メールマガジン「実践!作文研究」
第198号(2003.11.23)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第198号 2003年11月23日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、倉島保美さんのミニ連載「パラグラフ・ライティングの
すすめ」の第3回(最終回)をお送りします。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

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パラグラフ・ライティングのすすめ(3)
    パラグラフは複数の文で作る
        ライティング・インストラクター  倉島 保美
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 「パラグラフ・ライティングのすすめ」の第3回目のポイントは、
パラグラフは先頭のトピックセンテンスとそれを補足する文とから
構成されるということです。1文で1パラグラフになることは例外
を除いてありません。


■パラグラフは複数の文で作る

 パラグラフは、「ある1つのトピックを詳しく述べるのを目的と
した文の集まり」です。まず、トピックセンテンスでトピックを表
明します。後続の文でそのトピックを詳しく解説します。

 後続の補足する文は必ず必要です。トピックセンテンスは、伝え
たいことを強調できるよう、可能な限り短い文にします。したがっ
て、後続の補足する文がないと、正しく理解してもらえません。

 逆に、1文で1パラグラフになることは、例外を除いてありませ
ん。少なくとも、1文でできたパラグラフが連続するようなら、何
かおかしいと考えるべきです。


■1文で1パラグラフの例外

 とはいえ、例外的に1文で1パラグラフになることもあります。
その文が後の文章をまとめている(=総論)場合です。たとえば、
「本製品を開発するにあたり、注意すべき点が3つある」というよ
うな文です。この文の後には、3つの注意点が、3つのパラグラフ
を使って説明されることになります。また、章や節の最後に述べる
まとめは、1文で1パラグラフになることもあります。すでに詳し
く述べたので、もはや詳しく述べる必要がないのです。


■1文で1パラグラフの文章とその修正法

 例外でもないのに、1文で1パラグラフになってしまうのには、
おもに4つのケースがあります。(この文自身が、1文で1パラグ
ラフの例外です)

 第1に、説明が足りない場合です。本来なら、そのトピックにつ
いてもっと説明が必要にもかかわらず、説明を省略してしまったの
で、1文で1パラグラフになってしまうのです。この場合は、文を
追加して情報を展開します。

 第2に、意味もなくパラグラフとして独立させてしまった場合で
す。本来ならほかのパラグラフに入れるべきなのに、パラグラフと
して独立させてしまったので、1文で1パラグラフになってしまう
のです。その文を強調したいという気持ちから、独立させてしまう
ことが多いようです。しかし、直後のパラグラフにトピックセンテ
ンスがなくなるので、直後のパラグラフがわかりにくくなります。
また、1パラグラフ=1トピックという対応が崩れるので、文章全
体を見たとき逆にわかりにくくなります。

 第3に、述べる必要のない情報を述べている場合です。必要のな
い情報なので、どこにも分類できずに、1文だけが独立してしまう
のです。この場合は、その文は削除します。

 第4に、複数のことを1文で述べてしまう場合です。本来なら、
複数の文になるはずが、文をつなげてしまったために、形式的に1
文で1パラグラフになってしまうのです。この場合、意味の上では、
複数の文でできていますので、文を切ればよいでしょう。


■具体例(悪い例)

 日米協議でアメリカが日本の市場開放を求めてきた。表面的に見
ればいつもの市場開放要求だが、アメリカが本当に求めているのは、
日本が世界の論理で行動することであろう。

 つまり、鎖国時代を引きずった島国根性ではなく、世界の常識で
行動することを求めているのだ。

 たとえば、米を一粒も入れないなどという考えは、アメリカの常
識、世界の常識からすれば、考えられないことである。

 日本には日本の伝統や歴史があるといっても、欧米から見れば常
識はずれの意見でしかないのである。


■具体例(悪い例)解説

 この文章では、第2−4パラグラフが1文だけで構成されていま
す。いずれも修正すべきです。

 第2パラグラフは、第1パラグラフと合わせるべきです。なぜな
ら、両パラグラフとも、同じことを述べているからです。1つのト
ピックを2つに割ってはいけません。

 第3パラグラフは、この文だけでは説明が足りません。なぜ、
「考えられない」のか?という疑問がわきます。

 第4パラグラフも同様に、この文だけでは説明が足りません。な
ぜ、「常識はずれ」なのか?という疑問がわきます。


■おまけ

 最後まで読んでいただきましてありがとうございました。最後
の具体例の書き直し例を知りたい方は、倉島(kurapy@mvb.biglobe.ne.jp
までご連絡ください。書き直し例をメールします。

 12月末頃に、論理的な文章を書くためのビジネス書(日本実業
出版社)を出版します。そこでは、豊富な例文で、もっと詳しく、
解説しています。ご期待ください。




【プロフィール】

 倉島 保美(くらしま やすみ)

 NECエレクトロニクス(株)勤務 兼
 早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員 兼
 京都大学霊長類研究所非常勤講師
 
 LSIの開発を本業とするかたわら、企業や大学で日本語/英語
 のライティング、ディベート、論理的思考、プレゼンテーション
 などを指導。

 著書:『書く技術・伝える技術』あさ出版
    『理系のための英語ライティング上達法』講談社
    『理系のための英語便利帳』講談社(共著)

 ホームページ:http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
 ぜひお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
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○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2003 実践!作文研究会
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