メールマガジン「実践!作文研究」
第135号(2002.9.8)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第135号 2002年9月8日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」135号をお届けします。
 今週から通常モードに戻ります。
 今回は、石井 淳さんによる連載「教室でこそ鍛えたい『伝え合
う力』」第4回です。
 ご感想・ご意見・ご質問をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・教室でこそ鍛えたい「伝え合う力」 4 −−
                        秋田・小学校
                          石井 淳

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 教室でこそ鍛えたい 「伝え合う力」
    「もしも・・・の話で会話がはずむ」

             秋田市立金足西小学校  石井 淳
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 子どもは「もしも」の話が好きである。
 「もしも・・・だったら」という仮想場面で、いろいろと想像力
をはたらかせることが楽しいのだろう。休み時間や放課後に、こう
した話題で楽しく会話をはずませている子どもの姿は、どこにでも
あるはずである。
 教室の授業でも、子どもたちがせっかく机を寄せ合って学習して
いるのであるから、子ども同士の楽しい会話を取り入れながら、
「メモをとる力」や「質問をつなげていける力」を鍛えたいと考え、
以下のような授業を試みた。

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■学習の進め方(指導者の指示)

 1 二人で やります。
 2 「もしも、道に100円玉が落ちていたら」という話から、
   ふたりで話をつづけてみましょう。
 3 ひとりが「見つけた人」になり、もうひとりが、「みつけた
   人」にいろいろ聞いてみましょう。
 4 二人の会話をあとで発表してほしいので、シートにメモをと
   りながら聞いてください。
 5 話がとぎれたら、役を交代してやってみましょう。
 6 終わったら、感想を簡単に書きましょう。

■例示 

 下記のような例を指名した二人に演じてもらい、活動の見通しを
もたせた。
A…(見つけた人)
B…(聞く人)  
  B  Aさんは、もし道ばたで100円玉を見つけたら
     そのときどうしますか。
  A  もちろん拾います。
  B  拾った100円玉をどうしますか。
  A  近くの交番へ届けます。
  B   交番がとても遠い場所だったらどうしますか。
  A  その日は、家に持って帰って、あとで届けます。
  B  そのまま、もらっちゃう人もいると思いますが、
     Aさんは、そうしたことはないですか。
  A  ・・・・・・・・
  B  ・・・・・・・・
  A   ・・・・・・・・
  B  ・・・・・・・・

感想例(B)…いろいろな場合について聞いていけたので、Aさん
       の考え方をよく知ることができました。


■授業の実際(小学5年)

1 導入とペアによる会話…20分
 例をもとに会話の進め方を確認した後、机の隣り合った者同士
 で会話が始まった。聞き手は「メモ」をとりながら聞いていくの
 で、この段階にゆったり時間をとった。メモの取り方は、期間巡
 視しながら、個別に助言して回った。助言したことは、「短く書
 く」ことと「ひらがな書きでよい」という二点だった。

2 発表(会話の再現)…20分
 聞き取りメモをもとに、希望者たちに先ほどの二人の会話を皆に
 紹介してもらう。(ほとんどが希望した)

3 まとめ(指導者のコメント)…5分
  学習のまとめとして指導者がコメントしたのは、「質問のコツ
 は、くわしく聞くことだ」ということである。その「くわしく」
 とは、今日の発表に中にもあったが、「二種類ある」ということ
 をおさえた。そのひとつは「さらにつっこんで聞く」ことであり、
 もうひとつは「角度をかえて聞く」ことである。
  前段の発表の中にも、その二つがちゃんとあったことに、各自
 のシートを振り返りながら気づかせて締めくくった。

■実際の会話例

会話例その1
 B Aさんは、もしも道ばたで100円玉をみつけたらどうしま
   すか。
 A ひろいます。
 B ひろったお金はどうしますか。
 A 自分のものにします。
 B そのお金は、何に使うのですか。
 A 貯金します。
 B 貯金がたまったら、なにを買うんですか。
 A お菓子を買います。
 B そんなことをして、Aさんは罪の意識はないんですか。
 A ありません。

