メールマガジン「実践!作文研究」
第207号(2004.1.25)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第207号 2004年1月25日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、「宇宙エッセイスト協会会長」さんの新連載「作文がら
みエッセイ」第2回をお送りします。ご意見・ご感想をお待ちして
います。

       ◆       ◆       ◆

−2.「宇宙エッセイスト協会会長による作文がらみエッセイ」−

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   第2話 『ねえ、美穂ちゃん、作文指導させて!』
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<前回のあらすじ>

「宇宙エッセイスト協会会長」
なる人物が、作文に絡んだエッセイを
「実践!作文研究会」
から依頼され、有頂天になって書き始めた。
この人物の素性は、プロフィールだけではよくわからないが、この
エッセイを読み続けるとわかるらしい。

<美穂ちゃんと、彼女の作文能力について>

さて、今回は作文の研究会らしく、作文を指導する様子をお送りし
ようという魂胆で、その指導を受けることになってしまったのが、
美穂ちゃんである。

2年4組の美穂ちゃんはとても愛らしい生徒であるが、国語の成績
は今ひとつ……といっては言い過ぎという生徒で、もちろん作文は
大嫌い。たまに道徳の時間に書く短い感想文でさえ、やっと二行書
けるかどうか。15分かかって。

<美穂ちゃんへのお願い>

しかし、彼女は、授業中せっせと友人に手紙を書くのである。長い
長い手紙を書くのである。
それを知った私は、美穂ちゃんに急接近し、優しくこう言った。
「ねえ、美穂ちゃん、あなた作文嫌いなのに、お友達に長い手紙書
 いてるでしょ?実は私ね、インターネット上で『作文研究会』に
 入ってるんだけど、美穂ちゃんのお手紙を材料にして作文を指導
 する様子を書いてみようと思ってて・・協力してくれない?」
「いいけど・・・」
「えっ、ほんと?じゃ、いつも授業中に手紙書くみたいにして手紙
 書いてみてよ。綾ちゃん宛てでいいよ。でもね、その内容と美穂
 ちゃんのこと全国の人が知ることになるけど、それでいい?」
「いいよ」

<美穂ちゃんから綾ちゃんへの手紙>

美穂ちゃんは帰りホームルーム後すぐに、友人の綾ちゃんに書くつ
もりで手紙を書き、私に渡してくれた。以下がその全文である。
(改行は原文のまま。漢字の誤字は訂正。絵は出来るだけそれに近い
 ものを使用した)
┌────────────────────────────┐
|☆DEAR→あや☆                   |
|こんちわあ!!面談もう、終わった            |
|よぉ!!  (*^^*) (*^^*) てか、高校わぁー        |
|行きたい!!って、おもったぁ!! (^-^)  (^-^)      |
|行けるかぁ、わかんないケド・・・。           |
|でも、高校わぁ、絶対行きた               |
|い・・・。 (;_;)  (;_;) ☆☆☆☆☆           |
|クリスマスまで、あと、もう、              |
|すこしぃ☆☆ってか、あと、               |
|8日だけどねぇ☆☆ (*^^*)  (*^^*)            |
|それより、冬休みもうすぐだし              |
|ぃ〜〜〜〜!!冬休みいっぱい              |
|あそぼうねぇ♪♪ (*^^*)  (*^^*)             |
|そんじゃあ、                      |
|     バイバイ                   |
|       FROM→みほ              |
└────────────────────────────┘

<作文指導開始>

「はい、先生」
「ありがとう」
すぐに読んだ私は、教室を出ようとする彼女を引き止めて言った。
「ねえ、美穂ちゃん、今時間あるでしょ?チョトだけ美穂ちゃん
に作文の指導させてくれない?」
「えー!もう帰る」
「ちょっとでいいから!お願いお願い!10分で終わるから」

「じゃ、いくよ。まず、『☆DEAR→あや☆』これ、作文らしく
 するとどうなる?」
「うーん・・・『こんにちは』」
「そうそう、いいよ。じゃ次『面談もう、終わったよぉ!!』のと
 ころはどうなる?まず、自分のことだってわかるように・・」
「『わたしの・・・個人面談は・・・終わりました。』」
「いいじゃない。『てか、高校わぁー行きたい!!って、おもった
 ぁ!!』のところは、どうしてそう思ったか言ってみて」
「『・・・・先生と話しをして・・・・高校に・・・・行きたい・
 ・気持ちに・・・なりました』」
「わー!文章になってきたよ。『行けるかぁ、わかんないケド・・』
 でも、高校わぁ、絶対行きたい・・・』のところは、どうして行
 けるかどうかわからないの?」
「今の成績じゃだめだから」
「じゃあ、そういう風に言ってみて」
「『だけど、今の成績では高校へ行けるかどうかわかりません』」
「とってもいいよ。じゃ、次だけど、ここで話題が変わるよね。急
 に変わるのも変だから、高校のことも思っているけど、やっぱり
 クリスマスが気になるって感じにしてみて」
「『本当は・・・高校のことを考えたほうがいいけれど、今は、ク
 リスマスのことを考えています。あともう8日ですね』」
「それで、冬休みはもっと楽しみなのよね」
「『そして、クリスマスよりもっと楽しみなのが冬休みです。もう
 すぐですね』」
「さあ、最後よ」
「『冬休みにはたくさん遊びましょう。それでは、さようなら』」

