メールマガジン「実践!作文研究」
第15号(2000.5.7)


論理的思考を鍛える「さくぶん情報誌」
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第15号 2000年5月7日発行(毎週日曜日発行)

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 こんにちは。『メールマガジン「実践!作文研究」』第15号を
お届けします。みなさんのゴールデンウィークはいかがでしたか?
この連休で鋭気を養った方、逆に吸い取られた方、様々いらっしゃ
ると思いますが、また新しい1週間、頑張っていきましょう。
 さて、今週は池内さんの連載「作文キーワード事典」をお届けし
ます。今回のキーワードは【根拠】です。ぜひご意見・ご感想をお
寄せください。

         ◆     ◆     ◆

−−2.リレー連載・「作文キーワード事典」−−
                        東京・小学校
                          池内 清

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作文キーワード事典 第四回

   【根拠】・・・自問しながら書く
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■根拠とはなにか

 論理的な作文を書くとき、主張には必ず根拠を伴わせる必要があ
る。根拠とは、主張を支える理由である。

 根拠を書かずに、主張だけしか書いていない文章でも、読み手に
同意してもらえる場合もある。それは、その読み手がもともとその
主張に対して同じ意見を持ってるから同意するのである。
 しかし、意見の異なる読み手に自分の主張を正しく判断してもら
うためには、主張の後に必ず根拠が必要になる。
 ここでは、論理的な作文の「入門期」における根拠の書き方を述
べる。
 
 たとえば、次の文を考える。
┌────────────────────────────┐
│ 日本の小中学校は、制服を私服にするべきである。    │
└────────────────────────────┘
 この文は書き手の主張しか書いていない。なぜ、そう主張してい
るのか理由がよくわからない。
 そこで、次のように、この文に根拠となる文を補ってみる。
┌────────────────────────────┐
│ 日本の小中学校は、制服を私服にするべきである。なぜなら│
│ば、着るものは個人の自由が尊重されるべきだからである。 │
└────────────────────────────┘
 はじめの一文が主張の文、二文目がその主張に対する根拠の文で
ある。このように書くことによって、少なくとも、読み手は、「な
るほど、こういう理由で、この書き手は主張をしているのだな」と
判断する。
 このように、主張の後に根拠を伴わせることによって、意見の異
なる読み手にも、自分の主張を正しく判断してもらうことができ
る。
 
■文章の根拠を考える

 論理的な作文の「入門期」において、主張に対する根拠を考える
ときのポイントは、
┌────────────────────────────┐
│「なぜ、そうなるのか」を自分で考えながら文章を書く。  │
└────────────────────────────┘
ことである。
 自分が文章を書いているとき、その主張が「なぜ、そうなるか」
を説明できるように書くと、それが根拠となる。「なぜ」がうまく
説明できない時は、その根拠が主張を支えていないと考えられる。
その時は、もう一度、根拠を吟味し直す。

 先の例文を使うと、
「日本の小中学校は、制服を私服にするべきである。」
と、自分が主張したいとき、
『なぜ、そう自分は言うのか。その理由は何か。』
を考える。
 この場合、この書き手は、
「着るものは個人の自由が尊重尊重されるべきだからである。」 
と、主張に対する根拠を考えた。
 そして、この二つの文を、理由を導く接続詞『なぜならば』を
使って、つなげたのである。
 整理すると、以下のようになる。
┌────────────────────────────┐
│1.自らの主張を書く。                 │
│2.「なぜ、そうなるのか」自問して、根拠を考える。   │
│3.考えた根拠と、主張した文を、「理由を導く接続詞」で │
│  結びつけて書く。                  │
└────────────────────────────┘
 このように、根拠を「理由を導く接続詞(なぜならば)」でつな
ぐことで、はっきりと根拠が読み手に伝わるようになる。
 もちろん、より説得的な文章にするためには、ここで考えた根拠
の内容の吟味が必要となる。また、場合によっては、根拠に、具体
的な体験や証拠資料などを補うことが必要になってくる。


(参考文献 小野田博一著「論理的に書く方法」日本実業出版社刊
 1997年発行)

■ワンポイントレッスン

 次の文章を、主張と根拠をはっきりと明示し、書き直してくださ
い。
┌────────────────────────────┐
│ 日本の公立小中学校の給食は画一化しすぎている。給食は弁│
│当にするべきである。                  │
└────────────────────────────┘
 
■解答例

 『日本の公立小中学校は給食を弁当にするべきである。なぜなら
 ば、給食は画一化しすぎているからである。』 
 
■解説
 
 文章を形式的に直すだけで、より説得的な文章になるとは言えな
い。例題の文章をより説得的な文章にするためには、この後に、
「画一化」とは何か、具体的な体験、証拠資料などを付け足すこと
が必要である。
 今回は「入門期」ということで、形式的に書き換えてみた。

 1.どちらが主張で、どちらが根拠であるかを考える。
 主張・「給食は弁当にするべきである。」
 根拠・「日本の公立小中学校の給食は画一化しすぎている。」
 
 2.「理由を導く接続詞」を使って、これらの二文をつなげる。
 「給食は弁当にするべきである。なぜならば、日本の公立小中学
 校の給食は画一化しすぎている。」

 3.文章を整える。
 「日本の公立小中学校は給食を弁当にするべきである。なぜなら
 ば、給食は画一化しすぎているからである。」

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 下記アドレスにご意見、ご感想をいただけると幸いです。
 池内 清 ikeuchi@air.linkclub.or.jp
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【今回の執筆者のプロフィールです】

 池内 清(いけうち きよし)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:授業づくりネットワーク(事務局員)
      全国教室ディベート連盟(理事)
      学習ゲーム研究会

 主な著書:『小学校はじめてのディベート授業入門』
      『論理的な表現力を育て学習ゲーム』(共著)
       以上学事出版刊 など多数

         ◆     ◆     ◆

−−3.ホームページ進化情報−−

○次のところにリンクを張りました。
・第38回高校生の「くらしの安全・くらしの安心」作文コンクール
 (主催 日本損害保険協会・損害保険事業総合研究所)
 http://www.sonpo.or.jp/news/news_876.html
・のしいか大学
 http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/2234/

         ◆     ◆     ◆

−−4.編集後記−−

 来週号(No.16)は、石井淳さん(秋田・小学校)のリレー連載
「家庭向け“ほめ上手”のすすめ(第二回)」
 をお送りします。どうぞお楽しみに!

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 届いていない方がいらっしゃると思います。これは「まぐまぐ」
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
編集主幹  上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.com
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