会話例その2
 B Aさんは、もしも道ばたで100円玉をみつけたらどうしま
   すか。
 A ひろいます。
 B そのお金はどうしますか。
 A 自分のものにします。
 B 交番には届けないのですか。
 A はい、交番の場所もよくわからないし。
 B ひろったお金が100円でなくて1万円ならどうしますか。
 A やっぱりもらいます。
 B それは、おとした人が困るんではないですか。
 A そうですね、やっぱりうちの人に相談してみようかと思いま
   す。

【今回の執筆者のプロフィールです】

 石井 淳(いしい じゅん)
 秋田・秋田市立金足西小学校教諭
 所属団体:秋田授業づくりの会(研究誌編集局)
      学習ゲーム研究会
 主な著書:『見たこと作文実践ネタ集』(共著)
      『音読朗読群読の授業づくり』(共著)
      『コピー作文がおもしろい』(共著)
       以上学事出版刊

       ◆       ◆       ◆

−−3.実践!作文研究会オフ会in大阪のお誘い−−

 2001年12月にスタートした「実践!作文研究会」(代表:
上條晴夫)は約160名の会員が、ほぼ毎日、メーリングリスト上
で作文教育について情報交換をしています。
 この度、大阪で研究会オフ会を開催することになりました。4月
21日に第4回授業づくり先端技術開発会議として実施をした東京
オフ会(約40名参加)に続いて2度目の試みです。ぜひたくさん
の方の参加をお待ちしています。「実践!作文研究会」の会員以外
の方でも作文に興味があれば参加できます。
 ふるってご参加ください。

目 的:作文教育活性のため作文及び作文指導法の情報交換をする。
日 時:2002年9月21日(土)

■勉強会:13時〜17時

 ●野浪正隆:「実践・文章表現論」(13:00〜15:00)
  内容:「文章表現論」早わかり(30分)、
     「学生を対象にした文章表現指導」の実際(60分)、
     文章表現に関するQ&A(30分)。
  講師プロフィール:大阪教育大学教授。高校で11年間国語科教
           員として「国語という名の文章表現論」を
           教える。その後、大学へ。より本格的な文
           章表現論の研究と指導を開始する。「現在
           のコンピュータ環境には文章表現研究が不
           可欠」が持論の一つである。

 ●上條晴夫:「作文ミニワークショップ」(15:10〜15:40)
  内容:発想指導にもつながる「番号作文」のワークショップを
     実施する。参加者全員でテーマを決めて番号作文を書く。
     発表する。
  講師プロフィール:小学校教師十年の後、教育ライター。
           著書に『作文指導10のコツ』『作文指導20
           のネタ』などがある。現在、埼玉大学非常
           勤講師として「生活科指導法」「総合的学
           習」も指導する。

 ●山崎一夫:「最近の若者作文―入社試験の現場から」
                     (15:45〜17:00)
  内容:入社受験生の作文を素材に、若者作文の特徴について語
     る。文章のプロが見た若者作文の傾向と入試作文の対策
     を紹介する。
  講師プロフィール:1973年、毎日新聞社入社。大阪本社で
           社会部記者、科学部デスク、社会部デスク、
           阪神大震災直後の阪神支局長を経て特別報
           道部長、2000年4月から、代表室次長
           兼人事・総務部長。
■懇親会:18時〜20時

場 所:勉強会…大阪教育大学天王寺キャンパス大会議室
    最寄り駅情報:環状線寺田町駅より徒歩5分
    懇親会…未定
参加費:2000円(勉強会)
参加者:20人(先着)
申込先:「授業づくりネットワーク・実践!作文研究会」
                      大阪オフ会事務局
    担当:高井和枝(Eメール:kazue@arteyes.co.jp
    メールに
    「氏名・所属・住所・アドレス・懇親会参加の有無」
    などを書いて上記担当までお申し込み下さい。
    下のホームページからも申し込めます。
    http://www.jugyo.jp/sakubun/jsk/off.html

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
○HPやMLなどへの無断転載は固くお断りします。
 転載希望の方は必ず松田までご相談ください。
○本誌の読者登録・解除・アドレス変更・バックナンバーは、
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編集主幹者 上條晴夫 haruo.kamijo@nifty.ne.jp
発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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(C)実践!作文研究会 2002
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