メールマガジン「実践!作文研究」
第177号(2003.6.29)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第177号 2003年6月29日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、上條晴夫さんの「わたしの文章添削術」をお送りします。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.わたしの文章添削術−−
                                      上條晴夫

■添削は当たり前

 数年前から公開文章講座をするようになった。
 仕事に必要な「わかりやすい文章の書き方」を教えている。
 参加者は毎回二十名弱で程良い人数である。 
 この講座で驚いた点が一つある。
 受講者で「文章は一度書いたらそこで終わり」と思っている人が
予想以上に多いことだ。仕事で文章を書く人間にとって文章添削は
不可欠の作業である。文章添削が当然のことである。
 この点をわかってない人が案外多いようだ。

■わたしの文章添削術「とりあえずの」3箇条

 教師時代はよく小学生たちの作文を添削した。
 教育雑誌に関わるようになって先生方の文章も添削させてもらう
ようになった。ディベートトレーナーをやるようになって大学生や
企業の方のスピーチ原稿を添削することが増えた。
 それらの経験をもとに文章添削術を書く。

 1)むずかしい言葉を直す。

 ある大学のディベート合宿に参加させてもらった。
 学生が休み中に作った立論原稿をわたしのところにもってきて、
「うまく作れているかどうか見て下さい」という。
 書式に従って書いているので構成はよい。
 しかし一つ一つの議論がやけにむずかしい。カタカナ語と漢語の
量が半端でない。「この××はどういう意味?」「この意味は?」
と一つずつ言葉の意味を確認した。うまく答えられる言葉もあった
が、しどろもどろになる言葉も少なくない。「カタカナ語や漢語の
ようなむずかしい言葉を使わない」で書き直すように指示した。
 添削後の文章は圧倒的にわかりやすくなっていた。

 2)書き出しに神経を使う。

 院内学級のことを書いた教育レポートを読んだ。
 院内学級とは「病気やケガ等で長期にわたる入院治療を余儀なく
された子どもに学校教育を保障するために入院しながら学ぶことが
できるようにした病院内にある学級のこと」である。
 その院内学級での指導のようすを書いたレポートだったのだが、
書き出しに院内学級のシステムの説明がないので、教師と子どもの
ドラマがうすボンヤリとしか伝わってこない。
 このタイプの文章は専門家の書く文章に多い。専門家には現場が
あまりにも当たり前なので、「現場常識」を説明しようと思わない
からだろう。しかしそこを説明しないと中身が伝わりにくい。
 レポートは書き出しを直したら急にすっきりした。

 3)特定できる事実を書く。

 小学生たちによく授業レポートを書いてもらった。
 自分の学習体験をふり返るために授業の様子をできるだけ端的に
報告してもらう。その授業レポートでいつも気になったのが特定で
きる事実を上げずに感覚的に良し悪しをいう文章だった。
 たとえば「途中から授業がわからなくなった」という文章がある。
「途中から」とはどこからのことか。全員で実験をした時か、実験
のまとめの時か、まとめの発表の時か。「途中」を特定できるよう
に書かない文章はわかりずらい。忙しくて当て推量で読んでしまう
こともあったが、子どもを呼び出して聞くことが多かった。
 聞いて曖昧文を事実を特定できる文に書き直した。
 それだけで文は見違えるように明瞭になった。

■添削をする際の心構え

 レポート検討会などで気がついた点を全部言う人がいる。
 まるで散弾銃を撃つように自分の気がついたことを次から次へと
言っていく。わたしも以前はそんなふうにやっていた。しかし全部
指摘したとしても必ずしもよくならないことに気づいた。
 一回の添削で直せるのは3つぐらいまでだろう。
 ただし自己添削は繰り返しやるほどよい。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 上條晴夫(かみじょう はるお)

 教育ライター・埼玉大学非常勤講師。
 現在、授業づくりネットワーク代表、全国教室ディベート連盟常
任理事、メディアリテラシー教育研究会代表、実践!作文研究会代
表、日本テレビニュースアドバイザリー委員をつとめる。
 著書・編著書
 『見たこと作文でふしぎ発見』
 『書けない子をなくす作文指導10のコツ』
 『子どもが熱中する作文指導20のネタ』
 『見たこと作文でクラスが動く』
 『見たこと作文実践ネタ集』
 『だれでも書ける作文ワークシート』
        (以上、学事出版 http://www.gakuji.co.jp/
 『総合的な学習のための教育技術−調べ学習のコツと作文的方法−』
        (健学社 http://www.kengaku.com/
 『文章を上手につくる技術』
        (あさ出版 http://www.asa21.com/
 ほか多数。

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−−3.PR−−
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|    (HP正式公開&会員募集を開始しました)    |
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−−4.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。2年以上発行し
 ていて、まぐまぐで3000部を突破することが殿堂入りの条件です。
 本誌は2000年創刊なので、1つめの条件はクリアしています。
 ぜひお知り合いにおすすめください。
○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C) 2000,2003 実践!作文研究会
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