メールマガジン「実践!作文研究」
第181号(2003.7.27)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第181号 2003年7月27日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、倉島保美さんのミニ連載「ディベート立論原稿の書き方」
(全3回)の第2回をお送りします。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.ミニ連載−−

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ディベート立論原稿の書き方(2)
    発生過程の説明方法
        ライティング・インストラクター  倉島 保美
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 「ディベート立論原稿の書き方」の第2回目は、発生過程の書き
方について説明します。発生過程では、プランからメリット/デメ
リットが発生する過程を、ステップ・バイ・ステップで説明します。
論証するところなので、立論で最も重要な箇所です。

 しっかりと論証するには、ロジックを分かりやすく説明すること
と、ロジックをデータで補強することが大事です。両方できてはじ
めて、ジャッジを説得できます。


■説明方法には2種類ある

 発生過程の説明方法には、おおむね次の2種類があります。
1.現状をマイナス(メリット)/プラス(デメリット)として、
  プランによって0に向かう
2.現状を0として、プランによってプラス(メリット)/マイナ
  ス(デメリット)に向かう


■マイナス/プラスから0に向かう場合

 これは、現状はマイナス/プラスの状態であり、プランを導入す
ることで、そのマイナス/プラスの状態がなくなる場合です。マイ
ナス/プラスがなくなるので、メリット/デメリットであるという
主張です。

 たとえば、原子力発電所の廃止による危険回避というメリットは、
この典型例です。現状では、原子力発電所は事故の可能性という深
刻なマイナス要因を持っています。これに対して、プラン(原子力
発電所廃止)により、そのマイナス要因がなくなります。このマイ
ナス要因がなくなることがメリットとなるわけです。

 発生過程を述べるには、現状をスタートポイントに置きます。つ
まり、現状は、プランが施行されていないために、いかにマイナス
/プラスであるかを、ステップ・バイ・ステップで説明します。次
にプランにより、現状のマイナス/プラスがなくなるので、メリッ
ト/デメリットが発生すると述べます。

流れ:
 1. 現状はAなので、Bになっています。
 2. Bなので、Cという<デメリット/メリット>を生んでいます。
 3. プランを導入すると、Aでなくなるので、必然的に<デメリッ
   ト/メリット>がなくなります

具体例:
 現状、原子力発電所は深刻な危険性をはらんでいます。原子力発
電所の中には、活断層の上に建てられているものもあるので、直下
型地震をもろに受ける可能性があります。その結果、原子炉の崩壊、
炉心溶融、大爆発あるいは致命的な放射能漏れという危険を持って
いるのです。プランを導入すれば、原子力発電所そのものがなくな
るのですから、必然的にこの危険はなくなります。
 
  注)この例は、説明の流れを示したものであり、実際の立論で
    は、もっと詳細な説明が必要です。


■0からプラス/マイナスに向かう場合

 これは、現状がどうであるかに関係なく、プランを導入すること
が、直接的にプラス/マイナス要因を生む場合です。

 たとえば、サマータイム制導入による省エネというメリットは、
この典型例です。このメリットの場合、現状を説明する必要は特に
ありません。単に、サマータイム制を導入すると、どういう理由か
らエネルギー消費が減るかを説明すればよいのです。

 発生過程を述べるには、プランをスタートポイントに置きます。
つまり、プランをスタートに、メリット/デメリットのラベルをゴ
ールにして、メリット/デメリット発生する手順を、ステップ・バ
イ・ステップで説明します。

流れ:
 1. プランを導入すると、Aになります。
 2. AになるとBします。
 3. したがって、<メリット/デメリット>が発生します

具体例:
 サマータイム制を導入すると、人が活動している時間における明
るい時間が増えます。明るければ、人は照明をつけません。したが
って、その分だけ省エネになります。


■データにも2種類ある

 ロジックができたら、次にデータでそのロジックを補強しなけれ
ばなりません。ロジックがいくらしっかりしていても、データがな
ければ説得はできません。たとえば、先のサマータイム制による省
エネの例では、照明をつけないことで、どの程度の省エネになるか
のデータがなければなりません。

 データには、次の2種類があります。
  1.専門家の意見
  2.客観的な数値(特に統計的な数値)

 このうち、特に大事なのは2の「客観的な数値」です。なるべく
客観的な数値のデータを引用して、立論を補強しましょう。
 

■意見のデータ

 これは、専門家の意見を紹介することで、自分たちの立論を補強
するデータです。たとえば、先の原子力発電所廃止の例で、「活断
層の上に建てられているものもあるので、直下型地震をもろに受け
る可能性があります。」というパートを補強するために、地震研究
者の次のような意見を引用するデータです。
 「活断層の上では、直下型地震が多発しています。」

