メールマガジン「実践!作文研究」
第145号(2002.11.17)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第145号 2002年11月17日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」145号をお届けします。
 今回は「高校生のための楽しい作文教室」第4回です。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載「高校生のための楽しい作文教室」−−
                        東京・小学校
                          佐内信之

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高校生のための楽しい作文教室 第4回

   五七五作文
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■連載について

 今年度から小学校を休職し、大学院で研究できることになった。
また、その間、定時制高校で非常勤講師をする機会にも恵まれた。

 担当する科目は、2・3年生対象の国語II(受講者17名)と古典
(受講者21名)である。生徒の年齢は18才前後、さまざまなクラス
の生徒が集まる授業である。教科書を中心にした学習内容は定めら
れているものの、できる限り自己表現の場を設けたいと考えた。

 この連載を通して、小学校での経験を生かしながら、高校生でも
楽しく書ける作文指導法を探っていきたい。

■授業のながれ

 国語IIの教科書(明治書院)に出てくる「瀬の音」という小説を
学習した。主人公の森田さんは年配の男性、都会には息子夫婦が住
んでいながら、頑なに独りで田舎暮らしを貫いている人物である。
そんな森田さんは一日中、テレビを消すことがない。そこで、以下
のような問答を生徒に提示した。
┌────────────────────────────┐
│問 森田さんにとって、テレビとは?           │
│答 独り身の 寂しさ癒す テレビの音          │
└────────────────────────────┘
 つまり、強がりを言いながらも、テレビの音で孤独な生活を紛ら
わす森田さんの様子を「五七五」で表現したわけである。

 ところで、テレビと言えば高校生にとっても身近なものである。
そこで、授業の最後5分間で、テレビをお題にした「五七五作文」
に取り組ませてみることにした。これは「師匠の質問に弟子が五七
五で答える」という俳句の練習法を借用したものである。

 まずは、五七五作文がどのようなものか、もう少し分かりやすい
具体例を示すことにした。
┌────────────────────────────┐
│問 好きなタレントはだれですか?            │
│答 (1) 加護ちゃんの かわいいより目 おもしろい    │
│  (2) おどってる ちっちゃなミニモニ かわいいな   │
│  (3) ミニモニと 写真をとりたい だきしめて     │
└────────────────────────────┘
 小学生が創った作品を見せると「これくらいなら出来そうだ!」
と思ったようである。そこで、以下の問題を提示した。
┌────────────────────────────┐
│問 あなたにとって、テレビとは?            │
└────────────────────────────┘
 「テレビ」という題材と「五七五」という手軽さのためか、大部
分の生徒がすぐ作品づくりに取り組んでいた。その中から、五人の
作品を紹介する。

┌────────────────────────────┐
│答 (1) だれかの声 聞こえてる ひまつぶし       │
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
│答 (1) ふと見ると いつもついてる テレビ番組     │
└────────────────────────────┘
 今まで一度も作文を書いたことのなかった生徒のものである。授
業で学習した「森田さんにとってのテレビ」の影響を受けて作品づ
くりを行ったようだ。

┌────────────────────────────┐
│答 (1) 暇な時 時間をけずる 道具です         │
│  (2) 楽しみを 得られる物の 一つだね        │
└────────────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
│答 (1) 一部屋の 目線はいつも テレビかも       │
│  (2) テレビから 気持ち伝わる 時もある       │
└────────────────────────────┘
 やはり、(1)は授業の影響かもしれない。しかし、(2)はいずれも
テレビの良い面に着目しているところが面白い。

┌────────────────────────────┐
│答 (1) 人々の コミュニケーション 代替品       │
│  (2) 流れ行く 情報選別 訓練機           │
│  (3) あれば毒 なければ清水 無いものねだり     │
└────────────────────────────┘
 限られた時間の中で、ワークシートに用意してあった三つの欄を
すべて使って表現している。テレビの長所・短所を踏まえながら作
品にしているところに思考の跡がうかがえる。

■伝言板

 五七五作文については以下の文献を参考にした。
 (1) 上條晴夫『総合的な学習のための教育技術─調べ学習のコツ
   と作文的方法─』健学社
 (2) 上條晴夫・菊池省三編著『楽しみながら思考力を鍛える小学
   校国語の学習ゲーム集』学事出版
 (3) 上條晴夫『だれでも書ける作文ワークシート小学校中学年』
   学事出版

 (1)には五七五作文の意義や具体的な指導方法が詳しく示されて
いて参考になる。

 (2)には「五七五作文 三部作」という実践事例が載っている。
一つの問に対し三つの答を書かせるというアイデアを参考にした。
また「ミニモニ」の作品例も、ここで示されたものである。

 (3)にはワークシートが載っているので、そのまま使うこともで
きる。また、ここに紹介されている「テレビ番組では何が好きです
か」という質問例を参考にした。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 佐内信之(さない のぶゆき)
 東京・新宿区立鶴巻小学校教諭(茨城大学大学院に在学中)
 所属団体:授業づくりネットワーク
      学習ゲーム研究会
      全国教室ディベート連盟など
 主な著書:『ワークショップ型総合学習の授業事例集』(共著)
      『論理的な表現力を育てる学習ゲーム』(共著)
      『小学校ディベート授業がてがるにできるモデル立論
       集』(共著)など
      以上学事出版刊

       ◆       ◆       ◆

−−3.研究会情報−−

○「復活!! 北海道冬の陣 in 旭川」
  言語技術教育としての国語科授業
   〜メディアリテラシー教育の可能性〜
 2003年1月11日(土)〜12日(日) 北海道旭川市
 詳細→http://homepage2.nifty.com/higemaru/fuyu2002.htm

○「作文サミット2002 in 東京」
  作文教育の活性化と作文人の交流を!
 2002年12月1日(日) 東京都品川区
 詳細→http://www.jugyo.jp/sakubun/plan/samit02.html

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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