メールマガジン「実践!作文研究」
第156号(2003.2.2)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第156号 2003年2月2日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさんこんにちは。
 今回は、池内清さんの連載「上條晴夫氏の作文指導」をお送りし
ます。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「上條晴夫氏の作文指導」−−
                        東京・小学校
                          池内 清

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上條晴夫氏の作文指導
----「書けない子をなくす作文指導10のコツ」を読む(2)----

                聖学院小学校  池内 清
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■はじめに

 前回はこの本のまえがき、目次より上條氏の作文に対する考え方
を簡単に紹介し考察した。前回よりだいぶ日が経っているのでぜひ、
2002年10月6日(実践!作文研究メールマガジン第139号掲載)を参
照していただきたい。
http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/139.html
 今回より、この本の10のコツを一つずつ紹介し、考察しながら、
そのコツを使った私の実践を紹介することにする。
 
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■作文指導は「指示」が命だ!「1.書き出しを指示する」
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 書き出しを指示するとは、作文を書く時、全員に書き出しの語句
もしくは一文ないし二文程度を与え、その後に続けて書くという作
文指導である。

 この作文指導の技術は上條氏独自のものではなく、「定石中の定
石(p16)」だと氏は述べる(p16)。ちなみに私の手元にある、戸田
唯巳著「作文」 明治図書刊(1973)(注1)にも紹介されている。

 さて、この書き出しを与える指導のよい点をまとめると次の2点
が考えられる。
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1.子どもたちから書く抵抗をとることができる。
2.教師が書き出しの内容を選ぶことで子どもたちの作文の内容を
  ある程度コントロールできる。
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 1では、大人でも文章を書くときには書き出しに一番迷う。この
書き出しを与えることで、それに続く文章を書けばいいわけである
から、書き慣れない子であってもハードルはぐんと下がるのである。
 書き出しを与えると子どもたちの作文の個性がなくなるという反
論があるが、作文指導の初歩の指導の場合まず、子どもたちに気楽
に書いてもらうことが第一目的になる。まずは、書き慣れることが
大切になる。また、「一つの書き出しの形式に慣れてくると子ども
たちは勝手に書きやすい書き方をするようになる」(p14)。

 2では、教師が子どもたちに書かせたい事柄を選択することがで
きるということである。
 たとえば上條氏は(p17)で以下のような書き出し例をあげている。
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1.読書感想文の場合
  ・・・という本が楽しかった。
  どの場面かというと・・・
2.社会科見学の場合
  ・・・の工場で○○が一番面白かった。
  どうしてかというと・・・
3.夏休みの後の場合
  今年の夏休みは、百点満点で○点である。
  なぜかというと、・・・
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 このように、教師が書き出しの文を工夫することで子どもたちは
多様な文章を書くことができるのである。

■書き出しを与えた実践例

 以下、筆者の実践例を紹介する。
 臨場感を感じさせる作文を書く練習をした。運動会を題材とした
生活文の作文である。実践学年は小学校3年生である。
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 書き出しに「  」(カギカッコ)を使って書きます。
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 書き出しを文ではなく形式を与えた、書き出しを与える指導の応
用である。
 以下のような作品ができる。
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 「いよいよスタートだ」
 目の前にはボールが3つある。
 台風の目のスタートだ。
 1回目のふえでぼうを持った。
 「みんなつめて持ってね。回る時はこまわりだよ」
と私のグループに言ってからスタートした。
 (中略 3年生・女子)
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 カギカッコから始めているので緊迫感を感じさせる文章になって
いる。また、一文が短く書けているのでキビキビした感じになって
いる。 

注1:戸田唯巳著「作文」明治図書刊(1973)P34(3 書き慣れ
させる)に次の記述がある。
「それから、書き出しのようなものを与えて、『このあとをつづけ
よう』ともちかけて、いろいろ思い出させることも、かなりしつこ
くやってきました。」
戸田はここでは、「せなかがかゆい」と黒板に書き、その後を子ど
もたちに続けて書かせている。

■参考文献
 上條晴夫著「書けない子をなくす作文指導10のコツ」(学事出
版刊1992年)
 戸田唯巳著「作文」明治図書刊(1973)

【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会(HP担当)
      メディアリテラシー教育研究会(事務局員)

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『ディベートで学級会づくり』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数
 ホームページ:『作文が好きになるHP』
       http://homepage2.nifty.com/m-age/ikeuchi/

       ◆       ◆       ◆

−−3.ホームページ進化情報−−
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 お題は「甘いもの」です。
 プロアマ老若男女問わず、どうぞお気軽に参加してくだ
 さい。
 また、学級の子どもたちの参加もお待ちしています。
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−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究会 2000,2003
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