メールマガジン「実践!作文研究」
第192号(2003.10.12)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第192号 2003年10月12日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、池内清さんの「上條晴夫氏の作文指導」をお送りします。
 なお、その後に池内さんが創刊したメールマガジン
「親と子で作文が好きになるMM」のPR文も掲載しました。
 http://hpcgi2.nifty.com/m-age/a-column162/a-column.cgi
 ぜひお読みください。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「上條晴夫氏の作文指導」−−

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上條晴夫氏の作文指導
----「書けない子をなくす作文指導10のコツ」を読む(6)----
  作文指導は「指示」が命だ!「4.時間の指示をする」
                聖学院小学校  池内 清
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■はじめに
 連載の6回目です。前回分までは下記の実践作文のホームページ
でお読み下さい。
 
第1回 上條晴夫氏の略歴 まえがきを読む 目次を読む
第2回 作文指導は「指示」が命だ!「1.書き出しを指示する」
第3回 作文指導は「指示」が命だ!「2.ハテナの文の指示をす
る」
第4回 作文指導は「指示」が命だ!
    「3.規模の指示をする(1)」
第5回 作文指導は「指示」が命だ!
    「3.規模の指示をする(2)」
(http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/backlist.html)

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 作文指導は「指示」が命だ!「4.時間の指示をする」
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■時間の指示
 時間の指示をするというのは、子どもたちに書く時間をあらかじ
め、書く前に知らせておく事である。
 例えば、『三分で書きなさい』とか、『十分で書きなさい』と
かである。

 時間の指示をすることの大切さを上條氏は体育のたとえを用いて
 以下のように説明する。
------------------------------------------------------------
 走ることを、子どもたちに指示するとしよう。
 五〇メートルを走るのか、一〇〇〇メートルを走るのか。
 指示しない教師がいるだろうか。走り出す前に、五〇なのか、
一〇〇〇なのか、必ず、指示を出すはずである。
 五〇メートルを走るのと、一〇〇〇メートルを走るのでは、自ず
と、その走り方が変わってくるからだ。(後略) 
       「書けない子をなくす作文指導10のコツ」(p38)
------------------------------------------------------------
 見事なたとえであると思う。思わず納得してしまう。
 前回の「規模の指示」では、作文を書く量の指示をし、今回は、
時間で書く量を指示しているとも言える。
 
 この指示を出すと子どもたちの集中力が一気に高まる。
 子どもたちに具体的な数字の入った指示を出すと、集中力が高ま
るのと同じである。『一つ選びなさい』『三つ書きなさい』などが
典型例である。
 それを作文指導に活かしたすぐれた指示であると言える。
 
 上條氏は、この「時間の指示」を書く内容によって、三分、五
分、十分〜三十分と分けて子どもたちに指示を出している。
(p41-p42)
----------------------------------------------
 三分・・・・・・・発問後のノート作業
 五分・・・・・・・授業の感想文や学習のまとめ
 十分〜三十分・・・作文の授業
----------------------------------------------
 このように、時間の指示のバリエーションを使い分け、その場に
適した時間を子どもたちに与えて、書く授業を進めるのである。

■「時間の指示」を使った授業
 この「時間の指示」を上條氏から学んだ私は、普段の授業では、
これに「一分」という「時間の指示」を付け加えている。
------------------------------------------------------------
 一分・・・自分の立場を決める。(賛成・反対、○・×など)
 三分・・・なぜ、その立場に決めたのかの理由。(箇条書き)
 十分・・・その理由の詳しい説明。
------------------------------------------------------------
 六年生国語に「二つの意見から」という単元がある。あるテーマ
に対して、「二つの意見」に分かれて話し合う活動である。
 そこでテーマを「タマちゃんは海に返すべきである」で賛成・反
対を考えさせた。
 この授業で使った「時間の指示」は次の三つである。
------------------------------------------------------------
1)『タマちゃんを海に返す方がいいか、そのままにしておく方が
   いいかで、自分の立場を決めます。時間は一分です。』
2)『なぜ、そう考えたのか、理由を三つ書きなさい。時間は三分
   です。』
3)『その考えた理由の詳しい説明を書きます。時間は十分で
   す。』
------------------------------------------------------------
 いろいろと応用が利く、「時間の指示」の組み合わせだと思う。
 
