども達の意欲を大きく喚起す
るということです。

 また第二は、指導の過程自体が、「情報処理」「問題解決」「自己
分析」など、様々な認識の過程として機能しているということです。
子ども達は自分でも気づかないうちに、様々な思考を繰り広げるこ
とになります。その意味で、国語の授業はもちろん、学活、道徳、
教育相談など、様々な教育場面に活用することのできる、画期的な
作文システムとなっています。

 一般に、作文学習において生徒達が抵抗を抱く理由は、第一に「書
くことがない」、第二に「書き方がわからない」でしょう。しかし、
これから私が提案させていただく「看図作文」の授業は、子ども達
の中にあるこの二つの抵抗を見事に同時解決しています。

 では,次回から,実際にどのような絵図を用いて,どのように指
導していくのか,少しずつお話ししていきたいと思います。もしも,
それまで待てない……という読者の方がいらっしゃいましたら,ど
うぞ鹿内信善著『やる気をひきだす看図作文の授業』(春風社)を
ご一読ください。

 では,また次回に……。

【今回の執筆者のプロフィールです】
 
堀 裕嗣(ほり・ひろつぐ)
札幌市立向陵中学校・教諭(国語・現在2年担任)
「研究集団ことのは」代表/「実践研究水輪」研究担当
「日本言語技術教育学会」北海道支部・事務局
著書
『全員参加を保障する授業技術』
『〈教室プレゼンテーション〉20の技術』
『発信型授業で「伝え合う力」を育てる』
『絶対評価の国語科テスト改革・20の提案』
『生徒・保護者にわかりやすい絶対評価の通知表』中1〜3
                以上すべて明治図書・他多数
 現在,「学級経営を高める」シリーズ全6巻を編集中
 HP http://homepage2.nifty.com/higemaru/

       ◆       ◆       ◆

−−3.研究会やメルマガのCM−−

┌────────────────────────────┐
|第1回累積科学国語科教育研究大会「さっぽろ夏の陣」   |
|        〜基礎学力を保障する新国語科の授業改革〜|
|日時:2004年7月29日(木)            |
|場所:札幌市教育文化会館                |
|講師:阿部 昇氏・宇佐美寛氏・大内善一氏・小森 茂氏・ |
|   高橋俊三氏・鶴田清司氏・野口芳宏氏        |
|詳細:http://homepage2.nifty.com/higemaru/ruiseki1.htm |
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
|第7回累積科学国語科教育研究会in札幌          |
| やる気をひきだす作文の授業              |
|          〜どの子も書ける作文指導の在り方〜 |
|日時:2004年10月30日(土)           |
|場所:札幌市教育文化会館                |
|講師:大内善一氏・鹿内信善氏              |
|詳細:http://homepage2.nifty.com/higemaru/ruiseki7.htm |
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
|■授業づくりネットワーク                |
|            連続ワークショップセミナー13回■|
|  作文ワークショップ〜論理的文章を書くための演習〜  | 
|日時:2004年2月28日(土)            |
|場所:成蹊大学 9号館302教室(武蔵野市吉祥寺北町) |
|講師:奥泉 香氏                    |
|詳細:http://www.jugyo.jp/yotei/20040221workshop.html  |
└────────────────────────────┘

┌────────────────────────────┐
|★キャッシング・クレジットカードの得する使い方★    |
|キャッシング・クレジットカードの賢く使って得する知識、知|
|らないと恐い知識やクレジットカードの見落としがちな特典や|
|特徴、使い方一つで1年間で何十万円も節約できるのです。そ|
|んな上手な使い方などをご紹介します。^^        |
| (。^_^。)/見てね。http://www.mag2.com/m/0000126534.htm
└────────────────────────────┘

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

○次号は、上條晴夫氏の登場です。お楽しみに。
○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。ぜひ本誌
 をお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2004 実践!作文研究会
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