メールマガジン「実践!作文研究」
第161号(2003.3.9)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第161号 2003年3月9日発行(毎週日曜日発行)
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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、木越憲輝さんの新連載「算数科や社会科での作文指導」
をお送りします。ご意見・ご感想をお待ちしております。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「算数科や社会科での作文指導」−−
                        東京・小学校
                          木越憲輝

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算数科や社会科での作文指導
       算数の文章問題を作る
                聖学院小学校  木越 憲輝
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 算数科や社会科の授業で作文的方法を使った授業を行う。
どんな作文指導をすれば、子どもたちに作文力をつけられるか。
実践報告をし、検討するのが今回の目的である。 
 今回は、算数の文章問題作りについて考える。

■文章題作文
 次のように「1.5×3」になる式を文にしたのが以下である。
┌────────────────────────────┐
│1.5リットル入りのペットボトルを3本買いました。全部を合わ│
│せると何リットルになるでしょうか。             │
└────────────────────────────┘
 文章問題作りは、想像しながら書く部分と数式の条件が与えら
れている部分がある。それをもとにした文作りで算数的思考力を鍛
えることになる。
 数式だけを見て、問題を作るのには、ステップが必要だ。
子どもたちが思考する過程を想定する。

(1)数字に当てはまりそうな物を想像する。
(2)式にあてはまるストーリーを考える。

 まず今回は、(1)に着目して数字をきめるところから、作業さ
せることにした。
 なぜかというと、その物には相応しい数字があるため、数式や数
字を限定すると、同じ傾向の文になる可能性があると考えたからだ。
 算数の文章問題の短文をたくさん書くことによって、書く力と
同時に小数のかけ算の意味を深める効果があるのでないかと考えて
授業を行った。

■指導例

 小学校4年生である。単元は小学5年上「小数のかけ算」を学習
し終わった後に行った指導である。

(1)小数の使われている物を発表する。

『今日は、小数を使った文章問題をつくります。』
「えー」いやがる反応を見せる。
 文を作ると言われると抵抗感があるようだ。
『普段の生活で出てくる小数や小数が使われている物には具体的に
 はどんなものがあるでしょう。思いつく物をどんどん発表しま
 しょう。』
 発表させると、次のような意見が出た。
 薬の重さ、視聴率、身長、体重、100m走のタイム、
 ベルマークの点、ペットボトルの容器の量、面積の縦と横の長さ
 水槽の深さ、気温、マラソンの距離、大さじ何杯、など
 
(2)小数のたし算を問題を作る。

『では、みなさんが発表した小数を使って、たし算の問題を作りま
しょう。時間は5分間です。実際にありそうな数を必ず使いま
しょう。条件は小数どおしのたし算を作ることです。』

(3)小数のたし算の問題を発表し、検討する。

 5分後、3名を指名した。
 3名指名してされた児童が作った問題文を出題者として読む。
 その他の児童は回答者となり、ノートに式を書く。
┌────────────────────────────┐
│ベルマークが4.5点のものが1枚、3.6点のものが1枚あります。│
│全部で何点でしょうか。                                  │
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
│ 丸い粘土を2つ用意しました。                          │
│ 1つは1.5kgで、もう一つも1.5kgでした。   │
│ 2つを合体させると何kgになるでしょう。       │
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
│ クロール50mを2回しました。             │
│ 1回目は40.61秒、2回目は41.79秒でした。       │
│ 合計のタイムは何秒でしょうか。            │
└────────────────────────────┘
 3人の問題を解いて感じたことを述べる。 
「1番と2番の2人の問題は、たし算の式でもかけ算の式でもでき
 る」全員で式を確認する。
 
(4)小数のかけ算の問題を作る。

『では、小数を使ってかけ算の問題を作ってみましょう。数字は
 自分で考えます。足し算の時と同様実際にありそうな数字を使っ
 て問題を作りましょう。』
『(小数)×(整数)、(小数)×(小数)、(整数)×(小数)
 どのパターンでもよいです。時間は5分間です。』
 早く出来た子は、「もっと作りたい」と言って、2問目、3問目
と作っていった。

(5)できあがった問題を検討する。
 
■考察

(1)小数の使われている物を発表する時間をとったことで
  文作りの苦手な子も、文章題作りの書き出しが早くでき
 た。5分間に最低は1問、最高は3問作ることができた。
  一度作ると短い文でたくさん作ることができる
  ので、作る楽しみを感じた子が多かった。
(2)数や数式を限定しないことによって、多様な問題を作るこ
  とができた。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会
 著書:蔵満逸司・上條晴夫編『小学校算数の学習ゲーム集』
                       (学事出版)

       ◆       ◆       ◆

−−3.研究会情報−−

 授業づくりネットワーク2003春
  〜新時代の学力をつけるワークショップ30〜
 主催:授業づくりネットワーク
 日時:3月27日(木) 午前10時〜午後5時
 会場:成蹊大学(東京都武蔵野市)
 詳細: http://www.jugyo.jp/yotei/20020328haru.html

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

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 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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