メールマガジン「実践!作文研究」
第190号(2003.9.28)


学力問題としての作文教育を考える
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 メールマガジン「実践!作文研究」
 第190号 2003年9月28日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、倉島保美さんのミニ連載「パラグラフライティングのす
すめ」(全3回)の第1回をお送りします。
 パラグラフとは何でしょう。実は今回の倉島さんの文章自体、パ
ラグラフライティングで書かれた文章だとのことです。ぜひみなさ
んも、それを念頭においてお読み下さい。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆


−−2.ミニ連載−−

============================================================
パラグラフライティングのすすめ(1)
    パラグラフとは? なぜパラグラフか?
        ライティング・インストラクター  倉島 保美
============================================================


■連載にあたり

 論理的な文章を書くには、パラグラフという概念が必須です。3
回にわたって、「パラグラフ・ライティングのすすめ」と題して、
パラグラフ単位で文章を書く基本を説明します。各回は以下のよう
なテーマを予定しています。
  1.パラグラフとは? なぜパラグラフか?
  2.トピックセンテンス
  3.パラグラフは複数の文で作る


■パラグラフとは

 パラグラフとは、あるひとつのトピックを詳しく述べるのを目的
とした文の集まりです。日本語の「段落」が「長い文章中の大きな
切れ目」(広辞苑 岩波書店)を指すのに対して、パラグラフは文
の集合体を意味します。

 パラグラフの途中で改行してはいけません。改行は、パラグラフ
が変わることを意味します。パラグラフが変わらない限り、改行せ
ずに文をつなげます。

 ひとつのパラグラフには、ひとつのトピックだけを割り当てます。
ひとつのパラグラフで複数のトピックを割り当ててはいけません。
また、トピックが変わらないのに、パラグラフを変えてもいけませ
ん。

 パラグラフを変えるときは、パラグラフとパラグラフの間に空白
行を設けるか、次のパラグラフの先頭を字下げします。あるいは、
空白行を設け、かつ、先頭を字下げします(この記事はこの方法を
採用)。空白行を設けたり、設けなかったり、字下げをしたり、し
なかったりするのは、避けた方がよいでしょう。


■パラグラフ・ライティングとは

 パラグラフ・ライティングとは、パラグラフという固まりを、論
理単位として文章を構成していく書き方です。パラグラフを階層構
造の最小単位とする書き方とも言えます。パラグラフという固まり
ひとつに、ひとつのトピックを対応させながら、論理を展開してい
くのです。

 パラグラフ・ライティングすると、全体がブロック図のような文
章となります。見た目の固まりひとつに、ひとつのトピックが割り
当てられて、論理が流れるからです。論理のパーツがひとつひとつ
明確に見えるので、積み木細工のような文章とも言えるでしょう。

 欧米では、小学生の頃から、パラグラフ・ライティングを勉強し
ます。したがって、欧米人の書く文章は、みな、パラグラフ構成が
明確です。欧米人は、日本人の書く英語を読んで、『文はわかるが、
文章はわからない』とよく言います。これは、日本人の英語は、パ
ラグラフ構成がいい加減だからです。


■なぜパラグラフか?

 パラグラフ・ライティングには、次のようなメリットがあります。
  1.論理が理解しやすい
  2.論理構築しやすい
  3.速読しやすい

 パラグラフを論理単位とすると、読み手は書き手の論理を理解し
やすくなります。なぜなら、ブロック図を見ているかのように論理
が追えるからです。パラグラフという概念がない文章は、トピック
の切れ目がすぐにはわからないので、論理が追いにくくなります。
内容が複雑になればなるほど、ブロック図のように見えるかで、理
解度に大きな差が生じます。

 パラグラフを論理単位とすると、書き手は論理を構築しやすくな
ります。なぜなら、ブロック図を書くかのように論理を組み上げら
れるからです。文を論理単位とすると、木を見て森を見ずというこ
とになりかねません。

 パラグラフを論理単位とすると、読み手が速読しやすくなります。
なぜなら、パラグラフ単位で読み飛ばしができるからです。あるパ
ラグラフを読み始めて、そこに書かれているトピックについて理解
できたら、途中で次のパラグラフに飛べばよいのです。ひとつのパ
ラグラフにひとつのトピックが割り当てられている以上、途中で次
のパラグラフに飛んでも、トピックを読み漏らすことはありません。
 
 よく、トピックが変わらないのに、1文か2文でパラグラフを変
えている文章を見ますが、論理がつかみにくくなるのでやめましょ
う。パラグラフを細かく切ると、改行や字下げの回数が増えるので、
空白が増え、字面が追いやすくなります。しかし、見た目の固まり
とトピックが1対1に対応しなくなるので、意味が取りにくくなり
ます。


■具体例

 この記事自体が具体例です。各パラグラフに1つのトピックが割
り当てられている次のことを確認してください。



【プロフィール】

 倉島 保美(くらしま やすみ)

 NECエレクトロニクス(株)勤務 兼
 早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員 兼
 京都大学霊長類研究所非常勤講師
 
 LSIの開発を本業とするかたわら、企業や大学で日本語/英語
 のライティング、ディベート、論理的思考、プレゼンテーション
 などを指導。

 著書:『書く技術・伝える技術』あさ出版
    『理系のための英語ライティング上達法』講談社
    『理系のための英語便利帳』講談社(共著)

 ホームページ:http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
 ぜひお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌はインターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用してします。
 http://www.mag2.com/

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
メールマガジン「実践!作文研究」No.190 2003/9/28 読者数2168
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2003 実践!作文研究会
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「パラグラフ・ライティングのすすめ   
「第190号の感想」を書く 戻  る トップページへ

メールマガジンのご案内へ