メールマガジン「実践!作文研究」
創刊2号(2000.2.6)


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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第2号 2000年2月6日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 こんにちは。創刊号の読者数750人は、予想を大きく上回るも
のでした。このメールマガジンへの期待の大きさと受け止めていま
す。
 創刊2号は新たな連載も始まり、より充実したものになりました。
 ぜひ、ご意見・ご要望をお寄せください。楽しみにしています。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載「作文キーワード事典」−−
                        東京・小学校
                          池内 清
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作文キーワード事典(第一回)
   【一文一義】・・・五百円玉をかせぐということ
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■一文一義とは

 一文一義とは「一つの文に一つのことを書くこと」である。
 文章のわかりやすさを増すための方法である。
 人は文章を書いているとき、様々な思いつきがおきる。書き手は
その思いつきをそのまま一つの文に盛り込んでいく。そうすると、
一つの文に様々な考えが入り込む。その結果、読み手にとってわか
りにくい文章ができてしまう。つまり、読み手にわかりやすく書く
ためには、一つの文に対して一つのことを書くことが原則になる。

 私は小学校の教師をしている。子どもたちに、「句点は五百円玉
だと思ってなるべく多くかせぎなさい」(宇佐美寛著「新版 論理
的思考 論説文の読み書きにおいて」メヂカルフレンド社 
1996年から引用)と言うと句点への意識が高まる。
 作文を書きながら、子どもたちは「。」を数える。そして「五百
円が千五百円になったよ。」「もうかった!」などと言う。自分の
文章を一文ずつ読み直しながら作文を書くようになった。

 文章を短くする。すると、文章の構造が明らかになってくる。そ
うすると、単に文を短くする作業だけで終わらない。文章を分かり
やすくするために、次の二つの作業も必要になってくる。

(1)できるだけ主語を明示する。
(2)文相互の論理関係を接続詞を使って表す。

 例えば、

┌────────────────────────────┐
│ 私はかぜを引いてしまったので学校を休んでしまいました。│
└────────────────────────────┘

という文がある。これは、次のように書き直すことができる。

┌────────────────────────────┐
│ 私は学校を休みました。どうしてかというと、私はかぜを引│
│いてしまったからです。                 │
└────────────────────────────┘

 書き直し前の文では一つの文で理由と結論を述べている。
 しかし、書き直した文では、文をはっきりと二つに分けている。
一文目で結論を言う。そして、二文目でその理由説明を明確に述べ
る。このように書き直せば、読み手にとって分かりやすい文章にな
る。

■ワンポイントレッスン

┌────────────────────────────┐
│ 次の文章を、句点を増やしてわかりやすくしよう。    │
│                            │
│ 私がコンピュータのマニュアル本を読んで感じたことは、こ│
│の本がいかにわかりにくく、初心者の人にとっての配慮がまっ│
│たくなされておらず専門用語が説明もなしに出てくることに閉│
│口した。                        │
└────────────────────────────┘

■解答例

 私はコンピュータのマニュアル本を読んで閉口した。私はこの本
がいかにわかりにくいかを感じた。なぜならば、専門用語が説明も
なしに出てくるからである。つまり、この本は、初心者の人にとっ
ての配慮がまったくなされていないのである。

■解説

 課題文がわかりにくいのは、一文が長いからである。そのことに
よって「(私が〜)感じた事は・・・閉口した。」とねじれた文に
なっているのである。

 次のように三つの手順で書き直してみる。

 1.機械的に「。」(五百円玉)をかせぐ。
 2.できるだけ文に主語を補ってあげる。

 以下のようになる。

 『私はこのコンピュータのマニュアル本を読んだ。私はこの本が
いかに分かり難いかを感じた。この本は、初心者の人にとっての配
慮が全くなされていない。私は専門用語が説明もなしに出てくるこ
とに閉口した。』

 3.この四つの文相互の関係をできる限り接続詞を使って表す。

 すると、次のような文章ができあがる。

『私はコンピュータのマニュアル本を読んで閉口した。私はこの本
がいかにわかりにくいかを感じた。なぜならば、専門用語が説明も
なしに出てくるからである。つまり、この本は、初心者の人にとっ
ての配慮がまったくなされていないのである。』

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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。
 池内 清 ikeuchi@air.linkclub.or.jp
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(今回の執筆者・池内清さんのプロフィールです)

 池内 清
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数 

         ◆     ◆     ◆

−−3.読者からの情報−−

 「研究集団ことのは」というサークルの小学部代表、柳谷直明さ
んから以下のようなメールをいただきました。
 このような情報、たくさんお待ちしています。

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 「研究集団ことのは」小学部では,小学校新領域「書くこと」
460時間授業プラン集を作成中です。
 これは,いままでの授業プラン集と違い,最低限指導する事項を
「術語(テクニカル・ターム)」として厳選しています。術語が基
礎になり,その活動を基本としてプラン化したものです。
 指導事項を厳選して発行した『小学校新領域「話すこと・聞くこ
と」124時間授業プラン集〜全指示・全発問及び言語技術の系統
試案〜』の第2段として作成中です。
 術語(テクニカル・ターム)や基礎・基本に対するご意見・ご感
想を私のホームページまでお寄せください。
 「話すこと・聞くこと」授業プラン集は,野口芳宏先生にご監修
いただき2000年1月に発行できました。ワーク・シートもつい
ています。ご希望の方には,お譲りしています。ご住所とお名前を
お知らせください。

「研究集団ことのは」小学部代表 柳谷直明
e-mail:naoir-from2000.1.11@nifty.com
http://homepage1.nifty.com/naoir/
ホームページもご覧下さい。

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         ◆     ◆     ◆

−−4.ホームページ進化情報−−

 ホームページの中に「作文の本」というコーナーがあります。
 ここでは従来「作文指導のための本」を紹介していました。この
ほど「文章修行のための本」というコーナーを新たに設けました。

 ここでは、文章を書くときに参考にしたい本を集めて紹介してい
ます。オンライン書店のリンク集へジャンプして、ご希望の本を購
入することもできます。

 こちらのURLをご覧ください。

http://www.jugyo.jp/sakubun/info/book/

         ◆     ◆     ◆

−−5.編集後記−−

 来週のリレー連載は、石井 淳さん(秋田・小学校)による

「家庭向け”ほめ上手”のすすめ」

をお届けします。お楽しみに!

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メールマガジン「実践!作文研究」No.2 2000/2/6 読者数781
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
まぐまぐID:0000023841
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究 2000

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