メールマガジン「実践!作文研究」
第167号(2003.4.20)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第167号 2003年4月20日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は池田修さんに、作文指導の面白ミニネタ「お神籤作文」を
紹介して頂きました。
 みなさんからのご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.作文指導の面白ミニネタ「お神籤作文」−−

                        東京・大学院
                          池田 修

 こんにちは、みなさん。池田修です。今年度は楢原中学校に籍を
置いたまま、東京学芸大学の大学院となりました。少し中学校の教
育現場を離れて、自分の実践を振り返ってみたいと思っています。

 さて、作文のミニネタということで、ちょっとだけ書かせて頂こ
うと思います。

■ お神籤作文

 お神籤の形式の原稿用紙に、それぞれの項目の内容を書き、その
後クラスで抽選するという作文です。

 この作文は、本来三学期の始めに行う作文です。しかし、新年度
開始の時期にやっても子どもたちは喜ぶと思います。

 新年度には「今年の決意」などの作文を書かせることが多いと思
います。しかし、年度初めの忙しい時間に実施する割には、以下の
様な問題点があると思われます。

・作文の書き方を指導する時間がない。
・国語科の学級担任でないと作文の指導がしにくい。
・子どもたちは、(またか)という思いで作文の手を抜く。
・書き上げた作文をクラスで交流する時間がない。
・子どもたちの本音が出ているとは思われにくい。

 お神籤作文では、この問題点をクリアすることができるように思
えます。

■ お神籤作文のやり方

 次の5つのステップで行います。

1 学期の最初の学活で行う。
2 お神籤を配り、『この空白のお神籤に、あなたが考えた内容を
  記入してください。回収して、クラスでお神籤として使います』
  と指示する。
3  『責任の所在を明らかにします。名前も記入してください』と
  指示して回収する
4 担任が袋に入れて、生徒ひとり一人に引かせる。
5 引いたお神籤を教室の名表の、自分の名前の下に掲示する。

 です。

 お神籤には、次の6項目を用意します。

1 友人
2 クラス
3 健康
4 金運
5 学習
6 名前

 もちろん、クラスの実情に併せて、「恋愛」「進路」「旅行」な
どを入れても良いでしょう。

 子どもたちは、以下のような内容を書きます。

1 中吉 年賀状はしっかり返すべき。今からでも返せば大吉。
2 大吉 ゆったりとした三学期を遅れます。
3 小吉 勉強に追われて体調を崩しそう。早く寝よう。
4 小吉 お年玉をうっかり使ってしまうかもしれません。
5 吉  ただし、コツコツやらなければ大凶になるでしょう。

 お神籤のひな型や生徒の実例は、私のHPに載せてあります。参
考にしてください。

http://homepage.mac.com/ikedaosamu/gakkyuukeiei/3gakki/sinnshunn_omikuji.html

■ 何が良いのか?

 先ほどの問題点に関わって、ちょこっと考察してみます。

・作文の書き方を指導する時間がない。
 非常に短い文言なので、短時間で終わります。中学三年生で10分
 もあれば大丈夫です。

・国語科の学級担任でないと作文の指導がしにくい。
 近くの神社でお神籤を引いてきて、それを見本に書かせることが
 できます。
 また、フォーマットを教えて置いても良いでしょう。

1 小吉、末吉、吉、中吉、大吉という言葉を書かせる。
2 「〜になるでしょう」と未来を予測する書き方を教える。
3 「〜をすると良くなるでしょう」という書き方を教える。

 これで書けます。

・子どもたちは、(またか)という思いで作文の手を抜く。
 新しい形式なので、興味を持って取り組みます。

・書き上げた作文をクラスで交流する時間がない。
 お神籤を引いた後は、引いた人の名表の下に画鋲で貼り付けます。
 子どもたちは休み時間にそれを見て、喜んでいます。

・子どもたちの本音が出ているとは思われにくい。
 この作文では、お神籤の文言を書いているようでありながら、実
 は自分の希望や要求を書いていることが多いようです。つまり、
 お神籤に書かせた名前を見ながら、その子どもの要求を理解する
 ことができるわけです。

■ 注意

1 宗教上の取り扱いについて
 あくまでも遊びであって、宗教的な色合いはないのだということ
 を伝えておく必要があれば、伝えましょう。また場合によっては、
 実践しないことです。

2 凶の扱いについて
 子どもたちは、「凶」を入れようとします。大人であれば、
(ま、今が一番悪いだけ。これからは良くなる一方であろう)
 と流していくこともできますが、どの文章が誰に届くか分からな
いお神籤という性格上、学級の始まりの時期に凶を入れるのは避け
た方が良いでしょう。

3 欠席の生徒がいた場合
 担任が欠席人数分のお神籤を書いておくことです。欠席した生徒
が書かないと、自分が書いていながら貰えない生徒が出てきます。
また、欠席していた生徒が学校にやってきたときに、自分のお神籤
が名表の下にないと悲しいわけです。

【今回の執筆者のプロフィールです】

池田 修(いけだ おさむ)

 八王子市立楢原中学校。国語科教諭。国語科を実技教科にしたい
と考えている。
 平成15年度は、東京学芸大学大学院に大学設置基準14条特例
として、東京都教育委員会から派遣されて学ぶ。全国教室ディベー
ト連盟常任理事。
 単著
『中学校 国語科ディベート授業入門』(学事出版)
 主な共著
『ファックス資料 中学校・高等学校ディベートワークシート』
                        (学事出版)
『中学校 学級担任アイディアブック』(たんぽぽ出版)
『中学校学級担任のための ファックス資料集』(民衆社)
『てがるに読める 超簡単! デジカメで作る学級通信』
                        (学事出版)
『シリーズ学習ゲーム 論理的な表現力を育てる学習ゲーム』
                        (学事出版)
『お笑いに学ぶ教育技術ー教室をなごませるアイディア集』
                        (学事出版)
『授業規律で学ぶ力を うるさい授業よ、さようなら』
                        (学事出版)
 ほか。
 ホームページ http://homepage.mac.com/ikedaosamu/

       ◆       ◆       ◆

−−3.勉強会情報−−

○「実践!作文研究会 第4回オフ会」【作文評価勉強会】

 実際の作文を持ち寄り、評価についての勉強会をやります。
 定員までまだ少しだけ余裕があります。
 決心がついていなかった方、まだ間に合います。ぜひ!

 2003年5月4日(日)10時〜17時
 新宿区四谷地域センター
 詳細→ http://www.jugyo.jp/sakubun/jsk/off4.html
 参加費 1000円
 
 受付は、このメールマガジンへの返信でも行います。
 「氏名・所属・住所・アドレス」をお知らせ下さい。

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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