メールマガジン「実践!作文研究」
第186号(2003.8.31)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第186号 2003年8月31日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、上條晴夫さんの「家庭でできる作文力向上のヒント」を
お送りします。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.家庭でできる作文力向上のヒント−−
                                      上條晴夫

 ベネッセコーポレーションの小学校・中学校の作文教材づくりに
協力している関係で、時々,保護者向けの冊子からインタビューを
受けることがある。先日も6年生の「月刊おや?BOOK」という
冊子のインタビューを受けた。取材項目は次の3点だった。

 1)文科省発表の学力テストの分析結果で、子どもの表現力・作
   文力の低下が指摘されたが、この状況をどう考えるか?
 2)その状況を踏まえて、今後の作文指導はどう変わっていく必
   要があるか?
 3)子どもの表現力・作文力の低下を防ぐために、家庭ではどん
   な取り組みをすればよいか?

 学力テストの調査結果(平成13年度小中学校教育課程実施状況調
査)については国立教育政策研究所の次のホームページにある。
  http://www.nier.go.jp/homepage/kyoutsuu/seika0212_01.htm
 この結果については、それぞれが判断を加えて欲しい。ここでは、
2)と3)に関するわたしの考えとアイデアを紹介したい。まず2)
の今後の作文指導について、わたしは次のように答えている。

《面白い例があります。「好きな季節は?」と聞かれたとき、ほと
 んどの日本人は「春です」や「夏」など自分の“好み”の部分し
 か言いません。ところが、欧米では、「春です。なぜなら〜」と
 自分の意見に説得力を持たせるために必ず理由をいう習慣があり
 ます。文化の違いと言えばそれまでですが、これは意見文やレポ
 ートを書くときには欠かせたに視点です。この点で日本では作文
 の技術指導自体が弱く、「書きたいことを書く作文指導」から、
 今後は、「自分の意見や考えを的確に相手に伝えるための論理的
 な作文指導」が大きな課題になっています》

 次に、こうした前提を踏まえ、家庭でできる作文指導のヒントに
ついて話をしている。紙面の都合で、総論的な書き方になっていの
で、ここでは作文に役立つ自作の学習ゲームを2つ紹介する。

  ●番号作文ゲーム

 番号作文は、あるテーマ(EX:金魚・お祭り)にもとづいて、
それについて見て気づいたことや、考えたことを「<金魚>1・体
の色が赤っぽい。2・口をぱくぱくしている。3・目が横を向いて
いる。4・尾びれがひらひらしている…」のように箇条書きをして
いく。10個を目標にして、気づいたこと・考えたことを書く。
 作文の発想力を磨くトレーニングになる。親子でやる場合には、
文に書いてもいいが、交互に気づいたことを言い合うという方法を
するとよい。
「子:体が赤っぽい」「親:口をぱくぱくしている」「子:目が横
を向いている」「親:尾びれがひらひらしている」という具合であ
る。これならば旅先でも、簡単に実施できる。
 
  ●対決型問答ゲーム

 問答ゲームは、「あなたは○○がすきですか?」に対して、「わ
たしは○○が好きです。なぜかというと〜からです」と、質問に正
対をして答えをする(主張+理由)をするものである。たとえば
「あなたはネコが好きですか?」に対して、「はい。わたしはネコ
が好きです。なぜかというと目がかわいいからです」という。
 理由付きの主張のトレーニングになる。親子でやる場合は交互に
質問をして答えを言う。「対決型」にするには3秒以内に答えられ
なかったら負けというルールを加える。難易度の調整には、理由の
数を指定したり、本音と逆の理由を言ったりする。「あなたはサッ
カーが好きですか?理由は2つ!」のような質問をする。

 いずれも「書く」ゲームではなく、「話す」ゲームになっている
が、こうした基本的なゲームを楽しむことで、論理的に書くことの
基礎となる力を磨くことができる。こうした遊びを家庭の中や旅先
などで、くり返し楽しむことで、作文を書く時の前提になる発想力
と論理力を養成できる。ぜひ実際に試してみてほしいと思う。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 上條晴夫(かみじょう はるお)

 教育ライター・埼玉大学非常勤講師。
 現在、授業づくりネットワーク代表、全国教室ディベート連盟常
任理事、メディアリテラシー教育研究会代表、実践!作文研究会代
表、日本テレビニュースアドバイザリー委員をつとめる。
 著書・編著書
 『見たこと作文でふしぎ発見』
 『書けない子をなくす作文指導10のコツ』
 『子どもが熱中する作文指導20のネタ』
 『見たこと作文でクラスが動く』
 『見たこと作文実践ネタ集』
 『だれでも書ける作文ワークシート』
        (以上、学事出版 http://www.gakuji.co.jp/
 『総合的な学習のための教育技術−調べ学習のコツと作文的方法−』
        (健学社 http://www.kengaku.com/
 『文章を上手につくる技術』
        (あさ出版 http://www.asa21.com/
 ほか多数。

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、まぐまぐで3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
 ぜひお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
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○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 「まぐまぐ」以外からの発行は今回で終了し、次回からは「まぐ
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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(C) 2000,2003 実践!作文研究会
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