メールマガジン「実践!作文研究」
第168号(2003.4.27)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第168号 2003年4月27日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は石川晋さんの新連載「文学を使って作文をしよう」をお送
りします。
 みなさんからのご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.文学を使って作文をしよう−−

                       北海道・中学校
                          石川 晋

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文学を使って作文をしよう
         第1回 俳句鑑賞文
             広尾町立広尾中学校教諭  石川 晋
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 1年ぶりの連載になります。石川晋です。「文学を使って作文を
しよう」という連載タイトルを与えられました。国語教師の多くは、
現代文であれ古典であれ文学を愛する文学青年であった人がほとん
どです。時数が少なくなったとは言え、文学の授業を愛して止まな
い人が圧倒的多数です。
 今年度の連載では、文学の授業と「書くこと」とを結びつけるい
くつかの基本的な授業を紹介していきたいと考えます。

 今年度広域異動をしました。今まで住んでいた旭川市から260キロ
離れた港町広尾町へ転任となりました。教科書も、それまで使って
いた教育出版から、東京書籍に変わりました。日々新教材と格闘で
す。
 新しい中学校では中学校1年生全学級(3学級です)の他に、中
学校3年生を2クラス持っています。新入生は別として、私とは違
う先生との2ヵ年の歴史を持っている中学校3年生との授業は緊張
の連続です。特に、浜特有の、気立ては良いが多少気性の荒い生徒
たちです。
 東京書籍の『新しい国語3』は、最初に中島みゆきの『永久欠番』
という詩が取り上げられており、次が、『俳句を味わう』。虚子、
秋桜子、蛇笏、子規、山頭火の五句が選ばれています。この俳句の
授業(全3時間)の最後の時間に、最初の「書くこと」の授業を入
れようと決めました。鑑賞文です。
 生徒はどの程度の書く力があるのか、最初の数時間ではよくわか
りません。ですから、まず、教師が例示をし、それから生徒に書か
せることにしました。
 例文は、次の通りです。

┌────────────────────────────┐
|河東碧梧桐「赤い椿白い椿と落ちにけり」         |
|              一年副担任     石川 晋|
| 私は、碧梧桐の句が一番すぐれていると思います。    |
| なぜならば、「赤い椿」の花と「白い椿」の花が、「落ちに|
|けり」という結句でまとめられて、赤と白と地面の黒とが美し|
|い対比を見せて、私の脳裏にせまってくるからです。    |
| 定型のリズムを崩し、季語を二つ重ねるなど、伝統的な俳句|
|の形式に挑戦しながら、美を追求しようとする姿勢が見事で、|
|ほれました。                      |
└────────────────────────────┘

 例文は、本文のみだと170字程度です。例文は原稿用紙につけてあ
り、配布後教師が読み聞かせします。読み聞かせする時に、少しかっ
こつけて読む、というのがポイントです。
 原稿用紙は、200字です。
 ポイントは、二つ。

┌────────────────────────────┐
|1.三段落形式(序論・本論・結論)           |
|2.作品のことばを「引用」すること           |
└────────────────────────────┘

 書き出しは、私の書き出しをそのまままねてもいいこと、題名は、
選んだ俳句名をそのまま書けばいいことを確認しました。時間は10
分です。
 結果、2学級の生徒とも大変集中して取り組み、全員が提出する
ことができました。
 2学級の生徒は合わせて約60名です。「引用」のルールについて
は2名以外は出来ました。段落分けについては、10名程度できない
生徒がいました。課題が見えてきました。
 返却に際しては、全員にコメントをつけ、キャラクターのついた
スタンプを押しました。最初ですし、全員の作文に正対してコメン
トをつける姿勢を示すことが大切です。スタンプは「遊び」ですが、
中学生はこうしたものをおおむね喜びます。

<生徒の作文から>

┌────────────────────────────┐
|飯田蛇笏「をりとりてはらりとおもきすすきかな」     |
|                          M子|
| 私は、蛇笏の句が一番すぐれていると思います。     |
| なぜならば、「はらりと」ということばが、「すすき」の重|
|さをとてもよくイメージさせるからです。全部ひらがなで書い|
|てあるところも新鮮でした。「すすき」の様子を表しているよ|
|うに思えて感動しました。                |
| 定型のリズムを守りながら、ひらがなのよさを生かしている|
|ところに、とてもひかれました。             |
└────────────────────────────┘
(教師のコメント)
 「ひらがな」のやわらかさに注目していること、ひらがなで書き
表すことで、「すすき」の姿をイメージさせるような書き方になっ
ていることなど、この句のよさによく気がついていますね。「引用」
も段落分けもしっかりしています。

 よいものを全員に還流できるように、一枚文集にまとめることが
できればいいです。しかし、新年度のあわただしい中での実践。そ
こまで行うことはできませんでした。
 全員参加の保障ができたことは収穫でした。二時間の俳句の読み
の中で、各自が自分の好きな句を選び取ることができたことが全員
が取り組めた理由の一つです。そのことと、教師が型を与えること
の有用性もわかりました。作文を書く経験が乏しい生徒であること
もわかったので、「短作文」であることも重要でした。題材の設定
と書かせ方によって意欲を持って作文に取り組める生徒たちである
ことがわかった点が収穫でした。

【今回の執筆者のプロフィールです】

石川 晋(いしかわ しん)
    北海道・広尾町立広尾中学校教諭
    日本児童文学者協会会員
    学校図書館に人を・・・情報誌「ぱっちわーく」発行同人
    教育サークル「ぱいおにあ」代表
    『授業づくりネットワーク』編集委員

       ◆       ◆       ◆

−−3.勉強会情報−−

○「実践!作文研究会 第4回オフ会」【作文評価勉強会】

 実際の作文を持ち寄り、評価についての勉強会をやります。
 定員までまだ少しだけ余裕があります。
 決心がついていなかった方、まだ間に合います。ぜひ!

 2003年5月4日(日)10時〜17時
 新宿区四谷地域センター
 詳細→ http://www.jugyo.jp/sakubun/jsk/off4.html
 参加費 1000円
 なお、午後の検討会では次のようなレポート20部をご用意く
ださると幸いです。
 1)学校/学年
 2)指導の概略・・・・・・箇条書きでOK。
 3)子どもの作文・・・・5〜10作品(クラス全部も可)
 受付は、このメールマガジンへの返信でも行います。
 下の欄に必要事項をお書きの上、返信してください。
┌────────────────────────────
|実践!作文研究会第4回オフ会【作文評価勉強会】申し込み書
|・氏名
|・所属
|・住所
|・アドレス
└────────────────────────────

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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(C)実践!作文研究会 2000,2003
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