メールマガジン「実践!作文研究」
第143号(2002.11.3)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第143号 2002年11月3日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」143号をお届けします。
 今回は「日記指導おもしろネタ集」第5回です。
 ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・日記指導おもしろネタ集 5−−
                        東京・小学校
                          木越憲輝

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日記指導おもしろネタ集
         「授業紹介日記」

                聖学院小学校  木越 憲輝
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■授業紹介日記とは

 授業感想文を日記形式にしている。
 そして、さらに授業紹介をするという目的を加えた。
 子どもは、楽しい専科の教師による授業が終わると、担任教師や
隣のクラスの子にも授業内容を伝えたがる。つまり、その場面での
話に出てくる情報を整理し、より様子が伝わるように書く日記だ。
 授業紹介を日記にするには、次の2点に気を付けて書くことが必
要になってくる。
 (1)授業の様子が見ていない人に分かるように書くこと。
 (2)授業から自分がわかった大事なポイントを書くこと。
 
■指導例

(1)はじめは「授業感想文」

 小学4年生である。
 授業終了5分前から5分間ぐらいで、今の授業の感想を書く。
┌────────────────────────────┐
│ 今日の算数の授業は5です。理由は2つあります。    │
│1,3が4つならんでいる中に+や−、×÷そして、( )を│
│ 入れていくのがとっても楽しかったからです。いつも問題を│
│ 解く立場にあるので+や−などの記号を入れて式をかんせい│
│させるのはすごくうれしかったです。           │
│2,ひととおりではなくいくつも答えがあったのがおもしろか│
│ ったです。計算だとひとつしか答えがないので楽しかったで│
| す。                         | 
└────────────────────────────┘
 良く書けている子である。
 自分のした授業の評価として見ることもできる。このようなこと
を繰り返して、授業の様子を書くことに慣れさせる。
 
(2)授業の場面を書かせる「授業日記」

「授業の様子」をテーマにした日記「授業日記」を宿題とした。
次の日提出されたものから、次の作品を児童に読み聞かせる。
┌────────────────────────────┐
│ 今日、体育でサッカーをやりました。          │
│赤の女子対白の女子で戦いました。私は、ボールを使うスポー│
│ツがすごくとくいなので、いっしょうけんめいせめてシュート│
│1対0で白の勝ちでした。Y先生には           │
│「女子はだんごになっているからもっとせめなさい」    │
│と言われました。たしかに「せめれば点が入るし、せめたり守│
│らないとスポーツじゃないな」と思いました。       │
└────────────────────────────┘
『先生の言った言葉を書き取っています。よいです。この一つの
言葉だけで、その場面がよく見えてきます。授業の様子をよく伝え
ている言葉でもありますね。』
『見てない人(特に先生)に授業の様子を紹介して下さい。見たこ
 としたこと、聞いたことをしっかり日記に書き込むと、相手によ
 りよく様子が伝わるでしょう。』

(3)相手に様子を伝える「授業紹介日記」

 専科教師(我が校では、音楽、理科、体育、図工)の授業を担任
(見ていない先生)に授業を紹介することを目的とした「授業紹介
日記」を書くことを宿題にした。自分の体験(したこと見たこと)
を盛り込み、相手に伝える意識で書かれたのが以下の作品だ。
┌────────────────────────────┐
│ 今日は、理科の授業をしました。今日やったことはアルコー│
│ルランプでいろいろな実験をしました。          │
│ まず、最初は、三脚と亜美とアルコールランプと500CC│
│ビーカーとマッチ棒を使っての実験でした。        │
│ この最初にやった実験だけ説明します。         │
│ まず、三脚の上に網を置いてその上に300CC位入れた │
│ビーカーを置きます。                  │
│ そして、アルコールランプに火をつけて、三脚の下に入れま│
│す。十分たってもゆげだけしかでなくて、そこで終わりになっ│
│てしましました。                    │
└────────────────────────────┘
『使った物がよく分かります。何をしたのか「まず」や「そして」
を使って順序よく書いています。とてもよいです。』
『ここで何がわかったかが入れられるとなおよいでしょう。』
 他人に紹介する意識が高い作品だ。この形を意識して、さらに
自分の考えや人の言葉に注目できるとなおよいと思った。
 
(4)まとめも書く「授業紹介日記」

 同じ時間の様子をもう一人は、このように書いてきた。
┌────────────────────────────┐
│ 今日は、理科でお湯を沸騰させました。         │
│ 300ccの水はアルコールランプであたためると、だんだ│
│んあたたかくなり、小さなあわが出てきました。それは沸騰し│
│てたからだと思います。                 │
│ そのお湯と氷の入った水を使って実験しました。どういう実│
│験かというと試験管の口に洗剤をつけ、あたためた時と冷やし│
│た時の違いをみるのです。                │
│ あたためた時は洗剤がもりあがってきて、冷やすと洗剤はへ│
│こみました。このことから水はあたためると、水のかさがふえ│
│水を冷やすと水のかさがへることがわかりました。     │
└────────────────────────────┘
『体験したことで、大事だと思ったポイントを「このことから〜が
 わかりました。」とまとめを書いているのがよいですね。』
 自分の言葉で授業から学んだこと、わかったことを書くと、授業
を振り返ることもできて、要約する力も高まる。
 今後この形を広めていきたい。

■考察

 普通の日記と比べて、授業紹介日記の良さを4点あげる。

(1)固有名やその数など具体的な言葉が多く使えるようになる。
(2)相手意識を持って文を書くことできるようになる。
(3)授業の全体の流れを書き表しながら、授業を振り返る時間を
   持つことができるので、授業の復習になる。
(4)授業の1時間から大事なポイントを切り取る作業を通して、
   要約する力をつけることができる。

■参考文献

授業感想文については、次のものを参考にした。
・上條晴夫著『だれでも書ける作文ワークシート小学校中学年』
 (学事出版)1998年
http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/
 本メールマガジン117号池内清氏

【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会
 著書:蔵満逸司・上條晴夫編『小学校算数の学習ゲーム集』
                       (学事出版)

       ◆       ◆       ◆

−−3.「実践!作文研究」進化情報−−
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 おもしろ作文道場は第90回「三題噺」です。
 100回が近づいてきました。

       ◆       ◆       ◆

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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(C)実践!作文研究会 2002
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