 この「意見のデータ」は、ディベート的にはあまり重視されませ
ん。ディベートでは、専門家の意見だからといって鵜呑みにするわ
けではないからです。あくまで、一人の専門家の意見であり、事実
であるかはわからないという判断をします。したがって、述べない
より効果はありますが、立論を十分に補強するほどではありません。


■数値データ

 これは、数値(特に統計的な数値)を示すことで、自分たちの立
論を補強するデータです。たとえば、先の原子力発電所廃止の例で、
「活断層の上に建てられているものもあるので、直下型地震をもろ
に受ける可能性があります。」というパートを補強するために、活
断層上での直下型地震の頻度を、具体的な数値で示すようなデータ
です。

 この「数値データ」は、「意見のデータ」に較べると立論を補強
するのに効果的です。意見と異なり事実なので、客観性が高いため
です。ただし、データの出典が中立的な機関であることが求められ
ます。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 倉島 保美(くらしま やすみ)

 NECエレクトロニクス(株)勤務 兼
 早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員 兼
 京都大学霊長類研究所非常勤講師
 
 LSIの開発を本業とするかたわら、企業や大学で日本語/英語
 のライティング、ディベート、論理的思考、プレゼンテーション
 などを指導。

 著書:『書く技術・伝える技術』あさ出版
    『理系のための英語ライティング上達法』講談社

 ホームページ:http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/

       ◆       ◆       ◆

−−3.PRその1−−
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|   「 お 笑 い 教 師 同 盟 (仮) 」    |
|  教育に笑いを!子どもに笑顔を!           |
|            お笑いから教育技術を学ぼう!  |
| http://www.geocities.co.jp/NeverLand-Homeroom/7743/  |
| (会員募集中…現在の会員数は41(先週+5)人です) |
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−−4.PRその2−−
┌────────────────────────────┐
|宇宙エッセイスト協会会長さん『爆笑美女エッセイ』PART4 |
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(前回(PART1〜3)の案内は、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/149.html
 をご覧ください。以下は宇宙エッセイスト協会会長さんからの
 メッセージです)

皆様お久しぶりです。
宇宙エッセイスト協会会長です。
PART3から約1年ぶりにPART4を出版にこぎつけました。

この間、北は北海道、南は大分まで多くの方からご注文をいただき
ました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
(「多い」と言う言葉については触れないでおきますが、この件に
 関しては、PART4をどうぞ!)

今回のエッセイには私、宇宙エッセイスト協会会長が、ちょっとし
た用事で、一般の方とは違う
「7泊8日の台湾旅行(?)」
をした、26ページの大作も!
〜う〜ん・・もう一回自分で読んでみたけど、面白い!
こんな台湾旅行した人、そうはいない!
社会の先生がお読みになるといいかも。
ホームルームの時間にちょっとしたねたとしてもつかえそう。

そうそう、またテレビに出たんですが、
テレビ局の裏側ちょっと覗けるエッセイもあります。

ほかにはね〜
「なまず」「母の赤面」
・・・どれも面白くて、どれっていえない。

そして最後のエッセイは、
≪超感動さわやかもの≫(題名は秘密)
です。
心地よい読み味をお楽しみくださいませ。

◇代金

 1冊 各500円

◇支払い方法

 代引とか振替とかあります。直接宇宙エッセイスト協会会長さん
に相談してください。
 下の枠に必要事項を書いて、返送すれば私宛にメールが届きます。
その後、私から宇宙エッセイスト協会会長さんに連絡します。
 購入したい方と、宇宙エッセイスト協会会長さんとの間で連絡を
取り合ってもらい、会長さんから皆さん宛に本が届くという仕組み
です。
 先着順ですが、なくなったら増刷してくれるようです。
 個人情報には十分注意して対応させていただきます。

◇お問い合わせ

 松田善啓( yo_mazda@nifty.com )
 こちらにメールをくださればエッセイスト協会会長さんに
取り次ぎます。

◇お申込み

 下記に必要事項をご記入の上、返信して下さい。

┌────────────────────────────┐
|『爆笑美女エッセイ』申し込み

|1 〒
|2 住所
|3 氏名
|4 メールアドレス
|5 申し込み冊数
|  パート1   冊
|  パート2   冊
|  パート3   冊
|  パート4   冊
|6 メッセージ


└────────────────────────────┘

       ◆       ◆       ◆

−−5.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、まぐまぐで3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
 ぜひお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 9月より「まぐまぐ」に一本化します。
 「まぐまぐ」以外で購読の方は、今のうちに「まぐまぐ」に
 変更をしておいてください。

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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2003 実践!作文研究会
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