メールマガジン「実践!作文研究」
第130号(2002.8.4)


学力問題としての作文教育を考える
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 メールマガジン「実践!作文研究」
 第130号 2002年8月4日発行(毎週日曜日発行)
 登録・解除は http://www.jugyo.jp/sakubun/magazine/

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−−1.はじめに−−
                  「実践!作文研究」編集長
                          松田善啓

 みなさん、こんにちは。
 「実践!作文研究」130号をお届けします。
 今回は、「日記指導おもしろネタ集」の第4回「見たこと日記」
です。ご意見・ご感想をお待ちしています。

       ◆       ◆       ◆

−−2.連載・日記指導おもしろネタ集 4−−
                        東京・小学校
                          木越憲輝
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日記指導おもしろネタ集
         「見たこと日記」

                聖学院小学校  木越 憲輝
============================================================

■見たこと日記とは

 見たこと日記とは「見たことを書く」日記である。
 書き出しを次のように指定して書かせる。
 「〜を見ました。よく見ると〜」
 以下に作品例を示す。
┌────────────────────────────┐
│                       児童Y  │
│ 私は、学校の帰り道に駅のエスカレーターを見ました。  │
│ よく見ると、かいだんになっている所の周りが黄色で囲んで│
│ありました。                      │
│ 私は、きっと足をエスカレーターにはさまれにくくしてるん│
│だなあと思いました。                  │
└────────────────────────────┘
 見たこと日記は、写真やビデオで撮ったように、書き表していく
ので、生活の振り返りとしてだけでなく、教科学習のたくさんの場
面で活用できる。応用範囲が広い。1つのテーマを与えてやると、
色々な見方がわかるので、おもしろい。以下例として3点挙げる。
(1)社会科の学習で、通学路にあるものを見る。
  「見たこと日記」を書き貯めると、まとまった情報になる。新
   聞作りやポスター作りに役立つ。
(2)理科の学習で、春の植物、星など教科書やビデオで見たもの
   の復習として、実物を詳しく見る。
(3)国語科で語彙指導をした後、学校外でそのモノを見つける。

■指導例

(1)書き出しを決める

 小学4年生である。
 1日目は、書き出しが決まっていることだけを伝える。 
『見たことだけを書きます。書き初めは
 「〜を見ました。よく見ると〜」
 と書きます。その後は自由に続けて書きます。』
 初め、テーマは自由がよい。自由に「見たこと」を日記に書かせ
ることから始める。

(2)「日記のタネ」はいろいろあることを知らせる

 2日目、提出された作品から3つ選ぶ。選ぶ基準は、ネタの違う
ものを選ぶことだ。選んだ作品を読み聞かせする。
「そうじきの中を見ました。よく見ると、フィルターがあって〜
「アジサイを見ました。よく見るとまりみたいに花がさいていま
 した。赤い花と青い花がありました。〜」
「今日の帰りに、山手線に乗りました。その時に、床を見ました。
 よく見ると、ぬりかえてあるのがわかりました。〜」
 家のモノ、外にある植物、帰り道に見たモノなど日記に書くタネ
は、色々あることを伝える。 

(3)三段構成を指導する

 3日目、書かれたものから、1つ選んで読み聞かせする。
┌────────────────────────────┐
│                       児童M  │
│ すみれを見ました。                  │
│ よく見たら、本葉が生えていました。本葉は2・ぐらいでし│
│た。あと、つるつるしていました。            │
│ 早く大きくなって、花を見てみたいです。        │
└────────────────────────────┘
『「本葉は2・ぐらい」がよいです。数字を使うと大きさが具体的
 で相手に伝わりやすいです。』
 さらに、加えて
『短いけれども、文の繋がりが良いです。この文は、3つの段落に
 分けられます。
 1段落目は、見たこと。
 2段落目は、見た物の詳しい情報。
 3段落目は、自分の感想や気持ちです。
 この文の繋がりや並べ方を真似してみましょう。』
 板書しながら説明する。

 4日目からテーマを決めて見たこと日記を宿題とした。
テーマは「通学路の交通安全について」だ。
共通のテーマとした。みなが同じテーマで見たこと日記を書いた。
 その結果、冒頭の作品例児童Mの作品が出た。

■考察

 見たこと日記の良い点を挙げてみる。

(1)書き出しが決まっているので書きやすい。
  作文の宿題の中で、見たこと日記が一番人気だ。
  それは、書きやすいからだ。
(2)ネタが探しやすい。
  「見る」活動に限定することによって、作文のネタが、見つけ
  やすくなる。だから書きやすい。
(3)普段の子どもたちの「見る」意識が高まる。
  見たこと日記を書くために「見る」意識を高めることによって
  普段の会話や日記の中に、地域や帰り道で「見たこと」を語る
  場面が多くなった。  
(4)3段構成指導がしやすい。
   1段落目は「〜見ました。」で予告文が短く書けてしまう。
  また、1段落目の文末指定があるのがよい。
  2段落目は「よく見ると」で書き出しが指定されているのがよ
  い。〜の所の書くこと内容を伝えるだけで、2段落の文章が書
  けてしまう。あとの3段落目は、感想や疑問を書くだけだ。
   3段構成の文を簡単に説明でき、書かせることができる。

■参考文献

『見たこと作文でふしぎ発見』上條晴夫著(学事出版)
『文芸研実践シリーズ テーマ日記の指導』西郷竹彦監修・奄美文
芸教育研究会著(明治図書)

【今回の執筆者のプロフィールです】

 木越 憲輝(きごし のりき)
 東京・私立聖学院小学校教諭 
 所属団体:学習ゲーム研究会
 著書:蔵満逸司・上條晴夫編『小学校算数の学習ゲーム集』
                       (学事出版)

       ◆       ◆       ◆

−−3.「実践!作文研究」進化情報−−
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 夏休みです。子ども向けに「作文の書き方」を特集しようと考え
 ています。本誌でも、来週からいろいろな「書き物」について、
 書き方を載せていきます。お楽しみに。
 そして「○○の書き方」についての文章を広く募集します。
 我はという方はぜひお送りください。お待ちしています。
 ・日記の書き方、観察文の書き方、手紙の書き方、暑中見舞いの
  書き方、電子メールの書き方、などです。
 ・分量は、30字×20行くらいです。
 ・いただいた投稿は、本誌やホームページに掲載する場合があり
  ます。あらかじめご了承ください。

−−4.編集後記−−

○作文や作文的手法の実践・理論・追試報告などの情報や、作文に
 関するHP、MM、MLなどの情報、本誌への感想をお待ちして
 います。本誌やWEBサイトで紹介させていただくことがあります。
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発行責任者 松田善啓 yo_mazda@nifty.com
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