メールマガジン「実践!作文研究」
第179号(2003.7.13)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第179号 2003年7月13日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は木越憲輝さんの新連載「算数科や社会科の授業での作文的
方法」の第3回です。算数科における公式の説明文についてお送り
します。
 みなさんからのご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「算数科や社会科の授業での作文的方法」−−
                        東京・小学校
                          木越憲輝

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算数科の授業での作文的方法
        算数公式説明文
                聖学院小学校  木越 憲輝
============================================================

■「算数公式説明文」とは

 三角形の面積の求める「底辺×高さ÷2」という公式がある。
このような公式の意味を説明する文を、「公式説明文」とした。
 以下のような文を児童が書いた。
┌────────────────────────────┐
│「三角形の面積=底辺×高さ÷2」の式を平行四辺形の面積の│
│求め方を使って説明します。               │
│ まず、合同な三角形を2つくっつけると、平行四辺形になり│
│ます。                         │
│ 次に、平行四辺形の面積を「底辺×高さ」で求めます。  │
│平行四辺形は、合同な三角形の2つ分なので、三角形の面積を│
│求める時は、÷2ということになります。         │
│ だから、三角形の面積を求める式は「底辺×高さ÷2」にな│
│るのです。                       │
└────────────────────────────┘
 用紙に図を入れてもよいことにして、説明文を書いている。

 書く時の条件は、以下の2点だ。
(1)「平行四辺形」か「長方形」という言葉を使うこと。
(2)「平行四辺形の面積の求め方」か「長方形の面積の求め方」
   を利用すること。
「平行四辺形」と「長方形」はすでに学習していたのでそれを利用
させるために、条件付きで書かせた。

 子どもたちは、書く前に、操作活動をし、公式の考え方を学習し
ている。そのため、子ども自身が公式の意味の理解度を確認する為
に書く作業を取り入れた。
 「算数公式説明文」は、三角形の面積の公式に限らず、他の公式
の意味の説明や 決まりを証明する時に、理解を深めるために活用
できる。

■「算数公式説明文」の指導例

 小学校5年生の単元「図形の面積」の授業の一部である。

(1)操作活動をする。
 前時に、色紙を使って合同な三角形を作り、それを切ったり、
くっつけたりして、平行四辺形や長方形に変形する活動を行った。

(2)説明場面を想定させる。
 そして、次の時間の後半10分位を使って、
『まだ三角形の面積の公式を勉強していない隣のクラスの子に公式
を説明するとしたら、どういう風に説明しますか。』
と場面想定をさせて、以下のようなプリントを配布した。
┌────────────────────────────┐
│         三角形の面積の求め方         │
│              名前 (         )│
│「三角形の面積=底辺×高さ÷2」の式を         │
│(平行四辺形、長方形)の面積の求め方を使って説明します。│
│ まず、                        │
│ 次に、                        │
│ そうすると、                     │
│                            │
│ だから、三角形の面積を求める式は「底辺×高さ÷2」に │
│なるのです。                      │
└────────────────────────────┘
『「平行四辺形」か「長方形」はすでに面積の求め方も知っていま
 す。ですから、その言葉は必ずどちらかを使いましょう。』
『平行四辺形の面積を求める式か長方形の面積を求める式も使って
 説明しましょう。』 
図を入れて、説明してもよいし、教科書を参考にしてもよいことに
した。

(3)添削する。
 すぐに、出来た子から添削をした。図がないと分かりずらいもの
は、図を入れるように指導した。その他はだいたい認めていった。
 子どもたちの書いたものには、以下の三つの傾向が見られた。
 第一のタイプは、合同な三角形がある所から説明を始めていた。
最も多いパターンだった。
┌────────────────────────────┐
│(プリント部分略)・・・(図も省略)          │
│ まず、もう1個合同な三角形をさかさまにして、つけます。│
│ 次に、平行四辺形になったら、この平行四辺形の面積を求め│
│ます。                         │
│ そうしたら、この平行四辺形は、もとの三角形の2倍の大き│
│さなので、「÷2」をします。              │
│ だから、・・(プリント部分後略)           │
└────────────────────────────┘
 一番最初に見せに来た子もこのタイプだった。一番最初に見せに
来た子がいた状態で、まだ書き出せてが無かった子が2名いたので、
『こんな風に書いてきましたよ。』といってみんなの前で児童の書
いたものを読みあげた。すると、「ああ、そういう風に書くのか」
といって書き始めた。

 第二のタイプは、平行四辺形がある状態から説明を始めた。
┌────────────────────────────┐
│(前略)                        │
│ まず、平行四辺形の面積を、底辺×高さの式で求めます。 │
│ 次に、平行四辺形の1つの頂点を決めて、そこから対角線を│
│ひきます。                       │
│ そうすると、合同な三角形が2つできるので、半分が三角形│
│の面積です。                      │
│だから、・・・(後略)・・・              │
└────────────────────────────┘ 
 第三のタイプは、具体的数字を使って説明するタイプ。算数を苦
手とする子に多かった。
┌────────────────────────────┐
│(前略)長方形の面積の求め方・・・(図省略)      │
│ まず、長さをはかる。よこが5CM、たてが3CMだった。│
│ 次に、5×3をする。                 │
│ そうすると、15になって「わる2」をする。      │
│ なんで「わる2」になるかというと、長方形を半分にすると│
│ (図へ矢印あり)三角形だから。            │
│ そうすると、三角形の面積は7、5になる。       │
│ だから、・・・(後略)                │
└────────────────────────────┘
 私にとって予想外の書き方で大変興味深かった。
『具体的に数字を使って、説明していると分かりやすいですね。』 
と、伝え、皆にも紹介することができた。

■考察
(1)今までの振り返りができた。
  その時間の振り返りというわけではなかったが、前の時間の
  学習を振り返る作業ができたので、書く作業を入れたのは良か
  った。
(2)授業後半10分間が有効だった。
  書く時間が短いとも思えるが、短時間で終わりの時間が見えて
  いたので、書くことに集中していた。短時間ということもあり
  書くことに抵抗を感じなかったようだ。
(3)子どもの理解状況が把握しやすかった。
  子どもたちの図形公式の理解度を、練習問題を解かせることに
  よって知ることもできるが、文を書かせることにより、より明
  確に理解状況を知ることができて、良かった。
(4)子ども自身が理解度を再確認できた。
  説明文を書かせることによって、授業中に、なんとなく説明を
  聞いていたり、目的を忘れて作業をしていた子が、教科書やノ
  ートを見返して、必死に文を考えていた。子ども自身が、分か
  っていなかったことに気づいたり、分かっていたことに気づく
  ことができたようだった。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会
 著書:蔵満逸司・上條晴夫編『小学校算数の学習ゲーム集』
                       (学事出版)
       ◆       ◆       ◆

−−3.PR−−
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−−4.編集後記−−

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 ていて、まぐまぐで3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
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 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
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