メールマガジン「実践!作文研究」
第162号(2003.3.16)


学力問題としての作文教育を考える
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 メールマガジン「実践!作文研究」
 第162号 2003年3月9日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、石井 淳さんの新連載「楽しい『鉛筆対談』」をお送り
します。ご意見・ご感想をお待ちしております。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・楽しい「鉛筆対談」1 −−
                        秋田・小学校
                          石井 淳
============================================================
 楽しい「鉛筆対談」1
   『でもでもバトル』は静かで愉快な戦い
              秋田市立金足西小学校  石井 淳
============================================================

■連載にあたって

 「鉛筆対談」とは,二人が話したいことを紙に書いて行う対談で
ある。口を使って話すのではなく,鉛筆で伝えたいことを一枚の紙
に書き,それを二人でやりとりしながら対話をしていく。
 一見,不自由な対話のように思えるが,意外に子どもは楽しんで
取り組む。話し言葉による対話が苦手な子どもにとっては,相手の
話をじっくり「読みながら」考えられるので,あせらずに対応して
いく(返事をする)ことができるのである。
 「鉛筆対談」の手法を活用しながら,一対一の楽しい対話をたく
さん経験していくことは,総合的な言語能力を鍛えていく意味でも
大変有効な手立てであるということを,これからの連載によって主
張できればと考えている。
 教室に限らず,家庭でも気軽に楽しめるネタを,毎回紹介してい
く予定である。

■今回のネタ・・・『でもでもバトル』

 『でもでもバトル』とは,簡単に言うと「あまのじゃくごっこ」
である。相手の言うことに対して,必ず「でも,・・・」と言い返
していくというルールで,言い返せなくなった方の負けというゲー
ムに仕組んだ鉛筆対談である。(小学校中学年から)

■授業の実際(5年松組)

 口達者の部類に入る子どもを一人指名して,教師の隣に立っても
らう。
『これからK君と『でもでもバトル』という戦いをします』
教師とK君は,向かい合ってボクシングのファイティングポーズを
とる。
『K君は,先生が言ったことに,必ず「でも・・・」と言い返しな
さい』
『言い返せなくなったら,君の負けだよ。では,いくぞ!』
まずは,教師から先制のジャブ。
『冬こそ,アイスがうまいよね』
K君は,すぐさま,お返しのジャブだ。
「でも,アイスといったら,やっぱり夏でしょう」
『でも,暖かい部屋で食べるから,冬のアイスはうまいんですよ』
「でも,冬に食べると,すぐ頭にキーンときますよ」
『でも,・・・ウーーン,参りました』
教師が降参し,その場で土下座のポーズ。
教室は大きな笑いに包まれた。
┌─────────────────────────────┐
│今みたいな,『でもでもバトル』を鉛筆だけを使ってやっていき│
│ます。(既に鉛筆対談に慣れているクラスである)      │
│話題は,次の例から選んでみましょう。           │
│・土日が休みだとうれしいよね               │
│・毎週,席替えすると楽しいよね              │
│・担任が一か月ごとにかわるといいよね           │
│・学校にジュースの自動販売機があるといいよね       │
└─────────────────────────────┘
 隣の席同士でペアを組み,さっそく始める。
 鉛筆の音だけが聞こえる静かなバトルの開始である。
 書き込んだ一枚の紙をやり取りする子どもたちの表情は,実ににこ
やかだ。
 5分程度の時間をとる。
 希望するペアに,書き込んだ対話を発表してもらう。

■作品例(その1)

┌─────────────────────────────┐
│学校にジュースの自動販売機があるといいよね。       │
│ でも,お金がなければ買えないよ。            │
│でも,持ってくればいいでしょ。              │
│ でも,おこづかいがないもの。              │
│でも,お母さんにもらえばいいでしょ。           │
│ でも,うちのお母さんはがんこだもの。          │
│でも,演技をすればもらえるよ。              │
│ でも,どうせ無視されるよ。               │
│でも,お父さんはどうなの。                │
│ でも,会社に行っていないもん。             │
│でも,おじいさん,おばあさんはどうなの。         │
│ でも,テストで100点とらないとくれないよ。      │
│(以下省略・・・時間切れで引き分け)           │
└─────────────────────────────┘
◎考察
 自動販売機の設置の是非ではなく,お金の確保をどうするかで終始
した対談となっている。
 これはこれで,一つの問題をめぐっての終始一貫した対談となって
いるので,合格と判断したい。

■作品例(その2)

┌─────────────────────────────┐
│学校にジュースの自動販売機があるといいよね。       │
│ でも,飲みすぎると給食が食べられなくなるよ。      │
│でも,一日に2本までにしておけばいいよ。         │
│ でも,それでも,給食を残しそうだよ。          │
│でも,飲まなければいいじゃないか。            │
│ でも,それだと販売機がある意味がないじゃないか。    │
│でも,飲む人がいるさ。                  │
│ でも,空き缶入れがないよ。               │
│でも,作ればいいじゃないか。               │
│  でも,作るとお金がかかるよ。              │
│でも,ダンボールで作ればいいよ。             │
│  でも,それでもお金はかかるよ。             │
│でも,みんなでスーパーのふくろを集めればいいよ。     │
│ でも,そもそも販売機は学校にいらないんじゃない?    │
│でも,・・・参りました。                 │
└─────────────────────────────┘
◎考察
 販売機設置の肯定側(話題提供者)が最後に降参した対戦(対話)
だった。応戦する側は,終始否定していったのに対して,肯定側の
主張に「ゆれ」か「まよい」が生じていたと思われる。
 肯定側である子どもが,どこまでも「販売機設置に賛成」の立場で
あることを忘れずに応戦していくのだという「助言」を途中で入ら
れるような机間巡視を心がけるべきだった。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 石井 淳(いしい じゅん)
 秋田・秋田市立金足西小学校教諭
 主な著書:『見たこと作文実践ネタ集』(共著)
      『音読朗読群読の授業づくり』(共著)
      『コピー作文がおもしろい』(共著)
      『話すこと・聞くことワークシート』
      以上学事出版刊

       ◆       ◆       ◆

−−3.研究会情報−−

 授業づくりネットワーク2003春
  〜新時代の学力をつけるワークショップ30〜
 主催:授業づくりネットワーク
 日時:3月27日(木) 午前10時〜午後5時
 会場:成蹊大学(東京都武蔵野市)
 詳細: http://www.jugyo.jp/yotei/20020328haru.html

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 まぐまぐ http://www.mag2.com/ 0000023841
 Pubzine http://www.pubzine.com/ 8460
 melma! http://www.melma.com/ m00014780
 macky! http://macky.nifty.com/ 23841
 メルマガ天国 http://melten.com/ 1930
 E-Magazine http://www.emaga.com/ sakubun
 カプライト http://kapu.biglobe.ne.jp/ 851
 めろんぱん http://www.melonpan.net/ 000879
 ティアラオンライン http://www.tiaraonline.com/ m102212
 Posbee http://www.posbee.com/ 0000000685
 MailuX http://www.mailux.com/ sakubun
 ポストマガジン http://pmag.spacetown.ne.jp/ 00000641
 ジョイフォ http://www.jfo.jp/ VID22902

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
メールマガジン「実践!作文研究」No.162 2003/3/16  読者数3084
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究会 2000,2003
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「楽しい「鉛筆対談」     

「第162号の感想」を書く 戻  る トップページへ

メールマガジンのご案内へ