メールマガジン「実践!作文研究」
第175号(2003.6.15)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第175号 2003年6月15日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、石川晋さんの連載「文学を使って作文をしよう」の第2
回をお送りします。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「文学を使って作文をしよう」−−

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文学を使って作文をしよう
        第2回 最終感想はテーマを絞り、対比の手法で
             広尾町立広尾中学校教諭  石川 晋
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 連載2回目です。今回は、中学校1年生の作文です。
 東京書籍の中学校国語1に掲載されている吉橋通夫『さんちき』。
幕末の時代を背景に、さんきちと車大工の親方の軽妙なやりとりが
楽しい物語教材です。話が動き出すのは、物語の後半、突然、すぐ
近くの軒下に抗争の犠牲になったと思われる侍が倒れこんでくる場
面あたりからです。
 私は、『さんちき』は基本的に、親方とさんきちとの軽妙なやり
とりを音読で楽しめればよい教材と考えています。ただ、読み取り
では、どうしてもこの侍のことを避けて通るわけにはいきません。
 そこで、最後の時間に、車大工と侍の違いについて、ウェビング
を使って、作品中の描き方の違いをどんどん出させました。さらに、
そこからイメージを外へと膨らませました。
 1年生はまず、車大工は車を残すが侍は何も残さない、といった
作品の中に書かれていることを指摘します。さらに膨らませていく
と、国のために命をなげうって闘おうとする侍と、コツコツと地道
な努力の末に死んで後も車を残す車大工との生き方や考え方の違い
について口にするようになります。
 最後に、「車大工と侍の生き方の違いについて、考えをまとめな
さい。ただし、本文中の部分を引用すること」という課題で作文を
まとめさせました。約10分の作業時間です。生徒は大変集中し、全
員が作文を提出しました。
┌────────────────────────────┐
| テーマを絞って最終感想を書かせる。          |
| 対比の観点を提示する。                |
└────────────────────────────┘
 この二つが、全員が取り組めた理由と考えます。
 ただ最終感想を書かせるのではなく、テーマを絞る。そして、で
きれば主役と対役、他の物語との比較など、「比較」の手法を使っ
て書かせる工夫があると、生徒は書きやすいといえます。また、
「対比」が「類比」よりも、違いが明確になるので書きやすいとい
う特徴があるようです。
 内容はまだまだ心もとないものですが、こうした作文を若干形式
・方法を変えて何度か繰り返していくことで、生徒は書けるように
なる、と考えています。

<生徒の作文から>

┌────────────────────────────┐
|                        N子  |
| 私は、「さんちき」の中で一番心に残っている所がありま |
|す。                          |
|「あの侍の目は、死ぬまぎわやっちゅうのに憎しみでいっぱい|
| やった。侍たちはやたらと殺しおうてばかりや。国のためや|
| とか言うてるけど、殺し合いの中からいったい何をつくりだ|
| すというんじゃ。」                  |
| 侍の苦しさがよくわかる。今は、平和という事が実感できま|
|した。                         |
| 車大工は大変だけど100年もの間、自分の作った車をつか|
|われつづけるのはいいなーと少しあこがれました。     |
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
|                        T介  |
| さんちきを読んで思ったことは、車大工と侍では、生き方が|
|全くちがうんだなぁと思いました。たとえば、       |
|「侍たちは、なんにも残さんと死んでいくけどわしらは車を残|
| す。」                        |
|という文で、侍はあんまり意味がなく殺し合っているけど、車|
|大工は、祇園祭りのために車をつくり百年もつかわれつづける|
|から、車大工は侍よりもめちゃくちゃすごいと思いました。 |
└────────────────────────────┘

【今回の執筆者のプロフィールです】

石川 晋(いしかわ しん)
    北海道・広尾町立広尾中学校教諭
    日本児童文学者協会会員
    学校図書館に人を・・・情報誌「ぱっちわーく」発行同人
    教育サークル「ぱいおにあ」代表
    『授業づくりネットワーク』編集委員

       ◆       ◆       ◆

−−3.PR−−
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|   「 お 笑 い 教 師 同 盟 (仮) 」    |
|  教育に笑いを!子どもに笑顔を!           |
|            お笑いから教育技術を学ぼう!  |
| http://www.geocities.co.jp/NeverLand-Homeroom/7743/  |
|    (HP正式公開&会員募集を開始しました)    |
└────────────────────────────┘
−−4.編集後記−−

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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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