メールマガジン「実践!作文研究」
第171号(2003.5.18)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第171号 2003年5月18日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は石井淳さんの連載「楽しい『鉛筆対談』」の第2回です。
 みなさんからのご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・楽しい「鉛筆対談」2 −−
                        秋田・小学校
                          石井 淳
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 楽しい「鉛筆対談」2
   『風呂,メシ,寝る』オヤジには,なるなよ!
              秋田市立金足西小学校  石井 淳
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■地味な日常会話を取り上げる

 鉛筆対談の実践例は本連載開始の前にも,前連載の中のバックナ
ンバー144号「えんぴつだけで じまんくらべ」というタイトル
で紹介している。
 前回紹介した実践タイトル「でもでもバトル」と同様に,二人で
行う鉛筆対談の中に,競争的なゲーム性をもたせる工夫をしたもの
であった。ゲーム性をもたせねらいは,対話を進める原動力を生み
出すためである。
 しかし,私たちの日常会話に,ゲーム性はほとんど存在しないの
が普通である。そこで,ごくありふれた日常会話の場面を再現しな
がら,鉛筆対談を行う授業を試みた。

■ねらい…『風呂,メシ,寝る』オヤジには,なるなよ!

 普段の私たちの生活における日常会話を振り返ってみると,よっ
ぽどの話し好きな人でない限り,「必要最小限かそれ以下の会話」
で終わっていることが多くないだろうか。
 特に,あまり相手に気遣いをする必要がない家族の中の会話は,
仕事から帰ったオヤジが「風呂,メシ,寝る」としか言わないとい
う笑い話の状況と,さほどかわらないかもしれない。
 そこで,子どもたちにも,普段の日常会話を鉛筆対談という書く
活動を通して見つめ直し,ほんの少しだけ,「会話らしい会話」を
心がけるようになってほしと考えて授業をしてみた。
                    (小学校中学年から)

■授業の実際(4年松組)

(1)普段の会話を書く

 親の質問を前もって書いておいた学習シートを手渡す。
 それに,自分だったらいつもはどんなふうに答えているのかを書
く作業から始める。

(2)発表する

 書き終えたら,数人に発表してもらう。
 参考例
┌────────────────────────────┐
│今日,先生にほめられた?                │
│   ううん。                     │
│何かで大笑いした?                   │
│   うん。                      │
│友だちと,何をして遊んだの?              │
|   歌って。                     │
│友だちに,やさしくしてもらったことはあったの?     |
│   うん。                      │
│友だちに,何かやさしくあげたかな?。          │
│   ううん。                     │
│そうだったの,冷蔵庫におやつがはいっているよ。     │
│   食う。                      │
└────────────────────────────┘
ほとんどが,上記のような答え方である。

(3)オヤジを演じる(教師)

『みんなは,こんな会話をするオヤジがいるのを知っているかな?』
教師が,帰宅したオヤジとその妻(家族)との会話を演じてみせる。

   ガチャ(玄関ドアをオヤジが開けて仕事から帰ってきた)
 妻(家族) :  お帰りなさい。お仕事おつかれさま。
 オヤジ   : ウム…。(ほとんど無言)
  オヤジ   : 風呂!(と,言って風呂場に行く)
  オヤジ   : (風呂からあがってきて)メシ!
          (と,言って食卓へつく)
  オヤジ   : (食後はゴロンとなってナイターを見てから) 
         (むっくと立ち)……寝る!

『日本には,こんなオヤジがかなりいるようですよ。』
『実は,私もそのうち の一人になってしまう日もあります』
『働いて帰ってくるお父さんやお母さんは,本当に疲れているはず
 です。でも,いくら疲れているからといって,「風呂,メシ,寝
 る」とだけしか言わないのでは,一緒に暮らしている家族として
 は,さみしいですよね。』
 笑いながら教師の演技を見ていた子どもたちも,「そうだなあ」
という顔つきで話を聞き始める。

(4)自分の「オヤジ度」判定

『みんなが書いてみたシートをもう一度見てみましょう。』
『さっきのオヤジと,そうかわらない話し方をしていませんか?』
・・・・・,
「先生,ぼくもオヤジだった!」(一同爆笑)

(5)家族にも優しい会話に

『では,シートにさっき書いた欄の右に「もっとこんなふうに答え
てみようかなと思った言い方にして,書き直してみましょう。』
  参考例
┌────────────────────────────┐
│今日,先生にほめられた?                │
│   ううん。 (ううん,何にもなかった。)      │
│何かで大笑いした?                   │
│   うん。  (うん。教室にはった私の顔が超うけた。)│
│友だちと,何をして遊んだの?              │
|   歌って。 (お楽しみ会の歌の練習したよ。)    │
│友だちに,やさしくしてもらったことはあったの?     |
│   うん。  (うん。のぞみさんが,私が歌うときに  |
│         場所を空けてくれたの。)       │
│友だちに,何かやさしくあげたかな?。          │
│   ううん。 (ううん,ぜんぜん。)         │
│そうだったの,冷蔵庫におやつがはいっているよ。     │
│   食う。  (食べる,食べる。ありがと!)     │
└────────────────────────────┘
 書き終えたら,数人に発表してもらい,次は,二人組みの鉛筆対
談をする。
 二人で,母親役と子ども役になる。前段のシートのような家族の
会話(日常会話)を鉛筆対談でやってみるのである。
 紙幅の都合で,このあとの授業の様子は省略する。

■宣伝

 今回使用した学習シートは,拙著『話すこと・聞くことワークシ
ート』(学事出版)を利用しています。手にとって見ていただけれ
ば幸いです。
http://www.gakuji.co.jp/

【今回の執筆者のプロフィールです】

 石井 淳(いしい じゅん)
 秋田・秋田市立金足西小学校教諭
 主な著書:『見たこと作文実践ネタ集』(共著)
      『音読朗読群読の授業づくり』(共著)
      『コピー作文がおもしろい』(共著)
      『話すこと・聞くことワークシート』
      以上学事出版刊

       ◆       ◆       ◆

−−3.編集後記−−

○本誌は「まぐまぐ」殿堂入りを目指しています。ぜひ、本誌をお
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 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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