■作文の授業
 まとまった作文を書く時に一時間使って、作文用紙一枚を与えて
書いてもらう時がよくある。
 テーマの説明しておよそ三十分を使って書く。
 自分のクラスでは、文題にもよるが、十分あればおよそ四〇〇字
の作文用紙を埋めることができる。
 そこで、最近はあえて、
--------------------------
 三〇分使って書きなさい。
--------------------------
 という指示を出す。
 これは、「早く書ける子でも、十五分は何を書くか、どのように
書くかを考えなさい」という指示を含んでいる。
 つまり、構成を考えて書くということである。
 この指示を使って書いた作文を一つ紹介する。
------------------------------------------------------------
 卒業に向けて
                       (六年男子)
 卒業に向けて、ぼくは行事と友達を大切にしようと思います。
 行事を大切にするというのは、この六年生の一回で行事はすべて
終わりなので、せいいっぱいがんばるということです。運動会、音
楽会などの行事で自分でできることに全力をつくそうと思います。
 友達を大切にするというのは、受験をして他の中学校に行く友達
と楽しくすごそうと思うからです。中学になると、その友達とも会
う機会があまりなくなるから、今の小学校生活のうちに楽しくすご
したいからです。
 先生によると、あと、一〇〇日あるかないかだそうです。
 約一〇〇日を大切にします。
------------------------------------------------------------
 作文をすぐに書き出さずに、何をどう書くかを考え、最後の十分
間で一気に書いた作文である。
 構成が工夫されているのが読み取れるだろう。
 
■参考文献
 上條晴夫著「書けない子をなくす作文指導10のコツ」(学事出
版刊1992年)

【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会(HP担当)
      メディアリテラシー教育研究会(事務局員)

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』学事出版
      『ディベートで学級会づくり』学事出版
      『学習あそびベスト50』たんぽぽ出版
       ほか多数
 ホームページ:『作文が好きになるHP』
       http://homepage2.nifty.com/m-age/ikeuchi/
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−−3.メールマガジンのPR−−

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「親と子で作文が好きになるMM」のご案内
                  聖学院小学校 池内 清
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■はじめに
 「作文が好きになるHP」を初めて1年半が過ぎました。
   http://homepage2.nifty.com/m-age/ikeuchi/
 おかげさまを持ちまして、アクセス数も延べ7万人を越えるよう
になりました。

 さて、今年の夏から、作文のメールマガジンを発行しています。
 このメールマガジンは、「親と子」がキーワードの一つになって
います。
 作文を家庭で指導する時、どのような指導をすればいいのか、子
どもが作文を書くのをいやがっているがどうしたら好きになれるの
かなどを、具体的な例を用いて説明できたらいいなと思っています。

 また、ホームページに、メールマガジン専用の掲示板を設けてい
ます。ここには、ご家庭で作文を教えるときの質問や、メールマガ
ジンに関する質問など、読者のみなさんから作文の情報交流ができ
るようになっています。
    http://hpcgi2.nifty.com/m-age/bbs/wforum.cgi
 こうすることによって、メールマガジンという、一方向からの情
報ではなく、双方向での情報交流ができるようにしました。

■今までの連載から(創刊第2号 2003年8月29日発行)紹介

★━連載━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
  ☆親と子で作文遊び(1)☆
      ━ えんぴつおしゃべり ━
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 この連載では、親と子で手軽にできる作文遊びを紹介します。
 「さぁ、作文を書くぞ」と力まないで何げなく子どもを作文が好
きになるように導いてあげましょう。
 第一回目は「えんぴつおしゃべり」です。
 えんぴつおしゃべりは鉛筆対談ともいい、日本の作文教育の中で
も古くからある楽しい作文の書き方です。
 要は筆談です。会話をするかわりに、えんぴつをかわるがわる交
換して紙の上でおしゃべりをします。
 実例をあげます。
 ──────────────────────
 親「ねぇ、夏休みももうおしまいだね。」
 子「うん。早く学校に行きたいな。」
 親「へー。そうなんだ。どうして?」
 子「だって、ともだちにはやく会いたいんだ。」
 親「なかよしのお友達がたくさんいるからね。」
    ・
    ・
    ・
 ──────────────────────
 こんな感じです。
 やり方はいたって簡単です。親と子が交互にえんぴつを交換して
会話を書いて行くだけです。
 はじめのうちは、親の方が話のリードを取って上げるようにしま
す。慣れてくれば子どもの方から書き始めてもいいでしょう。
 気をつけることは1つです。お説教はいけません。せっかく楽し
くやっているのですから、最後まで楽しくやりましょう。
 話の最後は、何か子どもと約束をするとうまくまとめることがで
きます。

 テーマ例
 1)親「○○ちゃん、今日の夕ごはん、なに食べたい?」
 2)親「今年の夏休みは楽しかった?」
 3)親「この絵本おもしろかった?」


■登録先
 まぐまぐを使って配信をしています。
 下記urlに、メールマガジン登録フォームと、バックナンバーがあ
ります。
  http://hpcgi2.nifty.com/m-age/a-column162/a-column.cgi

 ぜひ、一度お立ち寄りください。

−−4.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
 ぜひお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

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メールマガジン「実践!作文研究」No.192 2003/10/12 読者数2175
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2003 実践!作文研究会
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