メールマガジン「実践!作文研究」
第196号(2003.11.9)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第196号 2003年11月9日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は木越憲輝さんの連載「算数科や社会科の授業での作文的方
法」の第5回です。「算数公式説明文(2)」についてお送りしま
す。
 みなさんからのご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「算数科や社会科の授業での作文的方法」−−
                        東京・小学校
                          木越憲輝

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算数科の授業での作文的方法
        算数公式説明文(2)
                聖学院小学校  木越 憲輝
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■算数公式説明文
 公式説明文1回目は、三角形の面積の求め方を説明する文につい
て書いた。(本メールマガジン179号参照)
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/index.html
 公式説明文2回目の今回は、円の面積の求め方の公式を説明する
文作りをした。

 円の面積=半径×半径×3.14

 この式を今まで習った長方形や三角形の面積の求め方などから、
円の面積の求め方のでき方を説明するページが教科書
(学校図書「小学校 算数5年下」)にある。
 しかし、教科書を見ただけでは、図と少しの説明だけなので、
見てすぐ理解できるようになっていない。そこで、図や絵を使い、
分かりやすく円の面積の公式の出し方を説明する文を作らせた。

 次の2点をねらいに行った。
(1)円の面積の成り立ちを振り返り、求め方をより深く考えるこ
  とができる。
(2)ナンバリングや接続詞を使うと分かりやすい説明ができるこ
  とに気づかせる。

■算数公式説明文の指導例

 小学校5年生である。
「円」の単元の学習を終え、まとめ学習時に、次の課題を出した。
「円の面積を求める式(半径×半径×3.14)の作り方を、文章と図
 で説明してください。ヒント・教科書を参考にしましょう。」
 すると、児童が以下のように書いた。
┌────────────────────────────┐
│(1)円を等分割して平行四辺形になるように並べ替える。 │
│(図略)                        │
│(2)ならべかえた平行四辺形の面積を求める。      │
│   底辺×高さ=(円周÷2)×半径          │
│(3)円周の公式は直径×3.14なのでその公式をあてはめると│
│   (直径×3.14÷2)×半径             │
│(4)Bの底辺は、直径÷2×3.14と同じなので、     │
│半径×3.14となる。                   │
│(半径×3.14)×半径                  │
│(5)なので円の面積の求め方は(4)をならべかえると以下│
│  のような式になる。                 │
│ 半径×半径×3.14                   │
└────────────────────────────┘
●ナンバリングしたのが良い。
 式の間に説明文を入れるやり方は、「サンドイッチ式」とでも
名付けよう。
 式だけの時よりとても読みやすいし、理解しやすい。
┌────────────────────────────┐
│ まず、円を何等分かします。              │
│その等分した円を、上下上下のように横にならべていって、 │
│長方形を作ります。(図略)               │
│ そうすると、長方形の面積は、たて×横で、       │
│ そのたては、円の半径になります。だから「たて=半径」 │
│ 横は、円の周りだから、「横=円周÷2」になります。  │
│ そうすると、たて×横だから、半径×円周÷2になります。│
│ 円周÷2は、直径×3.14÷2にもなるし、        │
│ その直径÷2は半径だから、              │
│ 円の面積は、半径×半径÷3.14になります。       │
│ ─────────────────────────  │
│ 長方形の面積=たて×横                │
│   円の面積=半径×円周÷2             │
│       =半径×直径×3.14÷2          │ 
│       =半径×半径×3.14            │
└────────────────────────────┘
●「まず」「そうすると」など接続語を上手く使っている。
 前に使った言葉を次の文でくり返して使っていて、
 前と後のつながりが良い。
 式の説明を文章で行い、最後に、それを式だけでまとめている。
 上に文がどっさりついているということで、こちらは「ピザ式」

 全く書き方がわからないという子もいたので、2つのできた子
の例を示して、書かせることになった。

■考察
(1)書かせてみると、よく「自由自在」(受験研究社)などの
  算数の参考書で見る例題の考え方や答えの説明の仕方に似た
  書き方があった。それには、2つのタイプがあるように思う。
 「サンドイッチ式」・・式と式の間や前後に説明文を入れたもの
 「ピザ式」・最初に説明文を書き、最後に式と答えを書いたもの
  自由に書かせると、やはり、子どもたちの文はその2つのタイ
  プに分類できた。
(2)図の書き方で、文章もだいぶ変わってくることが分かった。
  (今回は図や絵を掲載できなかった)
  図の入れ方が上手ければ、図に補助記号や用語を加えておくだ
 けで、説明文の量や質が変わってくる。図の入れ方、書き方、
 又、どの時点で図を入れるか等の技術指導だけでも充分に時間を
 取って指導する価値があると感じた。
  今回は、図形に関する説明だったので、図や絵の重要性がより
  高かったのだろう。だから、図を一つ与えて、その説明文を書
  くという練習があってもよいかと感じた。
(3)今回は、まとめの時間(復習)という意味で、書き方のわか
  ない子のフォローができなかったのが反省する点。やはり、
  理解しているしていないに関わらず、書き方の型を提示してか
  ら始めればよかった。
(4)説明文を入れる作業によって、式は言葉を省略したり、記号
  化、数字化したりして、成り立っていることに気づかせること
  ができたと思った。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会
 著書:蔵満逸司・上條晴夫編『小学校算数の学習ゲーム集』
                       (学事出版)

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
 ぜひお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
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メールマガジン「実践!作文研究」No.196 2003/11/9 読者数2188
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2003 実践!作文研究会
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