<指導後作文>

では、上の会話文をまとめてみましょう。
┌─────────────────────────────┐
|こんにちは。                       |
|私の個人面談はもう終わりました。             |
|先生と話をして、高校に行きたい気持ちになりました。だけど、|
|行きたい高校に行けるかどうか、今の成績ではわかりません。 |
|本当は高校のことを考えたほうがいいけれど、今は、クリスマス|
|のことを考えています。あともう8日ですね。        |
|そして、クリスマスよりもっと楽しみなのが冬休みです。もうす|
|ぐですね。冬休みにはたくさん遊びましょう。        |
|それでは、さようなら。                  |
└─────────────────────────────┘

<指導を終えて>

出来上がった作文を見て喜ぶ美穂ちゃんに
「ね、こうすればちゃんと長い作文書けるでしょ。またやろうね」
「はーい。先生さようなら」

作文指導など本来素人の私だから、この指導法や出来上がった作品
がよいかどうかわからない。しかし、美穂ちゃんの喜ぶ姿は、私を
満足させるには十分だった。

<終わりに>
作文指導を始める前に、私は美穂ちゃんに聞いた。
「ねえ、長い作文にするにはどうしたらいいと思う?」
すると彼女は、3つの案を示してくれた。

・ひらがなにする。
・敬語にする。
・行を変える。

なるほど!

******************************
宇宙エッセイスト協会会長 プロフィール

「応募」「コンクール」がマイブーム中にインターネットを検索し
ていて「作文研究会」を知り、作文は素人だが、いつのまにか入会。
そのうえ、調子に乗って書きためたエッセイ集を自費出版。
ここにちゃんとしたプロフィールを書いてもよいのだが、そうする
とエッセイ集が売れなくなるので、書かないようにしている。
つまり私のエッセイ集は長大なプロフィールなのだ。
******************************

※エッセイ集をご希望の方は、第203号をご覧の上、メールを下さい。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/203.html

       ◆       ◆       ◆

−−3.研究会CM−−

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|「実践!作文研究会」                  |
|  〜21世紀教育の基礎となる作文教育の活性化を目指す〜  |
|          只今会員募集中!          |
|  HPも見てね http://www.jugyo.jp/sakubun/jsk/   |
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
|「お笑い教師同盟(仮)」                |
| 教育に笑いを!子どもに笑顔を!お笑いから教育技術を学ぼう!|
|    [(仮)]はあくまでシャレよ。只今会員募集中!    |
|  HPも見てね http://www.jugyo.jp/owarai-kyousi/  |
└────────────────────────────┘
       ◆       ◆       ◆

−−4.ワークショップ情報−−

■授業づくりネットワーク・連続ワークショップセミナー13回■

作文ワークショップ〜論理的文章を書くための演習〜 
主催:授業づくりネットワーク

 子どもたちが授業に集中しない。年々授業運営がむずかしくなっ
てきました。そこで、いまゲームが注目されています。
 教育研究団体「授業づくりネットワーク」では、学習ゲームを中
心とした連続ワークショップセミナーを開催します。これからの授
業づくりに必ず役立つワークショップです。
 今回は、「作文ワークショップ」です。物を使ったり絵を使った
りして論理的な文章を書くためのワークショップです。

■日時 2月28日(土) 午後1時〜5時(受付12時45分)

■会場 成蹊大学 9号館302教室(武蔵野市吉祥寺北町)
 *JR中央・総武線、井の頭線、地下鉄東西線「吉祥寺駅」下車。
 吉祥寺駅前より関東バスで成蹊学園前下車(約10分)。   

■日程(予定)
13:00〜14:00 物を使って論理的文章を書く
14:10〜15:30 絵を使って論理的文章を書く
15:40〜16:40 説明書を書き換える
16:40〜17:00 質疑・ふりかえり

●講師:奥泉 香
(財)波多野ファミリスクールや、杉野服飾大学(非常勤講師)等
に所属。『授業づくりネットワーク』(学事出版)に2000年6月号
〜2001年3月号に連載。『看護管理』(医学書院)に2003年7月号
〜12月号に連載。2000年、スペインにて「読書へのアニマシオン」
80時間セミナー受講。2002年からNHK番組委員。
 本誌においては、創刊時より編集同人。
 2000年、「大学生に作文を教える」を連載。
http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/rensailist.html#univ


■定員:30名(満員になり次第締め切ります)

■参加費:2500円(授業づくりネットワーク会員:2000円)

★申込・問い合せ先
1)氏名、
2)会員・一般の別
3)〒・住所
4)電話・FAX番号
5)勤務先
6)メールアドレス
を明記の上、下記あてにFAX、Eメールまたはハガキでお申し込み
ください。
 授業づくりネットワーク事務局 担当:鈴木宣昭
 〒162-0814 新宿区新小川町6-12   TEL/FAX:03-3269-3715 
 Eメール:KFD02107@nifty.ne.jp

       ◆       ◆       ◆

−−5.編集後記−−

○次号は佐内信之氏「国分一太郎の綴り方教育実践に学ぶ」最終回
 です。
○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。ぜひ本誌
 をお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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メールマガジン「実践!作文研究」No.207 2004/1/25 読者数2190 
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2004 実践!作文研究会
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