メールマガジン「実践!作文研究」
第138号(2002.9.29)


学力問題としての作文教育を考える
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 メールマガジン「実践!作文研究」
 第138号 2002年9月29日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」138号をお届けします。
 今回は、本誌編集主幹による「作文ワークショップのすすめ」で
す。ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.作文ワークショップのすすめ−−
               MM「実践!作文研究」編集主幹
                         上條 晴夫

■作文指導の情報交流を作り出す

 気がつくとアレコレの作文指導に20年以上もかかわっている。
 小学生を10年教えた。子どもたちを教える先生や学生たちを教
えたりもした。
 その作文の指導方法について、これまで十冊近い著作を出してき
た。しかし作文の指導方法は案外、文章では伝わりにくい。教育技
術書の形で伝えることにある限界を感じはじめたころに「模擬授業」
「ワークショップ」などの指導方法に出会った。
 大人を相手に実際に作文を書かせつつ解説する指導法である。
 こうすると指導技術がぐっと伝わりやすくなった。

■「論理的な文章表現力を高める指導」ワークショップの実際

 作文のワークショップづくりをはじめてからほぼ5年が経つ。
 様々な試行錯誤をくり返しながら、現在はほぼ以下のようなカリ
キュラムの作文ワークショップをするようになった。
(*時間によってワークショップの長さが変わる)
┌────────────────────────────┐
│1)論理的な文章表現力を高める指導のコツ5(30分)  │
│  −「他己紹介ゲーム」を例に−            │
│ 1.主張を明言しよう(「どちらとも」)         │
│ 2.根拠を詳しく書こう(詳しく=長く/データ+理由付け)│
│ 3.複数の根拠はナンバリングしよう(THEポイント)  │
│  4.根拠に「数字・名前」を使おう(説得力のコツ)    │
│  5.余分なことを書かない(脱「起承転結」)       │
|                            |
│2)ワークショップ(90分)              |
|  *10ぐらいのネタの中から3つを出す。        |
│ 1.五七五作文……書くことを楽しむ方法です。      |
| 2.鉛筆対談………取材内容を書くのにピッタリの方法です。|
│ 3.ディベート作文……理由付きで主張する作文です。   |
│                            |
│3)作文指導Q&A(20分)              |
│  *作文指導についての「質問文」を書いてみる。    |
│  *実際に「Q&A」を行う。             |
└────────────────────────────┘
 以上は、長野県の教育センターに頼まれて実施をした作文ワーク
ショップのプログラムである。まず、「論理的な文章表現力を高め
る指導」のリクツを述べる。次に実際にその模擬作文授業をやって
みる。最後に「Q&A」の形をとったふり返りを行う。
 実際の作文ワークショップを体験すると、多くの先生方は、「作
文を書くことが楽しい」「作文の基本の書き方がわかった」「一時
間の作文授業の骨格が見えた」「子どもたちの作文についての教師
の言葉かけをはじめて知った」などの感想を述べてくれる。
 これまでの作文授業のパターンは、教師が作文に関する知識を講
義して、それに従って、子どもたちに文章を正しく作らせるという
ものか、教師が簡単な「文題」を与え、あとはただ子どもに作文を
書かせ、共感・添削(減点)をするというものが中心だった。
 以上のような講義中心・実作中心の授業は、もちろん必要である。
しかし以上のような授業では作文の得意な子どもたちは上達しても、
作文の苦手な子どもたちは上達をしないことが多い。講義中心は子
どもたちの書く意欲を引き出せず、実作中心は(文題の提示の仕方
で書く意欲は引き出せても)書く技術を子ども任せにしがちだから
である。
 書けない子どもを書けるようにする作文授業のポイントを文章で
表現するのはなかなか難しいが、ようするに書く内容と書く技術が
セットになったワークシートのような教材を開発し、子どもの意欲
をかき立てつつ書く技術を身につけさせるということだ。
 もちろん「意欲をかき立てつつ書く技術を身につけさせる」指導
は決して簡単ではない。しかし可能である。類似の例を引くと、
「お笑い」をつくる時に使われる「フリ・オチ・フォロー」の「フ
リ」および「フォロー」の技術である。つまり子どもたちに気持ち
よく書ける設定を与え、表現をさえてみて、それをフォロー(加点)
するのである。
 作文指導の勘所はこの「フリ」と「フォロー」にあると言ってよ
い。
 この指導技術を学ぶにはワークショップの形式が便利である。

■作文ワークショップを広げよう

 作文の指導技術を身につけた先生はけっこういると思われる。
 しかしその指導技術をまわりの先生方にうまく伝えられている先
生の数はごくごく限られた数でしかないと考える。作文では作品評
価に関する部分が最も伝えにくいが、そうした評価技術は「作品合
評」をしていただけでは十分に伝わらない。
 実際その場で参加者(教師)が作品を書いて、その作品について
の指導者のコメントを解説付きで聞くというようなワークショップ
を体験して、はじめて「なるほど」という気づきが発生する。そこ
には簡単には明文化できない技術が存在している。
 作文ワークショップを少しずつでも広げていきたい。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 上條晴夫(かみじょう はるお)

 教育ライター・埼玉大学非常勤講師。
 現在、授業づくりネットワーク代表、全国教室ディベート連盟常
任理事、メディアリテラシー教育研究会代表、実践!作文研究会代
表、日本テレビニュースアドバイザリー委員をつとめる。
 著書・編著書
 『見たこと作文でふしぎ発見』
 『書けない子をなくす作文指導10のコツ』
 『子どもが熱中する作文指導20のネタ』
 『見たこと作文でクラスが動く』
 『見たこと作文実践ネタ集』
 『だれでも書ける作文ワークシート』
        (以上、学事出版 http://www.gakuji.co.jp/ )、
 『総合的な学習のための教育技術−調べ学習のコツと作文的方法−』
        (健学社 http://www.kengaku.com/
 ほか多数。

       ◆       ◆       ◆

−−3.「実践!作文研究」進化情報−−
        http://www.jugyo.jp/sakubun/

○おもしろ作文道場第86回は「合併スペシャル」と言います。
 多数のご参加をお待ちしています。
 http://www.jugyo.jp/sakubun/toko/q-86.html

○12万アクセスを突破しました。日頃のご愛顧ありがとうござい
 ます。今後ともよろしくお願いします。

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
 http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/ まで。
○本誌は次の配信システムを利用して発行しています。
 まぐまぐ http://www.mag2.com/ 0000023841
 Pubzine http://www.pubzine.com/ 8460
 melma! http://www.melma.com/ m00014780
 macky! http://macky.nifty.com/ 23841
 メルマガ天国 http://melten.com/ 1930
 E-Magazine http://www.emaga.com/ sakubun
 カプライト http://kapu.biglobe.ne.jp/ 851
 めろんぱん http://www.melonpan.net/ 000879
 ティアラオンライン http://www.tiaraonline.com/ m102212

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
メールマガジン「実践!作文研究」No.138 2002/9/29 読者数3215
編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
HP: http://www.jugyo.jp/sakubun/
(C)実践!作文研究会 2002
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「第138号の感想」を書く 戻  る トップページへ

メールマガジンのご案内へ